妊娠中の受動喫煙と重大な妊婦の病気との関連が解明=「常位胎盤早期剥離」
妊婦の喫煙(能動喫煙)が体に悪いことは、科学的な解明が進んでいなかった何十年も前でも、妊婦なら、いや女性、人なら、悪いだろうなとはわかっていたでしょう(私の母も私の妊娠中だけはやめていたそうです。産んだらすぐ再開しましたが)。
しかし、人からの受動喫煙による胎児への健康被害を意識、また科学的な検証が出てきたのは最近のことで、いくつかの報告は当サイトでも記事にしましたが、(→末尾に過去の関連記事リンクを記載)
あらためて、なんか怖そうな妊婦の病気との関係の、日本での研究発表があったそうです。
妊娠中の喫煙対策に加え、受動喫煙防止が母子の健康を守る鍵 東北大
=『NEWS SALT』2025.03.17=
以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。
“妊娠中の喫煙や受動喫煙が、赤ちゃんと母体双方の命を脅かす「常位胎盤早期剥離」のリスクに関与することが東北大学の調査によって明らかになった。妊娠中の喫煙対策に加えて、受動喫煙を防止する取り組みの重要性を示す結果だ”
“常位胎盤早期剥離とは、赤ちゃんに栄養を送る胎盤が、出産の前に子宮から剥がれてしまう病気……母体や赤ちゃんの命に関わる重大な状態で、出血やお腹の痛みが特徴……妊娠中の喫煙や受動喫煙が赤ちゃんや母体の健康に影響を与えることは知られているが、胎盤早期剥離の発症との関連性はこれまで明らかになっていなかった”
“約8万2千人の妊婦のデータを用いて、喫煙および受動喫煙による胎盤早期剥離のリスクの割合を計算……結果、妊娠中に喫煙をし続けたことを起因とする胎盤早期剥離のリスクの割合は、全体の約2.8%……喫煙経験のない妊婦でも、受動喫煙にさらされたことを起因とする胎盤早期剥離のリスクの割合は約3.0%であることが示された。これらの結果から、喫煙と受動喫煙が胎盤早期剥離に大きく関与していることが確認された”
能動喫煙より、受動喫煙のほうが危険性が高いかもしれない、ということのようですね。
“この結果を受けて、妊娠中の禁煙や受動喫煙防止の取り組みの重要性が改めて示された。母子の健康を守るために、妊婦自身に禁煙を呼びかけるのみでなく、公共の場や家庭内での受動喫煙を減らすための政策や啓発活動を強化していく必要があるだろう”
あらためて、妊婦が受動喫煙の発生の可能性がある場所には近寄らないよう、公共の場所、飲食店や公園、路上、さらには公共の場以外でも住宅でも、完全な禁煙化が、法令により厳格化されることが必要です。
「じゃあどこで吸えばいいんだ!」と低レベルなことを言う者(喫煙しない者でもそう言うのがいる)が必ずいますが、半径50mくらい人がいない場所とか煙の漏れが絶対ない喫煙所とか、妊婦や20歳未満立ち入り禁止の喫煙可能店舗を自分で探して吸えばよろしい。甘えたことを言うんじゃない、人の迷惑を最重要ととらえてモノ考えろ、と思います。
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