「水タバコ」(シーシャ)の受動喫煙! CO(一酸化炭素)中毒が、周囲へも! ヤケドの危険も! ~ 東京都・厚労省発表

 “水タバコ”というものをご存じでしょうか。最近は「シーシャ」との名前で(「タバコ」が印象悪いからか?)専用器具を置いて吸わせる専門店をちらほら見かけるようになりました。

 簡単にいうと、大型の器具で、燃焼したタバコの葉からのニコチン等タバコ成分を、パイプから水を通して立ち上った成分を吸うという仕組みです。なお、持ち運べるサイズの器具も出てきているそうなので、吸わせる店や持っている人の家でなければだいじょうぶということでもなくなってくるかもしれません。

 水を通したから害が低いとか無くなっているとかの勝手な思い込みをする人がいますが、加熱式タバコ・電子タバコと同様、タバコの害があります。タバコの葉を使うので法律上も「たばこ製品」であり、20歳未満禁止です。

 そして当然、周囲への受動喫煙もあります。

 そんな有害なものについての研究発表が、東京都でありました。なんとCO中毒=一酸化炭素中毒を、周囲へも起こすそうです。

 水たばこによるCO中毒への注意呼び掛け 東京都、使用者の周りの人にも危険性
  =『CBnews』2025年03月24日 10:00=

 以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。

“ 東京都はこのほど、水たばこの安全性に関する試験結果を発表……高濃度の一酸化炭素(CO)を発生させることから、使用者本人だけでなく、周りの人のCO中毒を引き起こす可能性があると注意を呼び掛けている”

“ 水たばこは炭で燃焼させたたばこ葉の煙を水に通してから吸引する喫煙具で、都内でも多くのカフェ、バー、飲食店などで提供されているが、店舗数の増加に伴いCO中毒事故も増加傾向にある”

“CO濃度は喫煙開始40分程度で300ppm……に上昇。これは1-2時間で頭痛や吐き気を起こす濃度で、使用者本人だけでなく、周りにいる人危険性がある”

“アンケートでは、水たばこによるCO中毒の危険性を「知らない」との回答が68.8%……使用したことがある場所は「水たばこ専門店」が58.0%で、非使用者が使用者と同席した場所は「飲食店等の店舗」で58.7%

“燃焼した炭を使用するため、やけどへの注意も必要”

 その後、都の発表を受けてか、厚労省の発表もありました。ただしこちらの報道は、“周囲への”被害が強調されていません。

 水たばこ、CO中毒症状経験6割 提供店対象、厚労省研究班が調査
  =『KYODO(共同通信)』2025/03/31=

“ 近年、20代を中心に広がっている水たばこを提供する店を対象にした厚生労働省研究班の調査で、客や従業員に一酸化炭素(CO)中毒のような症状が出たことがあると回答した店が約6割に上ったことが31日”

“「『たばこっぽくない』という印象を持たれやすいが、有害性を正しく認識することが重要だ」”

“ 水たばこは「シーシャ」とも呼ばれる。香料や蜂蜜などを加えたたばこを炭で熱し、発生した煙を水に通して吸い込む仕組み……無味無臭のCOが発生し、気付かずに中毒を起こす”

吸引時間が1~2時間と、紙巻きたばこに比べて長い”

“ 「使用中や使用後に客に症状が出た」としたのは115店(60%)。症状は「めまい・ふらつき」が最も多く、109店で年に数人以上発生した”

 なお、COの害、症状などについて、一般の報道もありましたのでご参考まで。(ここに、“最近は水タバコ店での被害も”と書いてほしかったですね)

 一酸化炭素中毒 日常で起こりやすい場所は? いざという時の対処法…症状は軽い頭痛、吐き気、めまい
  =『ヨミドクター(読売新聞)』2025年3月26日=

“ 物が燃えると通常は二酸化炭素(CO2)が生じますが、不完全燃焼だとCOになります。呼吸によってCOが体内に入ると血中を流れる赤血球の「ヘモグロビン」とくっつき……COは酸素の200~250倍もヘモグロビンと結合しやすく、全身の組織や臓器への酸素の運搬を著しく妨げます”

“京都アニメーション放火殺人事件では犠牲者36人のうち5人が……大阪・北新地のクリニック放火殺人事件では患者ら26人全員がCO中毒で亡くなりました

“まずは軽い頭痛や吐き気、めまいといった初期症状が出ます。風邪や疲労に伴う症状と似ている”

“頭痛はひどくなり、錯乱状態に陥り、酸素欠乏で動けなくなります。さらに悪化すると意識を失い、救急搬送と酸素投与が必要になります”

治療法は、高濃度の酸素を投与し、全身に行き渡らせる方法だけ”

“ COは無色透明なうえに無臭で、検出機器がないと気付くのは難しいです。風邪を引いていないのに、頭痛やぼーっとする症状が急に表れれば、すぐに換気をするか、その場を離れる必要があります”

“治療を受けて回復しても、その数週間後に、全身のしびれや精神的な落ち込み、物忘れといった後遺症が表れることがあります。脳へのダメージが理由と考えられます”

“ CO中毒で意識を失った場合、脳の状態を確かめるためにMRI(磁気共鳴画像)の検査を受けるケースがあります。ただ、早期には異常が見つからず、後遺症の発症で気付くこともあります”

“石油ストーブや古い給湯器の有無、車内や勤務先などで危険性の高い場所がないか、確認しておきましょう”

    
 先の画像は東京都町田市の、専門店のようですが、次の店は当機構の近くで、ふつうの飲食店で吸わせるとしたもの。
 しかしこの料理店は「禁煙」と表示しており、聞くと「水タバコ以外は禁煙」とのこと。
 水タバコだけでも吸わせるなら「喫煙可能店」「20歳未満立入禁止」と表示しなくてはならないので違法、横浜市に通報しています。

 
[当サイト関連既報] ※他にもありますので、検索窓やカテゴリーで引いてみてください。
第45号–2024年・冬号(’24年1月) 目次一覧 ※「用語事典」で水タバコの図解あり。

加熱式タバコの受動喫煙=悪臭の上に発ガン成分…“室内可・安全・迷惑にならない”はすべてウソ! ~ 大和浩教授が実験をもとに解説 ’22年12月

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