「私有地でも喫煙禁止」の是非?・・・他者への受動喫煙は禁止が当然です
受動喫煙問題も多く取り上げる法律サイトで、2年ちょっと前にこんな記事が出ていました。
タバコの煙に激怒した通行人「勉強しろ、私有地でも喫煙禁止だぞ」 これってホント?
=『弁護士ドットコムNEWS』2023年01月16日 11時29分=
以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。
“都内のどこか……繁華街や高層ビルから少し離れた住宅街……個人所有の小さな駐車スペースが……30代会社員の裕作は、旧知の仲の所有者から許可を得て、若い時分の淡い思い出にひたりながら、その場所で紙たばこを吸うことがあった”
“いつものように紙たばこで一服していたところ、見知らぬ通行人に「私有地でも喫煙禁止だ。条例違反だぞ」と詰め寄られた。
とっさに反論したが、通行人は「喫煙者なのに知らないのか?」「勉強不足だな。調べてからモノを言え」と重ねてくるので、不安になってしまった”
“東京都の特別区(23区)は、それぞれ路上喫煙に関する条例をさだめ……千代田区、港区、中央区、文京区、新宿区について……いずれも路上喫煙に関する条例の内容は微妙にちがっているが、私有地での喫煙は規制対象ではない。ただし、暗黙の「配慮」がもとめられる”
“千代田区の場合、公共の場所(区内の道路、公園、広場など)で、紙たばこや加熱式たばこを喫煙した場合、過料(2000円)の対象となる。
上記のように、私有地での喫煙は規制されていないが、通行人など、周りの人に迷惑をかけないように声かけすることがある”
“六本木などの繁華街をかかえる港区の「みなとタバコルール」では、公共の場所(区内の道路、公園、児童遊園)で喫煙してはならない(過料なし)とされている。
また、公共の場所以外で喫煙する場合、その場にいる人たちに煙を吸わせることがないよう配慮しなければならない”
“私有地であっても建物と道路のきわなど、公道に煙が流れてくるような場合、ルール違反となる”
これは最も多い住宅の受動喫煙問題でもそうですが、「自室内、自分の敷地内なら喫煙は自由」と言って終わらそうとすることが、喫煙者だけでなく、苦情を受けた集合住宅の管理者にも非常に多くあることを、被害の相談者から聞いています。
そこで私は毎回、「自室内の自由はあっても、他人の部屋、他人の行動範囲への被害を生じさせてよい自由はない。いま問題としているのは、自室内で完結していない、他者への悪臭被害である」と返して、責任を追及しましょう、と助言しています。
この記事の例もそうで、私有地の喫煙は自由でも、私有地以外への受動喫煙はあってはならないのです。(相手が人でなくても、建物や車など他者の所有物へのニオイの染み付きがあったらそれも加害です)
「ヨソ様へ迷惑をかけてはいけない」、こんな簡単、当たり前なことがわからないのは、常識も思考力も幼稚なだけです。
本文に出てきた港区の例は以下にありますので、あわせてお読みください。(画像クリックし続けてその記事に、または以下の過去の記事欄)
[当サイト関連既報] ※他にもありますので、検索窓やカテゴリーで引いてみてください。
“〈私有地でも〉公共に受動喫煙をさせないこと” ~ 前進した受動喫煙防止の啓発 ~ 東京都港区 ’20年12月
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