イタリア・ミラノで屋外も禁煙に 4万円近い罰則も
数年前、イタリアに行ってきた人から、「あなたは行かないほうがいいよ」と言われました。
路上などの喫煙、受動喫煙がかなりひどかったそうです。
そんな国ですが、少なくともミラノでは進んできていたようで、’21年からは屋外も広範囲で禁止に、今年からは厳罰となったようです。市全域で、罰則もありますから、日本の大半の市区町村よりすぐれています。
ミラノで屋外喫煙禁止に 240ユーロの罰金が科せられる可能性
=『日刊スポーツ』2025年1月3日12時39分=
以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。
“ミラノ市が、今年から室外喫煙も制裁する……複数現地メディアによると「今年からミラノでは、他の人と少なくとも10メートルの距離を維持できる孤立した空間を除いたすべての屋外場所で喫煙することができない」”
“違反した場合は、40ユーロ(約6000円)~240ユーロ(約3万7000円)の罰金が科せられる可能性がある”
“電子タバコは適用外”
“今回の措置は、ミラノ市議会が粒子状物質の削減と気候変化への対応のために20年11月に制定した「大気質法」を根拠に施行された”
“すでに21年からはバス停、公園、スポーツ施設、競技場、墓地、子供の遊び施設など、公共場所での喫煙が禁止されていた”
“イタリアで、屋外喫煙を広範囲に制限した地域はミラノが初となるという”
“当局は今回の措置が、26年ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪・パラリンピックを控え、大気質を画期的に改善するものと期待している”
“イタリアでの室内喫煙は03年から法律で禁止された”
このことの日本での報道は他に見当たりませんが、外国の報道の日本版がいくつかありました。わかりやすいものを一つ。
人口の4人に1人が喫煙者のイタリアで衝撃の全面禁煙令!ミラノの路上喫煙に最大4万円の罰金、「10メートルルール」の例外規定も
=『江南タイムズ』2025年01月02日=
“1日(現地時間)……ミラノで同日から、街頭を含むすべての公共の場での喫煙が違法となった。公共の場で喫煙した者には、40〜240ユーロ(約6,500〜39,000円)の罰金が課される”
“ただし、他人と最低10メートルの距離を保てる隔離された場所は例外とされる。液体タバコや電子タバコも規制対象から除外”
“ミラノは声明で「この措置は都市の大気質改善、市民の健康保護、そして子どもたちも頻繁に利用する公共の場での受動喫煙防止を目的としている」と説明”
“イタリアの喫煙者数は1,240万人に上り、イタリア人の4人に1人が喫煙者”
“イタリア政府は2003年に初めて室内禁煙法を可決し、2005年から施行……欧州諸国の中で、禁煙対策を先導したと評価されている。特にミラノは2020年、喫煙抑制のための大気質条例を可決し、2021年からは公園や遊び場、バス停、スポーツ施設などでの喫煙を禁止した”
“ミラノ以外にも、ヴェローナやボルツァーノなどの一部都市が、公園での喫煙を禁止しており、ヴェネツィアも史跡を禁煙区域にする案を提案している”
その2021年からの規制について、当時の、在住日本人のブログがありました。今年からの罰則適用はすでに決まっていたようです。
今日からミラノ外でタバコは吸えません!
=『Takao Milano』2021-01-19=
“今日から街の環境の質を高めるため、ミラノでは外でタバコが吸えなくなりました!
あーよかった!”“公園、バス停、墓場、サッカー場、スポーツ施設などの公共の場所や10m以内に人がいる場合は、外であってもタバコを吸うことができません。ただ、今の段階ではまだそれほど規則は厳しくないようで、2025年1月1日から本格的に外でタバコを吸えなくなるまで、どちらかといえばその予行演習のような感じです。いずれにしても外でもタバコを吸えなくなるのはとても嬉しいことです”
“外で吸われてどんなことが嫌かというと、イタリアでは歩きタバコをする人が多いので、その後ろを歩いていると煙がこっちに向かってきたり、マーケットなど人がたくさんいる所でも吸うマナーの悪い人がいるので、ナイロン素材の服を着ていて焦がされてしまったこともあります。小さな子供達にも危ないし”
“もう一つ嫌なのが、大抵の人はタバコを吸ったらそのまま吸い殻を道に捨ててしまうので、環境にも良くありません。残念ながら、イタリアでは道路は自分たちの払った税金で市の清掃車が掃除をするので、道は汚しても良い、と思っている人が多い……車を運転していて、赤信号で止まると、前の車の運転手が、いっぱいで山のようになっている車の灰皿をそのまま道に全部捨てた……こんな所に捨てるのかとびっくり。イタリアに来てすぐイタリア人のタバコの吸い方のマナーは悪いなと思いました”
“イタリアで室内での禁煙が始まったのは2003年だったと思うのですが、禁煙になっても、あまり決まりを守るのが得意でないイタリア人は、このルールあんまり守らないだろうな、とはじめ思っていたのですが、びっくりするくらいすぐにみんなこのルールを受け入れ……レストランで食事をしていて途中タバコが吸いたくなると、レストランの外に出て吸うようになりました。これから外で吸えなくなるとどうなるんだろう?”
“一方日本ですが、正直今だにレストランや飲み屋など室内で吸えるところがたくさんあるのはびっくりです。ほとんどの先進国では、室内での禁煙は、かなり前から施行されています。正直早くやめた方がいいです。タバコを吸わない人からすると結構迷惑な物”
“10年ちょっと前にイタリア人の友達が日本に来て、「日本ではなんで室内でタバコ吸えるのに外で吸えないんだ?」とびっくりしていました”
“いよいよミラノも外でタバコが吸えなくなって、少しは街もきれいになるでしょう!日本も早く室内での禁煙開始してもらいたいと思います!”
このブログが書かれたのは’21年ですから、改正健康増進法の飲食店も含む全面施行(’20年4月)よりあとです。しかし施行から5年以上たってもこのかたが書いているように日本はいまだに喫煙店が山ほどありますね。
戻って、今年の報道に対するコメント集も。みなさん熱く支持、「日本もそうしろ」との声が。
ミラノで屋外喫煙禁止に 240ユーロの罰金が科せられる可能性
=『ガールズちゃんねる』2025/01/05(日) 03:04
“害しかないもんね。
販売禁止でいいよ。”“健康に悪いもの堂々と売ることを国が認めてるのが頭おかしい”
“日本もそうしてほしい”
“日本も見習って欲しい”
“条例じゃなくて、刑事罰にして逮捕すればいいのに”
“ヤニカスざまあw”
“時代遅れのコンビニ前は罰金取って欲しい
灰皿なんて置いて無いのに出入口で受動喫煙とか迷惑行為でしかないと思う”“いいなぁミラノ”
“アタマ叩きたくなるよね。タバコ税今の倍くらいにして販売して、路上喫煙してる奴は殴ってもいいことにしてほしいわ。”
“マンションでもベランダとか共用部などルールまちまちだけど、もう、住宅がある地域では吸ってはいけないって法律か条例で決めてほしい。”
よく、“外国では路上は喫煙自由”、そして、“屋外も規制するなんて日本だけだ”、とろくに知りもしないでいうやつがいますが(恐ろしいことにマスコミ・ネット論説でもたびたび書かれています。日本の規制を遅らせるための世論操作か?)、以下の記事にあるように各国で前から進んでいます。とうとうイタリアも、ということで、全世界に広まっていくでしょう。
屋外でも受動喫煙はあり、成分は同じ、同様に被害なのですから、当然のことです。
イタリアは映画や音楽など、文化はすばらしいのですが。(プログレロックより)
[当サイト関連既報] ※他にもありますので、検索窓やカテゴリーで引いてみてください。
外国では、屋外も禁煙化がすすんでいます ~ 南米チリで条例施行
屋外・人前での喫煙が「法令で禁止」に ~ スペインの禁煙状況 ’20年8月
“屋外も喫煙禁止”が広がっています ~ スペインに続きトルコ ’20年11月
テラス席の禁煙が法律で決まります ~ スペイン ’24年3月
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