受動喫煙で、介護が必要な体になるかも!
「フレイル」とは、「要介護予備群」、つまりまだ介護されるほどではないが、近いうちにそうなりそうなほどの不健康な状態のことのようです。ツライ話ですね。【はじめての方へ】フレイルとは何かを知って、介護予防=『LIFULL 介護』=
日本と台湾の共同研究で、喫煙・受動喫煙でその問題があることが発表されていました。
記事に出てくる「縦断研究」とは、「同一の変数(人など)を短期間または長期間に亘って繰り返し観察する」研究だそうです。縦断研究=『ウィキペディア』=
長期にわたる調査なので、受動喫煙の研究でよく出てきた「コホート研究」と似ているかと思いましたが、違いがあるようです。縦断的研究・横断的研究・コーホート研究|発達心理学の研究法を理解する=『150の心理教育』=
この研究、記事は、喫煙だけでなくちゃんと受動喫煙についても言及しています。
喫煙と受動喫煙で身体的フレイルのリスクがより上昇、国立長寿医療研究センター・台中栄民総医院共同研究
=『@DIME(アットダイム)』2023.12.27=
以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。
“タバコを吸うことで身体的フレイルのリスクが有意に上昇し、受動喫煙が加わるとさらにリスクが高くなることを示すデータが、国内の地域在住高齢者を対象とする縦断研究から示された”
“喫煙や受動喫煙が有害であることについては、膨大な研究によって強固なエビデンスが確立されており、近年ではフレイル(要介護予備群)との関連も報告されている”
“ただし受動喫煙とフレイルとの関連を示した研究の大半は横断研究であり因果関係は確認されておらず、また喫煙と受動喫煙が重なった場合にフレイルリスクがどのように変化するのかは明らかにされていない”
調査の詳しい条件などは飛ばして、結果を読んでみると――。
“受動喫煙については、家庭内や職場環境などでの自分以外の喫煙者の有無と、その人に接する頻度を問い、それらの喫煙者との接触頻度が「なし」以外(毎日または時々のいずれか)の場合を「受動喫煙曝露者」と定義した”
“喫煙者は身体的フレイルのオッズ比が2.4倍高い可能性が示された”
“喫煙者で受動喫煙曝露のある群は、身体的フレイル発症のオッズ比が3.5倍高かった”
“自分の喫煙のみや受動喫煙のみの群は、有意なオッズ比上昇が観察されなかった”
“男性では……非喫煙者に比較して喫煙者は有意なオッズ比上昇が認められたが……女性は非有意だった”
“75歳以上では……喫煙者は有意なオッズ比上昇が認められたが……75歳未満は非有意だった”
“喫煙者ながらも受動喫煙曝露のない群に比べて、喫煙かつ受動喫煙曝露のある群でのフレイル発症オッズ比は9倍を上回ることが明らかになった”
“本研究は日本人高齢者の喫煙および受動喫煙の状況と身体的フレイルのリスクとの関連を縦断的に検討した初の研究”
“結果の総括として、「累積喫煙量を評価していないことなどが限界点として挙げられるが、喫煙と受動喫煙はフレイルリスクを相加的に高めることが示唆された。それら両者に対する公衆衛生対策の強化が必要と考えられる」と述べられている”
結局、吸わない健常者の受動喫煙では差は見られなかったようですが……、でも喫煙者で受動喫煙もある人(喫煙可の職場や喫煙者の多い家庭などに日々長くいるような人)は明らか、ということですから、やはり受動喫煙での悪化があるということでしょう。体を悪くするものですから、喫煙しない普通の人も、影響はあると思えます。
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