「軽犯罪」ではなく、「廃棄物処理法」違反で、「逮捕」されます=吸い殻の不法投棄
吸い殻の不法投棄(「ポイ捨て」という軽い、ありふれた事象との印象になる語は、使わないほうがいいのではとさいきん思っています)の問題で、常習犯の書類送検や逮捕があったことは本欄や『STOP受動喫煙 新聞』でお知らせしてきましたが、(→末尾に関連リンクを記載。)
おなじみの法律サイトで、逮捕に至る理由が詳述されていました。
えっ、タバコのポイ捨てで逮捕されるってホント? 「廃棄物処理法」の出番
=『弁護士ドットコムNEWS』2022年08月22日 09時49分=
以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。
“景観が損なわれるだけではなく、小さな子どもや動物などに害が及ぶ可能性もあるため、ポイ捨てに対する批判は少なくない。
ネットでは「逮捕されてほしい」という声もみられる。弁護士は「タバコのポイ捨ては立派な犯罪行為」と語る”
“そもそも、タバコのポイ捨てに関する摘発事例をみかけることはめずらしい。
だが、報道によると、今年5月、北九州市……50代男性が書類送検……6月には、埼玉県内で……70代男性が逮捕されている”
“いずれも、廃棄物処理法違反の疑いとされている。同法では「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない」(16条)と定められており、違反した場合の刑罰は、5年以下の懲役または1000万円以下の罰金(25条14号)となる”
“元警察官僚の澤井康生弁護士……「……吸い殻も、理論的には『ごみ』として廃棄物に該当しますので、みだりに捨てると廃棄物処理法違反になります」”
“タバコのポイ捨ては軽犯罪法にも抵触するおそれが……拘留または科料に処するとしている”
“一方、埼玉県のケースは、廃棄物処理法違反の疑いでの逮捕だった。澤井弁護士は「拘留または科料という軽い刑罰にしかならない犯罪をした人を当然に逮捕できるかというと、そうでもない」と語る”
“「……軽犯罪法に違反した人については、住居不定や氏名不詳または逃亡のおそれがあるという要件を満たさないと逮捕できません。そういう意味で、逮捕するためのハードルが意外に高い……これに対して、廃棄物処理法違反の場合は、通常の犯罪行為として、罪証隠滅や逃亡のおそれがあれば逮捕できるとされています……つまり、埼玉の事件については、軽犯罪法違反で逮捕しようとすると、罪証隠滅のおそれがあるだけでは足りずに、住居不定や氏名不詳または逃亡のおそれの要件まで必要ということになります。
廃棄物処理法違反で立件するほうが、逮捕の要件を満たしやすかったといえるのではないでしょうか」”
“澤井弁護士は、上記の2つのケースが単発的な犯罪ではなく、常習犯または余罪が多数ある悪質な「たばこのポイ捨て」とされていることにも注目して「少額の科料となる軽犯罪法違反ではなく、それなりの刑罰となる廃棄物処理法違反を適用したのではないか」”
“「軽犯罪法違反の刑罰である『拘留』は、1日以上〜30日未満、刑事施設で身柄を拘束する刑罰……『科料』は、1000円以上1万円未満の金銭の支払いを命じられるという最も軽い刑罰……『拘留』は、検察の統計データを見ても年間に数件しか適用されない……科料は1000円以上1万円未満の金銭支払いで済むので、違反者にとって、それほど抑止効果があるとはいえません。
……廃棄物処理法違反の場合は、5年以下の懲役または1000万円以下の罰金です。決して軽い刑罰ではなく、違反者にとってそれなりの抑止効果があるといえます……”“……ポイ捨ては重大な犯罪行為ではありませんが、実際に迷惑を被っている市民にとっては深刻な問題です。今回の警察による立件は、市民の日常生活に寄り添うスタンスとして評価できるのではないかと思います」”
つまり、「逮捕すべき悪質さ」と判断して、逮捕にはふつう至らない軽犯罪法ではなく、廃棄物処理法を適用したのでしょう、ということです。埼玉県警はなかなかやりますね。(以下の関連記事の逮捕のニュースでは、一年前にも埼玉の逮捕報道があります)
みなさんの周りでも、日常的な吸い殻を、警察または役所に、どんどん通報してはいかがでしょうか。
[当サイト関連既報] ※他にもありますので、検索窓で引いてみてください。
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『STOP受動喫煙 新聞』39号
『廃棄物処理法違反の場合は、5年以下の懲役または1000万円以下の罰金』こんな重い罰が課せらることを知りませんでした。
横浜駅西口の交番周辺には多くの吸い殻が放置されています。当然、喫煙禁止区域です。やはり警察が動かないとこういった行為は無くなりません。
車のシートベルトのように取り締まりを重ねれば、身体が覚える。一連の動作に組み込まれるんですね。
喫煙も癖ですので、是非、廃棄物処理法違反で取り締まってほしいです。