受動喫煙の「二次被害」 深刻な被害の声に、まったく理解せず “クレーマー” 扱いする非人間たち / 「臭気判定士」による原因究明・対策も

 受動喫煙問題、とくに、最も深刻だが、まだ潜在的である(世間で知られていない)住宅被害を追及する、加納裕子記者の最新記事です。(→末尾に今までの加納記者の記事引用や関連記事リンクを記載。)

 「臭いにおびえて転居」の現実 コンセント穴から隣家のタバコ臭 抗議でクレーマー扱い
  =『產經新聞』2025/5/24 11:00=

 以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。

“ 近隣の住戸からの受動喫煙に対して改善を訴えた人の半数以上がクレーマー扱いされるなどの二次被害に苦しんだとの調査結果が……「住宅での受動喫煙被害を考える会・兵庫」が行った調査”

“受動喫煙は乳幼児突然死症候群や脳卒中、虚血性心疾患など、命にかかわる疾患を引き起こすとされ、専門家は「空気取り入れ口やコンセントの穴などから、近隣のたばこの煙が部屋に流入するケースがある」と指摘”

“ 同団体代表の女性(58)は兵庫県明石市の分譲マンションに住んでいたが、令和3年に隣の部屋に喫煙者が入居。窓を開けていなくても一日に何度もたばこの臭いが室内に漂い、気分が悪く、喉や目が痛むようになった。10代だった長女や近隣の他の住人も体調不良を訴えた。困っていることを直接伝えたり、管理会社に注意を促す貼り紙を掲示してもらうなどしたが、被害は続いた”

“管理組合の理事の中には……「先方はこんなに努力している」「お互いさまの精神はないのか」と女性を責める人も現れた。ただ、体調不良は続いており、対応を求めざるを得ない。「理解されず、苦しかった」と振り返る”

“「受動喫煙が続いたことで少しの臭いにも敏感になってしまった。臭いにおびえる日が続くと思うと、引っ越すしかなかった」”

“同じように苦しんだ経験を持つ人とともに団体を設立……被害の実態についてのアンケートを続けており、これまでに21人が回答。そのほとんどが近隣トラブルに発展することを恐れ、我慢していた”

“何らかの行動をとった人は5人。このうち3人が、女性と同じように「神経質すぎる」「気のせいではないのか」と逆に非難されるなどの二次被害を経験していた”

“ 「喫煙者を糾弾するために大げさに言っているわけではなく、健康を害している。いつ誰の身に起こるか分からない問題だと知ってほしい」”

“ 「臭気判定士」を持ち、悪臭を分析し、問題を解決する「におい・かおり環境アドバイザー」として活動する石川英一さん(66)によると、たばこの煙は刺激が強く、濃度が低くても感知しやすいのが特徴だという。

 「マンションの場合、台所などの換気扇の下で吸ったたばこの煙はベランダか外廊下に排出され、風向きによって近隣に流れる。最近の住宅には外気とつながる『空気取り入れ口』がついており、そこからたばこの煙を含んだ空気が吸い込まれることがある」

“古い集合住宅では壁の裏側天井裏が隣接する住戸とつながっていることがあり、部屋の換気扇を回すと、コンセントや電灯の穴を介して隣の部屋の空気が流れ込んでくることもある”

“ 石川さんは依頼を受けて現場に赴き、目には見えない臭気を調査する……ベランダの仕切りを変えるなどの対策で流入を防げるケースもあるという”

 冒頭から出てくる住宅被害の会については当サイトの他団体リンクページにもありますし、記事にしています。

 新団体「住宅での受動喫煙被害を考える会・兵庫」設立! 会員(無料)・事例・情報を募集! 署名やアンケートも始めています ~ 「逃げ場のない自宅で受動喫煙被害に遭うつらさを知ってください」 ’25年3月

 住宅の受動喫煙問題、「日本禁煙学会」総会で法整備を宣言 ~ マンション規約改正の当事者が登壇 ’24年12月 

 
加納記者の以前の記事

 
[当サイト関連既報] ※他にもありますので、検索窓やカテゴリーで引いてみてください。
 マンションで受動喫煙撲滅の規約が新たに! 自室も「近隣に受動喫煙被害を与えること」は禁止に ~ 兵庫県明石市 ’23年5月

 住宅の受動喫煙は “最後の「残された聖域」” 『産経』加納裕子記者論説 / 路上喫煙撲滅への意見公募を実施中=大阪市 ’23年8月

 “受動喫煙の可能性がある喫煙は禁止” マンション規約が新たに “喫煙者側が証明すべき” ’23年12月

 「強まる嫌煙社会」?連載開始 第一回は新幹線の禁煙化の賛否の声から ~ 意見募集も ’23年11月

〈その他の住宅被害関連記事(ごく一部)〉
 住宅受動喫煙の全国調査~ 「タバコの臭いに不快感」「我慢している」「健康被害」…=『リビンマッチ』調べ / 受動喫煙への対策とは? ’19年6月

 隣人からの受動喫煙をやめさせる法的根拠 弁護士見解 (’24年12月) ’24年12月

 43号=’23年・夏号=発行 「マンションの受動喫煙を禁止とする規約成立」など役立つ情報を多数掲載 ~ 唯一の“受動喫煙問題”定期刊行紙『STOP受動喫煙 新聞』

 =46号=発行・『STOP受動喫煙 新聞』’24年春号 ~ 市営住宅で後遺障害、裁判に!/駅前喫煙所を撤去せよ!(大和浩教授連載)/喫煙所で路上喫煙は減ったのか? 鎌倉市回答/完全禁煙マンション建設中……等々、他にはない情報いっぱいの専門紙です!

 50号刊行!『STOP受動喫煙 新聞』2025年・春号 ~ 今夏の参院選へ / ソウル最新情報 / 再度国会で追及! JT「健康被害」否定! 政府の責務は? / 集合住宅被害・管理者に法的義務 / 「白けることありますか」?……など、楽しく読めるお役立ち情報紙です

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