喫煙所があっても「ポイ捨て」「路上喫煙」の解決にはなりません ~ 論説・ジャーナリスト石田雅彦氏
タバコ問題・受動喫煙撲滅のテーマの鋭い考察を多く書かれている、活動同志でもあるジャーナリスト・石田記者の新しい論説です。
タバコの吸い殻「ポイ捨て問題」の最適解は喫煙所を増やすことではない
=石田雅彦ライター、編集者 4/9(土) 10:06=
以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。
“吸う場所が減った喫煙者が、路上や公園などに集まり、近隣や通行者などへタバコ煙による健康被害を及ぼし、吸い殻をポイ捨てして社会問題になっている……公衆喫煙所を増設すべきという声も出てきている……喫煙所を設置すれば、はたして喫煙者は路上喫煙をやめ、ポイ捨てがなくなり、受動喫煙の害を根絶することができるのだろうか”
“ 実は、喫煙所を増やすことは、吸い殻のポイ捨て問題の抜本的な解決にならない。……アンケート(※1)によれば、喫煙者の約2/3が「喫煙したくても、喫煙所を利用したくないと思う」……また、喫煙者の約3/4が、喫煙所が設置されていても路上で喫煙したことがあると回答した”
“過料などの罰金の徴収が効果的と回答した喫煙者は6割近くになった。つまり、喫煙者にとっても喫煙所の増設は、問題の抜本的な解決につながらないと感じているようだ”
結局、喫煙所があってもその外で吸う者がいる、ということです。(→末尾に関連する過去記事を記載。)
なぜ喫煙者はそうなのか。
“ 周囲に人のいない場所で吸えばいいのに、なぜ喫煙者が目の前に喫煙所や灰皿がある路上、子どもが遊ぶ公園、タバコ煙が漏れ出るビル裏などでタバコを吸うのか、なぜ吸い殻をポイ捨てするのか、タバコを吸わない人にはよく理解できないかもしれない……理由は、ニコチンが切れると喫煙者はタバコを吸わずにはいられないからだ”
“ タバコ会社はあちこちで喫煙所の設置を働きかけているが、タバコ会社にしてみれば喫煙者というロイヤリティの高い消費者を減らさないため、タバコを吸える場所をなるべく多く増やしたいのだろう”
“ 喫煙所を設置するのは、一見すると喫煙者のためでも非喫煙者のためでもあるように思える。だが結局、ニコチン依存から逃れられない喫煙者の健康のためでもなければ、上記のアンケート調査でわかったように受動喫煙の害を受けるタバコを吸わない人や社会のためにもならない”
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