喫煙の害を少なく見せる数字のトリック

 よくある“統計のウソ”、数字のトリック、そしてそれによる喫煙の害のゴマカシについて、医師が言及しています。
 受動喫煙も喫煙と同じと思ってお読みください。

 喫煙の害は大きくない? 数字を使いタバコのリスクを低く見せる方法
  =『朝日新聞DIGITAL』2022年2月7日 9時00分=

 以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。

“さまざまな統計指標があります。数字が何を表しているのかを理解していないと、うっかり騙(だま)されてしまうかもしれません”

“喫煙者の「安心したい」という心理に付け込んでいるのか、タバコの害を低く見積もることには一定の需要があり、「喫煙の害はたいしたことない」と主張する書籍もいくつか出版されています”

 ここから、一見ダマされる統計の例と、そのトリックの解説です。

“肺がんの死亡率は10万人あたり90人ぐらい……「……1000人に1人。タバコを吸おうと吸うまいと、1000人のうち999人以上は肺がんでは死なない……0.1%未満というリスクをむやみに恐れる必要はない」”

“ さて、どこがおかしいかわかりましたか?おかしいところはいくつかありますが、まず「1000人のうち999人以上は肺がんでは死なない」というのは間違っています。日本人男性の生涯肺がん死亡リスクは約6%、つまり16~17人に1人が肺がんで亡くなります。1000人に1人どころじゃないです”

“ どこで間違ったのでしょうか。肺がん死亡率10万人あたり90人というのは一年間での数字です。日本人男性が10万人いたら、一年間でそのうち90人ぐらいが肺がんで亡くなりますが、その年に死ななかった人たちも次の年に肺がんで亡くなるかもしれません。いつかは肺がんかそれ以外の死因で亡くなりますが、最終的に肺がんで亡くなる人の割合が約6%です”

“喫煙者と非喫煙者を比較してみましょう。……日本人男性喫煙者の生涯肺がん死亡リスクは14.9%です。ただし全員が喫煙のせいというわけではありません……非喫煙者の生涯肺がん死亡リスクは3.2%ですので、差し引き10%強が喫煙が原因の肺がん死と推定できます。言い換えると、タバコを吸っている日本人男性のうち約10人に1人がタバコが原因の肺がんで亡くなります。「1000人に1人」と「10人に1人」ではだいぶ違いますね”

 さらに……。

“10人中9人は大丈夫というわけではありません。あくまでも肺がん死の推計であって、肺がんにかかる人はもっと多い……死なないとしても、肺がんの治療は体に負担がかかります。また、肺がん以外にも喫煙がリスク要因の疾患はたくさんあります。他の疾患まで含めると、タバコを吸うと吸わない場合と比べて約10年間寿命が短くなります”

“喫煙の害を過小評価する言説に騙されないようにしましょう”

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