条例の見直しにまた屁理屈の言いがかりも=兵庫県= 「喫煙後45分」「三次喫煙」の害は立証がない…?!
’21年10月の、兵庫県の受動喫煙防止条例の「見直し」についての報道を以前お知らせしましたが、→日本で二番目に制定した兵庫県「受動喫煙防止条例」、見直しへ ~ 喫煙所は閉鎖するのか、しないのか?
おなじメディアでその続報といえる記事が昨年末にありました。しかし今度は、つまらない野次レベル屁理屈を、まるで正当な意見であるかのような見出しとオチで報じています。
疑問残る「喫煙後45分間」ルール、信頼できる科学的エビデンスなし 公平公正な視点で検討を 兵庫県・受動喫煙防止対策検討委員会
=『zakzak(夕刊フジ)』2021.12/27 15:30=
“2013年4月に施行した条例の2度目の見直し時期に当たる今年、……見直し案もウィズ&ポストコロナ社会を見すえたものと”
“検討会は有識者などによるワーキンググループが作成した提言書に沿い進行……県職員を例に「在宅勤務時は勤務時間のみならず休憩時間も居宅内、ベランダ、庭先での喫煙を禁止」「マンション等住民に対する啓発を実施」などが挙げられた。さらに喫煙所に対する取り組みとして、人数制限や密度制限を設ける等、感染拡大防止のためのガイドラインが示された”
“行政は受動喫煙対策について率先的な取り組みを行っていく必要があるとして、県や市町庁舎等の敷地内全面禁煙やたばこの販売禁止などのほか、「喫煙終了後、呼気に含まれるたばこのガス状物質が喫煙前の口臭に戻るまでに45分間必要」という前提で、勤務時間中の禁煙や出勤前の喫煙の配慮などを求めた”
ここまでは良いのですが、このつぎから、“たった一人”の見識のない言いがかりについて記述。
“ これに対し、委員会メンバーの1人である事業者団体代表は、「条例は受動喫煙防止が目的で、喫煙者に禁煙を求めるものではない。『喫煙禁止』は考えが飛躍しすぎではないか」と疑問を呈し……「私権制限ではないか」と疑問を呈した”
“目的が受動喫煙防止なんだから、受動喫煙のないところでの喫煙禁止は必要ないだろう”というのは、一理あるともいえますが、多くの自治体の受動喫煙防止条例には、喫煙者自身の健康被害の減少も視野に入れたものがまた多くあります(ほとんどそうでは)。
それに在宅中に喫煙が増えて、家族や近隣に受動喫煙が発生していることは事実でしょう。(→末尾に関連リンクを記載。)
記事は、これに輪をかけていいかげんな結論めいた結びにしています。
“喫煙後45分間の注意喚起については、そのような研究発表があるとしているだけで信頼できる科学的エビデンスが示されているものではないため、深い議論には至らなかった。これは近年、受動喫煙対策の議論の1つに挙げられている3次喫煙(たばこを消した後に残る化学物質を第三者が吸い込むこと)の問題にも通じるものだが、3次喫煙による健康影響についてはまだ立証はされておらず、先ごろ福島県の条例案検討会では、条項に盛り込まれていた3次喫煙の文言を削除したという例もある”
“エビデンス”(科学的証明)がなぜ必要? 吸ってきた喫煙者のそばにいたらクサイこともわからないなら嗅覚異常です。喫煙後1~2時間たってもクサイやつはいますよ。
三次喫煙の健康被害が無いとでもいうのか? それなら、有害成分が同じ受動喫煙も能動喫煙も健康に害がない、という“エビデンス”を見せてもらいましょうか。
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