“受動喫煙対策法”(?) が成立……?!

 神奈川県や東京都や千葉市など自治体の「条例」ではなく、国による法律である「健康増進法」の改正案(→本ニュースでは6/20に掲載)、先の衆院可決に続き、参院本会議で、「与党などの賛成多数で」本決まりとなりました。

 以下、ネット報道で今日まで見つけたものから。
   ※囲みは上記事の部分引用、「……」は文省略。太字化は引用者がしたものです。
   ※見られなくなったネット報道は、可能なかぎり別のサイトなどに置き換えています。
    公開後に見つけた報道も順次追加しています。

 店や施設内は原則禁煙、改正健康増進法が成立
  =『読売新聞(YOMIURI ONLINE)』2018年7月18日=

 受動喫煙法が成立、防止を義務化 20年4月全面施行へ
  =『朝日新聞DIGITAL』2018年7月18日11時33分=

“すべての人に罰則付きで禁煙場所での喫煙を禁じ、これまで努力義務だった同法の受動喫煙防止を義務化する……改正法は、望まない受動喫煙をなくすことが目的。住宅や旅館、ホテルの客室を除くすべての施設や公共交通機関が対象となる”
“厚生労働省の試算では、禁煙の規制対象となる飲食店は全国で約45%。先月成立した東京都の受動喫煙防止条例では84%が対象とされ、「国の規制は効果に乏しい」との指摘もある”

 受動喫煙対策法が成立=違反に罰則、20年全面施行
  =時事通信社『JIJI.COM』2018/07/18-11:37=

“改正法をめぐっては、厚労省が17年3月、喫煙を認める飲食店を30平方メートル以下のバーやスナックに限るなどの案を示したが、自民党内の規制慎重派が反発し、推進派との調整が難航。同年の通常国会には法案を提出できず、規制を緩める修正をした経緯がある”

 「受動喫煙対策法」とは、本当なら良い名称でしょうが、名に実が伴っている、とはいいがたいものです。
 なにしろ自民が賛成したものですから。

 骨抜きの受動喫煙対策法成立 がん患者が見直しを求める3つのポイント
  =『BuzzFeed Japan』2018/07/18 16:31=

“主に以下の3点が不十分だと指摘されてきた。しかし、この内容は変えられることなく原案通り可決した
1.客席面積100平方メートル以下で資本金5000万円以下の飲食店は喫煙可能としてもいい経過措置が設けられること。
2.小中高校など子供の利用する施設でも、屋外に喫煙所を設けることができるようにしていること。
3.IQOS(アイコス)やPloom TECH(プルーム・テック)など加熱式たばこについては紙巻きたばこと別扱いにし、飲食店内に喫煙専用室を設ければ飲食しながらの喫煙も可能とすること。”

“……自民党の穴見陽一衆院議員から「いい加減にしろ」とヤジも飛ばされた日本肺がん患者連絡会理事長の長谷川一男さん(47)はまず、改正法成立を歓迎した。
「素直に嬉しく思います。右往左往してきた経緯があまりに長く、法律ができないのではないかという懸念もありました。今、一歩進んだ、と理解しています」”
“ただし、「成立した法律の内容は不十分であるとも思っている」と注文をつける……「施行5年経過した段階で検討し、必要とあれば措置を講ずるとありますが、施行は2020年でそこから5年ということは検討は7年後になる。それでは遅すぎます。速やかに実態調査を行い、真に国民の命を守る受動喫煙対策を進めてほしいと願っています」”

 国の受動喫煙防止法が成立、東京都の条例との違いを図解で知る
  =『タイムアウト東京』7月18日、午後6時05分=

 受動喫煙対策、抜け穴多く 健康増進法が成立
  =『日本經濟新聞』7/18 20:00=

“抜け穴も多く、6月に成立した東京都の受動喫煙防止条例と比べても甘さが目立つ”
“国よりも厳しい規制を導入しようという動きは都にとどまらない。千葉市や大阪府も国の基準を上回る条例策定へ検討を始めた”
“海外と比べても遅れが目立っている。世界保健機関(WHO)の4段階の基準では、日本の受動喫煙対策は最低レベルだ。今回の改正健康増進法が施行されても1ランクしか上がらない”

 (社説)たばこ対策 小さな一歩から前へ
  =『朝日新聞DIGITAL』2018年7月19日05時00分=

“自民党の抵抗で、対策の多くが骨抜きにされた、いわくつきの法案である”
“全国の半数以上の店がこれに当たるというから、「屋内禁煙」の原則と例外が逆転していると言わざるを得ない”
“都条例でも専用室での喫煙は許される。日本も加盟するたばこ規制枠組み条約の指針は、こうしたやり方を認めていない”
“受動喫煙対策にいち早く乗りだしたのは神奈川県で、09年に独自の条例を制定した。今回の改正法よりさらに緩い規制だが、それでも抜き打ち検査で、飲食店を中心に毎年約1千件の違反が確認されている。
業者に自主的な対応を促すのが目的で、罰則はあえて適用していないというが、法律や条例を定めても守られなければ意味がない。政府としても神奈川の状況を検証して、今後の対策に生かすべきだ

 外食、全面禁煙進む 売り上げ減 家族客増も「簡単では…」
  =『産經新聞』7/19(木)7:55=

“外食産業大手は既に全面的な禁煙の取り組みを始めている。顧客から禁煙を求める要望も強く、各社とも受動喫煙を敬遠する家族客などの来店増に期待をかける”
“ある居酒屋チェーンの幹部は、「串カツ田中のようにファミリー重視シフトなら可能だが、やはり居酒屋にたばこはつきもので、全面禁煙は簡単ではない」と本音を漏らしている”

 先の『読売』は昨日の夕刊のものですが、紙版ではもっと長く、さらに今日19日朝刊では4カ所にわたって特集・論説しています。
 他紙よりかなり紙面を割いていますが、内容は、規制のユルさへの批判は乏しく、
社説では「都は、猛反発を知事が押し切った」とまで書いています。

 以下の写真は、「健康増進法」を引用しての、神楽坂のビアバー「ロイヤルスコッツマン」店頭の掲示です。(昨年2月撮影)
 2012年の開業時から店内は禁煙でしたが、やがて店頭の灰皿も撤去し「店内外禁煙」に。禁煙表記も多数になりました。

 なお、同店および他の禁煙ビアバーの取り組みは、専門誌『ビール王国』が大きく取り上げており、
STOP受動喫煙 新聞』(18号)では同誌に許可を得て転載していますので、ぜひお読みください。

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