加熱式タバコにもニコチン・タールが入っているのに表示が無い…!?
以前あげた記事(空気清浄機の効果のほどは?)に引用した、卒煙商品の企業によるサイトで、加熱式タバコの表示の問題についてわかりやすく解説している記事がありました。
『STOP受動喫煙 新聞』42号に掲載した「用語事典」作成に当たり、葉巻について調べたところ、これも表示がないことから、「葉巻はタバコとは違う」「安全」という勝手な誤解があると知りましたが、現代ではもっと身近な、加熱式タバコでもそうだったとは……!
加熱式タバコにはニコチンとタールが入ってない?
=『Rien pipe(離煙パイプ)』(株式会社マジカル)「禁煙コラム」2023.01.18=
以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。
“加熱式タバコにはニコチンとタールの含有量が記載されていません。そのせいか何となく禁煙できるのではと、感じてしまってる人がいるのではないでしょうか?実際に私の周りでも勘違いしている人、結構います……ところが、記載がないからといって、ニコチンやタールが含まれていないのではなかったのです”
“加熱式タバコが日本で販売開始されたのが2014年。まだ10年もたっていません。当時は名古屋限定で販売。その後、人気沸騰に合わせ、全国展開に……発売当初に筆者が原宿の専門ショップを訪れた際には、中に入れないほど若者で賑わっていた……タバコを吸う事が格好いいとは言えないこの時代、この新しいスタイルに惹きつけられるのも分かる気がします”
“それだけでなく……発売当初は、紙巻きタバコより煙や臭いが少ないことから周囲への健康影響も少ないと期待され……禁煙の飲食店でも加熱式タバコなら吸えるところもありました”
“禁煙席と呼ばれていたエリアで食事……30分くらい経った時……何やら変なニオイがするなと思ったら、私たちの後ろの席の人たちが加熱式タバコを次々に吸われていました”
“テニスコートでも、これはタバコではないからと、堂々と加熱式タバコを吸う人がいました。発売当初は加熱式タバコへの理解不足や、法令も定まっていなかったため、様々なトラブルがあったのでは”
“しかし、現在の受動喫煙防止法では、加熱式タバコの主流煙には紙巻きタバコと同程度のニコチンを含む製品もあるなどの理由から、加熱式も紙巻きタバコと同様に扱われています”
“加熱式タバコの歴史はまだ浅く、長期間使用での有害物質による健康影響はまだ明らかになっていませんが、今後の研究で健康への影響が徐々に解明されていくでしょう”
さて、問題の、表示については。
“紙巻きたばこには、ニコチンとタールの量が記載されています。この量でタバコを選んでいる人もいるでしょう。しかし、加熱式タバコのパッケージにはニコチンとタールの量が記載されていないのです。加熱式タバコにもニコチンとタールは含まれているのに”
“紙巻たばこには、国際的な標準測定法が定められ、たばこ事業法によって、ニコチン・タール量の記載が定められています。しかし、加熱式タバコには、国際的な標準測定法がまだ定められていません。これは加熱式タバコだけではなく、葉巻やパイプタバコ、刻みタバコも同様”
“加熱式タバコには、ニコチン・タールの表示義務がまだ制定されていないだけなのです”
“加熱式タバコは、発売当初、少ない煙とにおいの少なさから紙巻きタバコより安全というイメージが作られました。
しかし、加熱式タバコも紙巻きタバコと同様にニコチンやタールが含まれているので、結局タバコによる健康被害があったのです”
“実際に、加熱式タバコのパッケージには、以下のように記載されています。
「加熱式たばこの煙(蒸気)は、周りの人の健康への悪影響が否定できません。」
「加熱式たばこの煙(蒸気)は、発がん性物質や、依存性のあるニコチンが含まれるなど、あなたの健康への悪影響が否定できません。」”“WHO(世界保健機関)の見解では、
●タバコ会社が資金提供する研究においては、有害物質が著しく軽減されていると報告されているが、有害物質の軽減が健康リスクを低減させるかどうかについては、現時点では科学的根拠はない。
●受動喫煙のリスクについては、科学的根拠は十分でなく、更なる研究が必要である。
●タバコ葉を含むすべてのタバコ製品は有害であり、加熱式タバコも例外ではない。そのため、他のタバコ製品と同様、タバコに関する政策や規制の対象とするべきである”
“紙巻きたばこと同様に、今後、様々な規制と表示義務が課せられていくと考えられます”
タバコ会社は「煙(蒸気)」と書いていますが、蒸気とは肉眼視できないもの。加熱式タバコの呼気は白く見えるので、研究者の間では「エアロゾル」と呼ぶことになっています。身近な水蒸気を連想させる狙いでしょうか。
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