1970年代は受動喫煙だらけ ~ 当時を描くドラマのタバコ描写は?
当機構の以前の活動も紹介してくれています。
朝ドラ、1970年代の新聞社なのに「タバコなし」 ネットで指摘…演出の背景は?識者に見解を聞く
=『J-CASTニュース』2022年06月05日11時00分=
以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。
“ NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」……「新聞社、まだあの時代だったら、オフィス内はタバコの煙りでモクモクしてたんだろうな」といったツイートが”
“ 今でこそ徹底された感のある禁煙と分煙。日本では2003年に、禁煙や分煙の概念を盛り込んだ「健康増進法」が施行されたほか、2018年には改正健康増進法(受動喫煙防止法)が国会で成立するなど、時代が下るごとにタバコが吸える場所の縮小が進んでいる”
“昭和までの職場といえば、「机の上に灰皿がある」といった、今では考えられない光景が珍しくなかったのも事実……「あの時代の新聞社なんてタバコの煙で前が見えないくらい」といった声が”
“ 作中での設定は1973年だ。J-CASTニュース編集部は……ライターの木俣冬氏に……理由の分析を依頼……近年の朝ドラにおける喫煙の演出について……
「2010年放送の『ゲゲゲの女房』でも出版社でタバコを吸う人がいないと注目されました。2016年放送『とと姉ちゃん』の花森安治がモチーフになっている編集者……2020年放送『エール』の古関裕而がモデルになっている主人公……なども、モデルの人物は喫煙者でしたがまったく吸っていません。2000年代の朝ドラでは2014年放送『花子とアン』の宇田川満代(山田真歩さん)という作家が吸っていて、シーンとしてそれはとても貴重なものでした」”“「再放送の朝ドラだと80年~90年代では自立した女性がタバコを吸うシーンがありますが2018年以降、受動喫煙防止の取り組みがルール化される以前から喫煙シーンは自主規制されているように感じます。喫煙を好意的に感じない人への配慮でしょう。ただし街のセットでタバコ店はよく出てきます。どうやら完全にタバコのない世界線にはしていないようです」”
ここで当機構について。
“ 2019年にはNHK大河ドラマ「いだてん」に受動喫煙シーンが頻繁に登場するとして、公益社団法人受動喫煙撲滅機構がNHKに抗議。その後同機構はNHKから「ドラマでは(編集部注:主人公の)田畑(同:政治)のキャラクターを表現する上で欠かせない要素として描いておりますが、演出上必要な範囲にとどめております」などと回答があったと公表していた”
“ こうした指摘が来る可能性が「ちむどんどん」の演出に影響を与えたのか。
「喫煙場面のあるドラマに厳しい目を向ける方々もいますから、無理して描くこともないということなのではないでしょうか。タバコを小道具に採り入れると手間もかかるでしょうし。『ちむどんどん』はあくまで主人公が料理人をめざす話で新聞社が主舞台ではないので、そこだけリアリティーを出すこともないという判断ではないかと想像します」”
“「余談ですが、タバコを吸う身振りによって演技の『間』を作ることができるので、タバコは演者の助けになる小道具とも言われていましたから、それが使えなくなることによって、俳優にとっては新たに『間』を保たせる技を発見する機会なのです。『いだてん』ではきゅうりをタバコのように指にはさんで持つというアイデアで笑わせてくれました」”
『ゲゲゲの女房』など、タバコが出そうなところで出てこなかった番組については、「日本禁煙学会」が表彰をしています。
→無煙テレビ大賞=「一般社団法人 日本禁煙学会」公式サイト=
現場での受動喫煙対策は
思うのですが、評論家氏の指摘する「小道具に採り入れると手間もかかる」ということもそうでしょうが、俳優やスタッフの受動喫煙も問題視されてきているのではないでしょうか。
現場で権力のある人が受動喫煙を嫌がるとか、全体的に嫌がる人のほうが多いから、換気をよくしなきゃいけない、などの手間も生じるから、ということも理由ではないかと思います。(他にも、撮影場所や小道具へのヤニ付着とかの問題もあるかもしれませんね)
なお、禁煙運動の団体・活動者では、テレビ等でのタバコ描写の問題は、“未成年や禁煙中の人に悪影響を及ぼす(ので控えるべき)”との主張をする人が多いのですが、受動喫煙の撲滅を目的とする当機構としては、第一に「現場での受動喫煙」=職場での受動喫煙、ハラスメントともいえる=を問題視し、つぎに、受動喫煙撲滅の世間の流れに逆らう、プロパガンダのような悪影響、という面で、いままで提言してきたものです。
画像は、タイのテレビでタバコにモザイク処理がなされたもの(『STOP受動喫煙 新聞』27号掲載。大和浩教授ご提供)。このような処理をする国が増えているそうです。
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