喫煙サボリ社員はどうするか
仕事上の保健・健康に関する情報サイトで、タバコさぼり社員への対策が詳しく論じられていました。
冒頭から、読者を、喫煙サボリしない普通の人を対象にしているのもいいですね。
それって休憩じゃないの? 勤務中に頻繁に喫煙する社員への対応
=『産業保健新聞』2022/6/29=
以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。
“勤務中に頻繁に喫煙に行く社員をみて「不公平だ」と思ったことはないでしょうか……不公平感を感じて、モチベーションの低下につながる場合があります”
“喫煙者の社員は席にいない時間が増えるので、業務に影響がでてしまう事態も”
“勤務中の喫煙が休憩になるのかについては判断が別れるところ……2時間に1回のたばこ休憩をとる社員の場合、8時間労働したと仮定すると、1回の喫煙に10分かかったとして40分のたばこ休憩をとることになります。
非喫煙者とくらべて、30分以上休憩が多くなる計算です”“労働法の基本は「ノーワーク・ノーペイ」”
“たばこ休憩が休憩と認められなかったケースとして有名なのが、大阪のチェーン居酒屋の従業員が、長時間労働により心筋梗塞を発症し、療養・障害補償を求めた裁判……一審、二審では、男性が業務時間中に1日20~40本喫煙をおこなっていたため、休憩時間が1日1時間相当あったと判断、時間外労働が100時間を大きく下回ると判断……最高裁では、喫煙時間を休憩時間と認めるかが大きな争点となり……たばこを吸っている間も業務から離れておらず、喫煙時間は休憩ではなく「待機時間」として労働時間に含まれると判断した”
“従業員は倉庫兼更衣室で喫煙し、なにかあればすぐに対応しなければいけない状態であり、完全に業務から離れていたとは言えませんでした。
また、たばこ休憩は1回5分程度であり、まとめて与えられていたとは言えず、休憩と認められなかったのです。
つまり、実務に従事していなくても、事業者の指揮命令下で喫煙していた場合、賃金を支払う必要があります”
「なにかあればすぐに対応しなければいけない状態」といっても、現場から離れていて、仕事に直接ついていなかったのだから、休憩だと思うのですが。
続いて、休憩とみなされた例です。
“喫煙が休憩であると認められ、処分が下されたケースが、大阪府の職員が職場を抜け出し喫煙をしていた例……府の職員6名が喫煙による職務専念義務違反で処分……最も重い処分を受けた職員は2009年4月から2018年7月にかけて2,318回、時間にすると257時間50分も職場を抜け出し喫煙していた”
“大阪府では2005年から府庁舎敷地内での喫煙を禁止……喫煙をするためには敷地の外へ出る必要があり、勤務時間中の喫煙は職務専念義務違反にあたるとしています。
加えて、2018年には松井知事から正式に、府職員による勤務時間中の喫煙の禁止と違反による処分の厳罰化が通達されており、今回の処分につながりました”“職務専念義務は民間企業にも当然に存在するという考え方が一般的……職務専念義務が発生しない喫煙時間を、休憩とするのは合理的な判断と言えます”
そして、そんなサボリ社員への対応策。
“頻繁に喫煙のため席を立つ社員への対応を考える際には、以下の点に注目しましょう。
・ 非喫煙者の不公平感の解消
・ 受動喫煙の防止
・ 喫煙者自身の健康への配慮同じ給料で労働時間が多ければ、不平不満が出るのは当たり前でしょう。
加えて、においなどでストレスを感じる場面も多く、職場全体のモチベーションの低下を招く場合もあります。本人や周囲への健康被害も無視できません。
企業全体として、明確な対応策を示していく必要があります”“喫煙ルールとマナーを明文化する”
“たばこ休憩は暗黙の了解になりがち……あいまいな認識はトラブルを招くため、業務規則にてルールを規定しておきましょう……ルールを守らない社員に対して、懲戒処分を下す根拠にもなります”
“喫煙時間分の賃金を控除する方法も……非喫煙者の不公平感の解消には非常に有効です”
“喫煙によって業務効率が著しく悪化している社員に対して賞与を減額する方法もあります”
画像は単なるイメージ、この人がサボっていたかは不明です(12時前でしたが)。
[当サイト関連既報] ※他にもありますので、検索窓で引いてみてください。
職場の禁煙・受動喫煙対策はどう変わるか? 「改正健康増進法成立」を産業紙が解説 ’18年8月
単なるサボリの喫煙室、廃止・社内完全禁煙化は正当 = 社労士「“労働条件の不利益変更”に当たらない」 ’21年6月
喫煙者を不採用にしたら劇的に良くなった企業=社長の独白の動画 ’19年11月