新幹線は完全禁煙にならないのか? 東海道新幹線・喫煙室「1つ」は会議室に変更するが・・・
一歩前進? かもしれない発表がありました。
先日、中国の鉄道との違いの記事を紹介したところですが、(→末尾に関連リンクを記載)
車内でも仕事をしたい人へのサービス開始にともない、東海道・山陽新幹線の「7・8号車の」喫煙室を、別の利用にするそうです。
以下の記事では、喫煙室のことはちょろっと書かれているだけですが、見出しには目立っていますね。
東海道新幹線のぞみ7号車「ビジネス車両」に 容量2倍Wi-Fi 喫煙所は会議室に改造
=『乗りものニュース』2021.08.26=
以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。
“・N700Sの7・8号車間(デッキ部)の喫煙ルームを改造し、打ち合わせなどで一時的に利用できる「ビジネスブース」を試験導入。
・開始時期:2022年春以降順次”“東海道・山陽新幹線(16両編成)の7・8号車デッキ部にある喫煙ルームは、「ビジネスブース」の試験導入に先立ち、2022年春をめどに終了する予定”
新幹線にテレワーク車両 JR東海・西が導入
=『朝日新聞DIGITAL』2021年8月26日 20時16分=
“ 10月から新型車両「N700S」の7号車と8号車で、通常より通信容量を2倍に増やしたWiFiを無料で使えるようにする。車内でもウェブ会議などをしやすくするためだ。JR東海は来春以降、両車両をつなぐデッキ部にある喫煙室も打ち合わせなどに使えるスペースに衣替えする”
「東海旅客鉄道株式会社」発表→東海道新幹線のビジネス環境の整備について 2021年8月26日
「新幹線 喫煙」で検索してみたところ、今までの席の禁煙化・喫煙室設置について、去年2月の、先の乗り物ニュースサイトでの記事がありました。
消える列車の喫煙席 近鉄特急 700系新幹線 ただ喫煙車はサンライズで存続予定 なぜ?
=『乗りものニュース』2020.02.09=
“ 鉄道施設の禁煙化は、2003(平成15)年に受動喫煙防止義務を課した健康増進法が施行されて、ようやく本格化……2004(平成16)年に全車両禁煙車で開業した九州新幹線を皮切りに……JR東日本とJR北海道は、2007(平成19)年3月……特急車両を全面禁煙化(寝台列車など一部除く)。京成、南海、近鉄を除く大手私鉄も、有料特急の全面禁煙化に”
“ 一方、JR東海とJR西日本は、2007(平成19)年に導入した東海道新幹線のN700系電車から、喫煙席を廃止する代わりに喫煙ルームを設置しています。その後、山陽新幹線の500系電車、山陽・九州新幹線のN700系7000番台・8000番台もこれに続き……豪華寝台列車……にも喫煙ルームが設置されています”
“ 私鉄では唯一、喫煙車を存続させた近鉄も、特急車両に喫煙ルームを設置しており、2020年度中に廃車予定の一部車両を除き、喫煙ルームの整備を完了しています(未設置車両は現在、全車禁煙で運行中)”
“ 喫煙ルームは改正健康増進法に定められた専用喫煙室に該当する施設なので、喫煙ルームが設置された車両では、今後も車内で喫煙することが可能です”
「喫煙室が無くなる」わけではない?
今回の発表・報道を一読したとき、新幹線に長いこと乗っていない私は、(末尾※)
「これで新幹線は喫煙室なし・完全禁煙になるのか!」と、単純に思ってしまいました。
しかしよく読むと、改装されて無くなる喫煙室は「7・8号車」のもの。東海道新幹線には、他にもたくさん喫煙室があるのです。
いまの喫煙室について、JR公式サイトや個人ブログに詳細がありました。[注・追記 以下の情報、リンク先の引用は、当サイト記事公開の’21年当時のものです。’24年に車内は完全禁煙になり、その記事も掲載しています。(→末尾に禁煙化後の関連記事リンクを記載。)
以下は当時の記録としてお読みください]
「JR東海」サイト 車両編成(N700S)
“・全席禁煙です。
・喫煙ルームがあります。普通車は3号車(博多寄り)、7号車(東京寄り)、15号車(博多寄り)、グリーン車は10号車(東京寄り)です。”
新幹線の喫煙車
=『JR新幹線ネット』=
“現在の東海道・山陽・九州新幹線では、全席禁煙の車両の多くに喫煙コーナー(喫煙ルーム)が設けられています。喫煙ルームは3、7、10、15号車にあります。ただし、一部の編成の短い列車には、喫煙ルームのないものもあります。
東北・北海道・上越・北陸・山形・秋田の各新幹線は全席禁煙で、喫煙ルームもありません。”
新幹線列車内の喫煙ルームと喫煙席
=『東海道新幹線の予約ガイド』=
“東海道新幹線は喫煙者の味方です。のぞみ、ひかり、こだま、いずれの車両にも喫煙ルームが設定されています”
“2020年3月現在、列車内でタバコが吸えるのは全国でも東海道新幹線だけです。山陽新幹線の8両編成の700系、九州新幹線800系以外は東海道新幹線と同じ車両を使うため、喫煙が可能です。JR東日本はすべて禁煙”
新幹線ではタバコは吸える?喫煙室はどこの車両にある?
=『週末はでかけ隊』2020.05.05=
“日本には2020年現在、9路線存在しています。その中でも新幹線車内でタバコが吸える路線は以下の3つです。
・東海道新幹線(東京~新大阪)
・山陽新幹線(新大阪~博多)
・九州新幹線(博多~鹿児島中央)東北新幹線・北陸新幹線・上越新幹線・秋田新幹線・山形新幹線・北海道新幹線の6路線では全面禁煙となっており、車内で喫煙することはできません”
“基本的に、喫煙室が備わっている新幹線の車両はN700系と500系のみです……JR公式サイトの時刻表を見れば、喫煙室がついている車両かどうかわかります……
・全席禁煙…喫煙デッキあり、喫煙可能
・全車禁煙…喫煙デッキなし、喫煙不可能……喫煙デッキがある車両は「全席禁煙」と、喫煙デッキのない車両は「全車禁煙」と書かれています”
受動喫煙・三次喫煙を続ける東海道新幹線
私は鉄道に詳しくないですが、要するに、喫煙室を残し続けているのは「JR東海」運営の東海道新幹線で、その車両が走る山陽と九州の路線も喫煙可能となってしまっているようです。
*JR東海にもフォームから質問しましたが、“7・8号車間の喫煙ルームは来春をめどに終了予定・他の喫煙ルームについては現在のところ未定”でした。
東北や北海道は完全禁煙なのになぜ? 飛行機との差別化という説も聞きましたが、もっとも利用者が多い路線でこれでは困ります。
以下にあげています過去の記事で詳しく述べましたが、禁煙席にいても、近い席に吸ってきた者が来れば三次喫煙に、喫煙室の近くなら二次喫煙(普通の受動喫煙)があります。
前回お知らせの中国に後れを取っている日本。どうしてこの国は、なにもかもこうなんでしょうね。
画像は先のとは別の会員提供、最近の東海道新幹線の喫煙室(ブログより。先の画像クリックで掲載記事に)。
※私は三次喫煙被害の経験から、以前は喫煙車があった「こだま」で、喫煙車両から1車両以上離れた禁煙車両に乗っていました。詳しくは以前の記事→新幹線が「全席禁煙」に! しかし残る問題が?参照。
[当サイト関連既報] ※他にもありますので、検索窓で引いてみてください。
中国の“新幹線”車内は完全禁煙、その理由は? ~ 日本はなぜ喫煙可? ’21年7月
列車の座席での喫煙はもはや時代遅れ ’20年2月
近鉄特急が全席禁煙に~ただし車内に喫煙室を残します ’20年1月
まだあった喫煙車にNHKも驚きの報道…? ’20年2月
駅構内を禁煙化=JR東日本・長野支社 ~ 新幹線は? ’21年9月
【追記 ’24年】車内禁煙化後の記事リンク
ようやく新幹線が全線・車内「完全禁煙」になります ’23年10月
新幹線の喫煙室廃止は当然! 大和教授が解説する煙の漏れと三次喫煙の害 「喫煙ルームを残している限り、受動喫煙をゼロにできない」「もっと早くになくしておかねばならなかった」 ’23年10月
「吸った帰りのやつらの臭いに苦しめられてきた」「悪者なんだから、お前たちって」 新幹線の禁煙化に芸能人が正論 ’23年11月
新幹線駅の喫煙所は? 途中下車して吸う方法? 「ひかり」「こだま」乗車は注意! ’24年3月
新幹線・全車内禁煙化「利用者から特別の反応はなく」 寝台特急には喫煙個室が残っており、他の個室へ受動喫煙が! ’24年4月