“タバコさぼり”は「ズルい」「くさい」「エレベーターに乗らないで」… 会社が「治療費」全額を出し“卒煙”推奨

 しつこく続く、仕事中なのにタバコさぼりは許されているという問題。

 この記事は受動喫煙・三次喫煙にも言及していますが、解決に向け、会社がカネを出して“卒煙”治療をさせているという例です。

 しかしまた「共存」という語が気になります。喫煙という病気・喫煙者という依存症者を同等に扱い、病的行為を容認・助長してしまう表現です。注意して使ってほしいものです。

 たばこ休憩はズルい? 企業が悩む禁煙対策、“1本でも吸ったら悪”ではない共存の行方「喫煙者をいじめたいわけではない」
  =『ORICON NEWS(オリコン ニュース)』2024-08-16=

 以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。

“ “スメハラ”という言葉が一般化し、においに敏感になった昨今。とくにたばこのにおいは文字通り“鼻につく”ものとして、職場でも嫌われている

“「敷地内禁煙」や「就業時間内(外)禁煙」などを謳う企業も増えている。とはいえ、すべての企業が完全禁煙にできるわけでもなく、吸わない人から「たばこ休憩はズルい」「くさい」といった不満がいまだ上がり続けている”

“近隣のコンビニや公園で喫煙する社員が殺到…という弊害が生まれたことも……このご時世、ある程度の喫煙制限は必至であり、喫煙者・非喫煙者それぞれの反発をなだめながら、対策することが求められている現状”

“神戸市に本社を置く、神鋼環境ソリューションという企業……禁煙への取り組みは2018年頃から着手をしていたが、強化したのは2023年度。保健師である立石さんが旗振り役”

“ 「もともと社内喫煙率は23%と、そこまで高いわけではありませんでした。ただ、疾病などによる労働損失を集計すると、治療や手術で長期休職を余儀なくされる方が年間で数名はいる状況。私は保健師として社員の健診結果を見て指導することもあり、心筋梗塞や肺がん、糖尿病などで無念な思いをする方を多く見てきました……たばこが体によくないことは喫煙者もわかっています。自身の健康のため、『いつかやめたい』と考える方の後押しやきっかけにしてもらえたらと思い、活動を始めました」(立石さん)”

“禁煙の取り組みについて社内アンケートをとってみると……非喫煙者からは、「たばこ休憩をとっていてズルい」「煙が嫌」「くさい」「エレベーターに乗らないでほしい」……喫煙者からは、「決まったルールで吸っているのだから放っておいて」「やめる気はない」……一方で、喫煙者からは「ついに来たか…」「自分もいつかやめなければと思っていた」との諦めと受け入れも”

“ 「それぞれ意見があるのは当然です。ただ、いたずらに禁止一辺倒にして、喫煙者をいじめたいわけではない」と語るのは、安全健康管理部……「会社としては吸う人・吸わない人を分断させたいのではなく、お互いに健康で幸せに、過ごしやすくする方法はないかと模索……健康のプロが指導してくれることで、禁煙する意味合いや納得感が増すのではないでしょうか」”

“24年度においては、1日で午前午後の各1時間だけ吸わない時間を作る「禁煙タイムの導入」や「禁煙治療費全額補助」など行い、今後状況に応じて活動を広げていく予定……注目すべきは、治療費の“全額”補助だろう。福利厚生の一環として“一部”を補助する企業はあるが、“全額”となると多くはない……「過去に一部補助を行ったこともありますが、そのときは利用者が非常に少なかった……」(立石さん)……一部補助をしていた時の利用者は、4年で10人。だがオンライン禁煙治療の全額補助になってからは、半年で17名……「もうイライラしたり喫煙所を探す日々に戻りたくない」「歯茎の状況が良くなり、歯磨きをしても血が出なくなった」「失敗したから今回こそやめたい」「血圧が安定した」「1日500円のたばこ代がなくなり経済的負担が軽くなった」など、取り組み半ばながら多くの喜びの声が”

 では、吸わないまともな社員からの不公平感はないのか?

“禁煙治療に会社がお金を払うことで、吸わない人から「会社のお金をそんなことに使うなんて」といった反発はないのだろうか。不公平感は分断を生みやすくなる”

“ 安全健康管理部……「今のところ、分断と言えるようなことは起こっていない」……「治療がそこまで高額なわけではないですし、喫煙を迷惑に感じていた人にすれば、禁煙治療する人が増えるのはメリット。また、健康被害による急な人員不足を補う機会も減ります。こうした点において、お互いが理解し、納得する形で進めることが重要……」”

“治療をするかどうかはあくまで自主性にゆだねられている”

“ 「理想としては完全禁煙を目指したいですが、現段階では喫煙者・非喫煙者の共存共栄をバランスを取りながら進めていきたい。分断を生むのではなく、喫煙者も“たばこをやめようかな”と思ってもらえる環境を作っていきたい」と立石さん”

 結局、消極的なやり方のようです。
 しかし、多くの、何もしない事業所より、ずっと良いと思います。

以前の記事より。

 
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