どこで吸ってきても大問題です~三次喫煙・子どもへの危険も

 当欄ではなんどもお伝えしている、三次喫煙や子どもへの被害の問題、大手紙の医療ページで改めて詳述しています。

 たばこは「屋外」「換気扇の下」なら安心?…子どもへの影響
  =『ヨミドクター』2020年3月16日=

 以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。

“ 「たばこが健康に悪い」なんてことは、このご時世、改めて書くまでもない話かと思います”

“有害物質を分解する能力が低く、成長段階にある子どもは、大人よりも喫煙の影響を格段に受けやすい……79本の研究をまとめた論文は、出産前の母親の喫煙は、生まれてくる赤ちゃんの喘息発症リスクを上げると報告……母が受動喫煙を受けた場合にも当てはまりますので、妊婦さん自身はもちろん、その周りの人たちも喫煙を避けなくてはいけません”

“乳幼児突然死症候群(SIDS)……元気だった赤ちゃんが、突然、亡くなる病気……親の喫煙もそのリスク要因の一つで……両親が喫煙していた場合のSIDSのリスクは4.7倍”

“空気清浄機は、粒子状物質を除去できますが、ガス状物質は除去できません。たばこの煙にはガス状の有害物質も含まれ、空気清浄機では不十分”

“子どもの尿に含まれる「コチニン」というたばこ由来の成分を測定……屋内でたばこを吸う保護者の子どもからは、禁煙家庭の15倍の濃度の成分が検出され、換気扇を回してその下で吸っていた場合でも、10倍以上の濃度で検出されました。換気扇にはたいした効果がなかったのです”

“「喫煙は外ですれば大丈夫」「子どものいないところで吸えば大丈夫」という考え方はどうでしょうか。最近、副流煙が、服やじゅうたん、カーテン、ソファ、衣類に染み込み、それが健康に害を及ぼす「残留受動喫煙」が注目されています。小さな子どもは、カーペットやソファに触れたり、近い位置で過ごしたりすることが多く……直接喫煙と同様の影響を受ける……コチニンの研究でも、屋外のみで喫煙している保護者の子どもの尿から、禁煙家庭の2倍の濃度の成分が検出……煙の成分が保護者の吐く息に含まれていたり、衣服に付着している……いないところで吸えば大丈夫、というわけでもなさそうです”

“ 新型たばこは……メーカー側は、従来の紙巻きたばこと比べ、有害化学物質が90%以上低減されていると宣伝……しかし、これには注意が必要です。……心臓の病気(冠動脈疾患)や脳卒中が起きるリスクは、1日1本しか吸わない場合でも、1日20本吸った場合の40~50%減らなかった……つまり、本数を20分の1にしても、健康リスクは20分の1にはならないということです。メーカー側の言うとおり、有害化学物質が90%以上低減されていたとしても、健康リスクが90%少なくなったわけではない

紙巻きたばこ同様、加熱式たばこにもニコチンや種々の発がん物質が含まれていることに変わりありません。葉の部分のニコチン濃度は、紙巻きたばことほぼ同じという報告があります”

“小児科医の立場からは、むしろ次の二つの点で、非常に問題……煙が出ないため、発生する有害物質が目に見えず、周囲が受動喫煙を避けられない点……切り替えた人の25%が、それまで喫煙していた場所を屋外から屋内に移す傾向……より受動喫煙のリスクが高い屋内喫煙に戻ってしまうのは本末転倒”

“ 次に、誤飲のリスクが大きい点……ニコチン含有密度は、従来のたばこよりも高く、カプセルも小さい……紙巻きたばこでは、乳児が1本丸ごと食べてしまうことはまずありませんでしたが、加熱式たばこのスティックは、4.5センチメートルと従来のたばこよりも短く、カプセル型は2.5センチメートル……子どもの口に容易に入ってしまい、誤飲するリスクは、従来のたばこよりも高い……誤飲事故は急激に増加”

“ 子どもがいるご家庭……妊娠・出産されるご家庭では、たばこは加熱式も含めて全面禁煙とし、少しでもお子さんを守る環境を整えていただければ”

 千葉県君津市の団体のポスター

“望んでも”タバコの煙を受ければ「受動喫煙」

 ところで文中、『受動喫煙とは、「自分の意思と無関係にたばこの煙を浴びること」』とありますが、これはちょっと誤解・語弊を生む表現かもしれませんね? 行政の言う、「望まない受動喫煙」と同じような響きです。

 たとえば私は、喫煙場所を視察・撮影に行くときなどは、臭い目に遭うのを承知で行くわけですが、それが「行ったのは自分の意思だろう」ととられて、その場合は“受動喫煙ではない”という人もいるかもしれません。

 しかし、視察が目的なのであって、受動喫煙は望んではいない、「自分の意思とは無関係に浴びた」と、本来いえるはずです。

平気だった人もやがて発症者に

 「以前はタバコの煙などたいして気にしなかったが、日常的に受動喫煙にあうようになって、発症、それから、わずかな臭いでも発症するようになってしまった」
 という、当機構や活動への相談者は、非常に多くいます。受動喫煙は、平気と思っている人も、避けなければいけないものだと、この活動でわかりました。

 たとえ好きで行った店でも、煙が全く気にならない人でも、タバコの煙を受けたら、やはり「受動喫煙」なのです。

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