屋内喫煙所なしだった各空港に喫煙室を設ける要請? ~ タイ 「喫煙室を設けても副流煙の危険を解決できない」
タイでは、空港の屋内の喫煙室は全廃、国で禁止とされていて、屋外の離れたところの喫煙所だけにしているそうです。日本よりずっとすぐれていますね。
しかし、“違反が横行”している(空港を運営する会社の言い分)ということで、空港の会社が、屋内への喫煙室の設置の許可を、国に申請したそうです。
(日本はこういう場合、厚労省に申請するのでしょうかね?)
各報道を見てみましょう。
空港社が主要6空港での喫煙所再開を保健省に要請 喫煙者のマナー違反に非喫煙者が苦情
=『バンコク週報』2025-02-10=
以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。
“タイ空港社(AOT)は同社が管理・運営している主要6空港について、規則を緩和して正式に喫煙所を再開できるよう保健省に要請……空港では2017年制定のタバコ製品管理法に基づいて19年2月に喫煙所が閉鎖……その後……喫煙場所が目立たないところなどに設けられたものの、禁煙エリアで喫煙する人が少なくなく、非喫煙者の空港利用者から苦情が出ている”
愛煙家に朗報? タイの空港で喫煙室復活の可能性~タイ空港公社が声明
=『タイランドハイパーリンクス』2025年2月7日=
“タイ空港公社(AOT)は2025年2月6日、国内主要空港……のターミナル内に喫煙室を設置する許可を求め、保健省と協議を進めていることを明らかに……現在、タイの空港では建物内での喫煙が禁止されており、喫煙者は屋外の指定エリアまで移動しなければなりません。しかし、乗り継ぎ便の乗客にとっては、制限エリアを出ることが難しく、ストレスを感じることも少なくないよう”
“AOTによりますと、禁煙エリアでの違法喫煙やトイレでの喫煙が後を絶たず、火災警報の誤作動を引き起こすケースも発生……世界の主要空港と同様に、空港内に適切な喫煙室を設けることで、喫煙者と非喫煙者の双方に配慮した環境を整える狙いがあると”
“シンガポールのチャンギ空港、韓国の仁川空港、日本の成田・羽田空港などでは、空港内に喫煙室が設置されており……AOTは「乗客の利便性を向上させ、タイの空港が世界トップクラスの快適な空港となるための一歩」と強調”
“保健省は受動喫煙の影響を考慮し、慎重な姿勢を崩していません”
何が「トップクラスの快適な空港となるため」なのかと思います。
今の記事は空港会社寄り・喫煙者寄りの内容でしたが、保健省側・受動喫煙撲滅の姿勢側の記事もありました。まったく視点・書き方が違っています。
タイの空港内に喫煙室は必要?不要?「喫煙室を設置しても副流煙の危険を解決できない」
=『タイニュース・クロスボンバー』2025/2/7=
“病院医学部タバコ管理研究センターのウィット准教授は、タイ空港公社(AOT)が空港内に喫煙室を設置する許可を求めた件についてコメント……タイ公衆衛生局長の報告によると、副流煙には安全なレベルは存在せず、喫煙室を設けても副流煙の危険を解決できない……空気の分離や空気清浄機を使用しても問題は解決しないとのことです”
“世界保健機関(WHO)は、喫煙室の存在は、特に清掃業務を担当する職員に二次喫煙や三次喫煙のリスクを及ぼすと指摘”
“「喫煙室がない空港で喫煙したい人々のための解決策の一つは、禁煙ガムやニコチンパッチなどのニコチン代替製品を空港内で販売すること……これにより、喫煙欲求を抑えたい人々が利用できるようになります」とウィット准教授……この方法は、喫煙室を設置するよりも投資コストが低く、維持管理の負担も少なく、空港の空気汚染も防ぎます”
“これは、スワンナプーム空港をグリーンエアポートにし、利用者全員の健康に優しい環境を目指すAOTの方針とも一致しています”
さて、どうなるでしょうか。
そもそも喫煙者も減り、受動喫煙を問題視することは世界的に広まっているので、設置してもまた廃止や縮小になると思います。
日本もさっさと屋内喫煙室を禁止にすべきです。
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