屋外でも子どもがいるところは禁煙に・’25年7月より ~フランス ~ ただしテラスは対象外…しかし国民はテラス禁煙を望んでいる
外国では、お店など屋内の禁煙化は日本よりずっと進んでいるが、屋外の禁煙は日本より遅れているとよく聞きますが、じつは近年、屋外の禁煙も進んできています。(→末尾に過去の関連記事リンクを記載。)
さらに、フランスでは、子どもがいる屋外を禁煙にするそうです。’25年5月29日に「方針を発表」で、7月から実施というのでスピード施行です。
当然の措置と思いますが、日本では、子どもを守るための「屋内」禁煙の条例はあるものの、罰則なしですし、屋外の法令は案すら出ていませんね。日本がこうなるのはいつのことでしょうか。50年後?
「子供がいる屋外」禁煙に 保健相表明、7月1日から―仏
=『JIJI.COM(時事ドットコムニュース)』2025年05月30日07時18分
以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。
“フランス……保健相は、公園やバス停、学校周辺、スポーツ施設、海水浴場など、子供が立ち寄る可能性のある屋外での喫煙を7月1日から国内全土で原則禁止する方針を明らかにした”
“「たばこは子供がいる場所からなくならねばならない」と強調。喫煙の自由より「きれいな空気を吸う子供の権利」が優先されるとし、「たばこなき世代は実現可能だ」と訴えた”
“ 違反者には135ユーロ(約2万2000円)の罰金”
“カフェテラスでの喫煙や電子たばこは規制の対象外”
フランス、ビーチ・公園などを7月から禁煙に 子どもを保護
=『Reuters(ロイター)』2025年5月30日午後 7:54=
“フランスは、7月からビーチや公園、学校の外などでの喫煙を禁止する。子どもを守るためで、カフェの屋外テラスは除外、電子タバコには適用されない”
“ボトラン保健・家族相は……国内紙インタビューで「子どもがいる場所では、たばこはなくなる必要がある」と指摘。「7月1日からフランス全土のビーチ、公園、学校付近、バス停、スポーツ施設は禁煙となる」と述べた”
“国内では毎日約200人が喫煙により命を落としている。公的機関が今月発表した報告書では、フランスの喫煙率は歴史的な低水準で、18ー75歳で25%弱が毎日喫煙……1990年代後半に記録を取り始めて以降で最低”
“英国は昨年、同様の禁煙を発表。スペインの一部の地域ではビーチでの喫煙が禁止されており、スウェーデンでは2019年から屋外レストランのテラス席、バス停、鉄道駅のホーム、校庭での喫煙が禁止されている”
意見も書いている、さらに詳しい記事も。
フランス 7月1日よりビーチや公園での喫煙禁止に 明日31日は「世界禁煙デー」
=『FRANCE 365』2025.05.30=
“2025年5月30日(金)、明日31日の「世界禁煙デー」に先立ち、フランスでは、公園やビーチなど屋外での喫煙への規制が発表”
“屋内の公共スペースでの禁煙が2007年に法令化されてから18年目にして、ようやく屋外での喫煙への規制が導入されます”
“フランス全土の公園、ビーチ、学校の前での喫煙が全面禁止……違反の場合、罰金135ユーロ(約22,000円/1ユーロ=約163円)”
“「子供がいる場所からタバコは抹消すべき」と、……労働保険連帯家族大臣、カテリーヌ・ヴォ―トラン(Catherine Vautrin)は、今回の政令が「子供を受動喫煙から守る」ことを目的とした規制であることを強調”
“罰金より国民の「責任感」に期待
この法令順守を徹底させるために、各自治体は「禁煙パトロール」部隊を結成するか、……自治体付の自治体警察(Police municipale)(注)が違反の取り締まりを行います。
……どれだけ効果があるかについて大臣は、「取り締まりよりも、国民ひとりひとりが責任感をもって自主的に行動することを信じています」”“喫煙者専用?と言いたくなるほど、もうもうと煙が立っていることが多いフランスのカフェやバーのテラスは、規制の対象外……大臣は……「あくまで子供が多くいる場所での喫煙禁止であって、喫煙の自由を奪うものではない」と明言”
“若者に人気の電子タバコも対象外ですが、今回の規制とは別に、電子タバコのニコチンの含有量を抑える政令が2026年6月末に施行されます”
“フランス人の7割、カフェやレストランのテラスの「禁煙」に賛成
……フランス人の68%がレストラン、カフェ、バーのテラスでの禁煙に「賛成」もしくは「どちらかというと賛成」……さらに「全面的に賛成」は47%もいました。
対象を18歳~24歳の若者に限定すると、その割合は79%に”“喫煙者に対象を絞ると……「全面的に賛成」と答えた人はわずか5人に一人でしたが、「絶対反対」と答えた人は52%にとどまりました。
つまり、喫煙者の半数はカフェやレストランのテラスの禁煙に賛成するか、もしくは「やむをえない」と思っていることがうかがえます”“「全面的な禁止」は喫煙者の支持を得にくいですが、妥協策である「喫煙ゾーンの設置」には調査対象者の71%が賛成、喫煙者の過半数以上が賛成”
“カフェやバーに限らず、公共の場での一切の禁煙に関しては、調査対象者全体の63%が賛成し、喫煙者の64%が反対”
“フランス人の14%が毎日タバコをする「習慣的な喫煙者」であることを考えると、この調査結果は現実的で妥当なものであるといえるでしょう”
“世界一規制が厳しいのはメキシコで、2023年に施行された政令で、公共の場では一切タバコが吸えなくなっています。つまり、メキシコ人は自宅以外ではタバコが吸えなくなっています”
“オーストラリアでも喫煙できない場所を設定しています。
イタリアでは、今年1月からミラノ市で新たな規制が始まり、公共の場においては、他人との距離が10メートル以内の場合、喫煙が禁止”“「屋外の禁煙」に着手したことを評価しつつも、パリの街で歩きタバコがなくなる日を夢見るのは筆者だけでしょうか?
執筆:マダム・カトウ”
カフェテラスとは、テラス席(屋外席)がある喫茶店などのことだそうですが(カフェテラス とは?)、そこなら子どもがいても喫煙OKということのよう。カフェテラスの屋内はさすがに禁煙でしょうが(大半の先進国は屋内禁煙)、テラス席で落ち着いているところへ喫煙されたらたまりませんね。
上記2番目の記事によるとスウェーデンはテラスも禁煙、また大和浩教授の視察では韓国の飲食店もテラス席の禁煙が法で決まっていますが(『STOP受動喫煙 新聞』50号・51号掲載)、上記最後の記事、フランス国民はテラス禁煙を望んでいるほうが多いのですから、早々に進めてほしいものです。
[当サイト関連既報] ※他にもありますので、検索窓やカテゴリーで引いてみてください。
“屋外も喫煙禁止”が広がっています ~ スペインに続きトルコ ’20年11月
スイスの一部で屋外禁煙に ’23年5月
公園・砂浜での喫煙禁止 =フランス= 各国の受動喫煙撲滅は ’24年4月
フランスは日本より受動喫煙もポイ捨ても多い? ’22年6月
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