“壁ドン”で受動喫煙を撃退? 喫煙者は配慮するも……
迷惑な住宅の受動喫煙、被害者の声の記事は多々ありますが、これはめずらしく喫煙者が主体に書かれています。
責任を感じて、改善をしようとしたのはまだ立派なほうですが、やはり考え方がずれています。
喫煙可マンションで起こったご近所トラブル 愛煙家が悲嘆、お願いという名の“強制”
=『ENCOUNT』2022.06.28
以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。
“ 半年前に賃貸マンションに引っ越してきたばかりのIさん。喫煙歴(紙巻きたばこ)も長く、物件選びの際も“禁煙”の条件がないものを探していた”
“「3か月ぐらいたったとき、ポストに『ご入居者の皆様へ』という手紙が入っていたんです。ベランダや屋外の非常階段などマンション共有部での“喫煙”を禁止する旨が書かれていました」……ベランダで喫煙していたIさんだが、このアナウンスを受けて、室内換気扇の下で喫煙するように”
共用部での火気厳禁は、当然のことです。どうぞベランダで吸ってくださいとしているマンションがあったら問題です。
さて、換気扇で外へ煙を流すようにして、どうなったか。
“それから2、3か月後。隣の部屋から壁をドンドンとたたく音が聞こえるように……「換気扇から漏れ出たたばこの臭いに怒っている」という可能性について考えるようになり、物件の管理会社にこの件を相談”
“「原因としてはやはり私のたばこだろうと言われました。ただ管理会社としては、室内での喫煙を禁止することはできないようで、敷地外での喫煙をひたすら“お願い”されました。どうやらほかの居住者の方からも、深夜の“壁ドン”による騒音について苦情が寄せられていたようです」”
“複数の居住者に迷惑をかけているということに責任を感じたIさんは、たまらず空気清浄機を購入。窓を締め切り、加熱式たばこだけを吸うように”
“「正直、喫煙を禁止されていないマンションの自室で、たばこを自由に吸えないことに不満はあります。隣の方も『とんだ災難だった』と思っているでしょうが、それは私も同じです……」”
“壁ドンドン”は、暴力的な迷惑行為ですので、お勧めはできませんが。
しかし喫煙住民は、やはりもともとの発想から問題です。ベランダで周囲へ受動喫煙が発生したのですから、換気扇下で吸えば同じこと、ということに頭が回らないのです。
とくに最後の弁は、被害者ならみな違和感を覚えますね。(被害者のことをちょっとは思っているだけ、当機構への相談者たちの加害者に比べればマシですが)
記事は、業者が語る実例が続きます。
“不動産業者によると、こうした“臭い”に関する相談は近年増えているという。
「たばこだけではなく、お香、柔軟剤といった香りを発するもので隣人トラブルに発展するケースもあります。法的に禁止されていない個人の嗜好を妨げることはできないので、管理会社としても間に入り“お願い”しているのが現状です」”“ 喫煙を注意した翌日に、玄関前にたばこの吸い殻が盛られていたという“嫌がらせ”もあるといい、“お願い”が必ずしも聞き届けられるとは限らない”
「法的に禁止されていない個人の嗜好を妨げることはできない」という管理会社の考え方もズレています。
問題は「個人の嗜好」ではなく、「他者への受動喫煙被害」です。
騒音や他の悪臭と同じことです。
人に迷惑がかからないように、完全に閉め切るか、どこか遠くへ行って吸うようにさせればいいのです。
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『STOP受動喫煙 新聞』で住宅問題や、その解決についての方法や実例が書かれた号は以下。(他にもあります)
第8号(2014年) 第11号(2015年) 第28号(2019年) 第31号(’20年) 第32号(’20年10月) 第34号(’21年4月) 第35号(’21年8月) 第36号(’21年10月) 第37号(’22年1月) 第39号