黙殺された世界初の受動喫煙の証拠 日本・平山雄博士による論文
健康を害する要因の論説の、筆頭にタバコ・受動喫煙があげられています。
そして、タイトルからあげられた、世界で黙殺された論文とは、「タバコ問題情報センター」の前身の創設者でもある、平山雄(たけし)博士によるものです。
「ヘビースモーカーの妻たちの肺がんリスク」論文が世界でスルーされた悲しい理由
=『DIAMONDO online(ダイヤモンド・オンライン)』2024.12.7 6:00=
以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。
“ 健康的と言われている日本人の生活習慣の中のワースト5は次の5つである。
・喫煙
・高血圧
・運動不足
・高血糖
・食塩過剰摂取”“ この中でダントツの1位である喫煙から……タバコの害をはっきりと示したのは、オックスフォード大学の疫学者ドール(Sir Richard Doll:1912~2005)の調査……イギリス医師会の喫煙者と非喫煙者を50年以上にわたって追跡し、喫煙が10年も命を縮めることを明確に示した”
“ 喫煙者に循環器疾患による死亡者が多いのは、血管の壁が損傷を受け、さらに血液成分が血栓を作るなどの複数の要因が絡んでいる。タバコの煙は肺に入るので、当然、呼吸器にはよくない。肺胞構造が破壊されて肺気腫になり、さらに慢性の気管支炎が加わり、COPD(慢性閉塞性肺疾患)となる”
“ COPDになると、咳と痰が出て、さらに悪化すると、息切れするようになる。COPDの90%は喫煙者である。喫煙者は80歳を越して生きるのは難しいと覚悟した方がよい”
そして、受動喫煙について。
“ タバコをやめると、ほかの人の吸っているタバコの匂いも気になってくる。それだけ匂いに敏感になっているのだ”
“ 他人のタバコの煙(副流煙)でも健康被害を受けるということを最初に指摘したのは、国立がんセンターの平山雄……1981年の「ヘビースモーカーの妻たちの肺がんリスク」という論文は、日本の家は狭いからだろうなどと言われ、世界からなかなか受け入れられなかった”
“その後の研究により、受動喫煙によっても、がん、循環器疾患のリスクが高くなることが確実になった。マンションのベランダでタバコを吸う「蛍族」が増えたのも、「ヘビースモーカーの妻たち」の闘いの成果であろう”
“食事に気をつけ、新鮮な空気を肺いっぱいに吸い込む。それが一番だ”
※記事では「他人のタバコの煙(副流煙)」としていますが、“受動喫煙”には、紙巻タバコや葉巻の先端から立ち上る副流煙だけでなく、喫煙者の吐き出す呼出煙(もとは主流煙)や、染みついたヤニなどの成分からの三次喫煙も含まれます。なので、副流煙の出ない“新型タバコ”(加熱式タバコと電子タバコ)からも受動喫煙はあります。
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〈平山雄博士について触れた記事〉
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〈その他〉
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