喫煙所は減った? 増えた? 印象の調査結果 喫煙者で「減った」は半数以下 「タバコの税」の認識まちがいも

 おもしろい調査です。実際に喫煙所の数がどうなったか、ではなくて、増えたと感じるか減ったと感じるかの印象の調査を、喫煙者とタバコなど吸わない正常者に分けて行なったものです。

 喫煙者なら「減った」「困っている」とみな答えるかと思いきや、二人に一人以下でした。なのに見出しは「減った」が多いかのように書いています。

 ネットエイジア調べ 「ここ2~3年で、喫煙スペースが減ったと感じる」喫煙者の47% 喫煙スペースが減ったと感じる喫煙者が受けた影響 「喫煙したくても喫煙できないときがあった」が最多
 「喫煙・喫煙スペース」「たばこ税」に関する意識・実態調査2025
  =『PR TIMES』(ネットエイジア株式会社)2025年9月11日 13時50分=

 以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。

“『「喫煙・喫煙スペース」「たばこ税」に関する意識・実態調査』をインターネットリサーチにより実施し、20歳~69歳の男女1,000名(喫煙者500名、非喫煙者500名)の回答を集計”

“[調査結果]
《喫煙に関する意識・実態》
●「ここ2~3年で、喫煙スペースが減ったと感じる」喫煙者の47%
喫煙スペースが減ったと感じる喫煙者が受けた影響 「喫煙したくても喫煙できないときがあった」が最多
……
ここ2~3年で、喫煙できる場所(喫煙スペース)の数がどのように変わったと感じるか聞いたところ、喫煙者では「増えた」は13.8%、「減った」は47.4%、「変わらない」は36.2%、「わからない」は2.6%……非喫煙者では「増えた」は2.6%、「減った」は37.4%、「変わらない」は24.6%、「わからない」は35.4%”

“喫煙者(500名)に、喫煙に関する行動について質問……
提示した喫煙者の各行動について、したことがあるか聞いたところ……【禁煙場所で喫煙】では33.8%、【喫煙スペースからはみ出して喫煙】では34.4%、【歩きたばこ】では34.0%、【たばこをポイ捨て】では21.2%と、いずれも4割未満にとどまった”

 違反行為が少しでもあったら問題、2~3割以上もあるとは大問題でしょう。「4割未満にとどまった」という表現はいかがか。

 禁煙の場所での喫煙は増えた(「増やした」というべきか)というほうが多いが、路上喫煙は減ったほうが多く、吸いガラ不法投棄(「ポイ捨て」という問題を軽視した語は使いたくありません)は増えた、という人が多いよう。矛盾しているようですが、人目につく路上喫煙は減り、それ以外ではこっそりやっているのではと思います。

“それぞれをしたことがある喫煙者に、ここ2~3年で、各行動をする頻度……【禁煙場所で喫煙】では「増えた」は50.3%、「減った」は49.7%、【喫煙スペースからはみ出して喫煙】では「増えた」は61.6%、「減った」は38.4%となった。

【歩きたばこ】では「増えた」は42.4%、「減った」は57.6%、【たばこをポイ捨て】では「増えた」は55.7%、「減った」は44.3%”

“喫煙者(500名)と非喫煙者(500名)に……見かけたことがある人の割合は、【禁煙場所で喫煙している人】では、喫煙者の73.4%、非喫煙者の47.6%、【喫煙スペースからはみ出して喫煙している人】では、喫煙者の72.4%、非喫煙者の39.8%……【歩きたばこをしている人】を見かけたことがある人の割合は、喫煙者では74.2%、非喫煙者では55.0%、【たばこのポイ捨て(ポイ捨てする人やポイ捨てされた吸い殻)】では喫煙者では74.0%、非喫煙者では57.4%”

““禁煙場所で喫煙”、“喫煙スペースからはみ出して喫煙”、“歩きたばこ”、“たばこをポイ捨て”については、したことがある喫煙者の割合では4割未満にとどまった一方、見かけたことがある喫煙者の割合は7割を上回る結果”
 

“見かけたことがある人に、ここ2~3年で、各行動が増えたと感じるか、減ったと感じるか……【禁煙場所で喫煙している人】が「増えた」と回答した人の割合は、喫煙者(367名)では64.3%、非喫煙者(238名)では46.2%となった。

【喫煙スペースからはみ出して喫煙している人】が「増えた」と回答した人の割合は、喫煙者(362名)では71.3%、非喫煙者(199名)では53.8%……
【歩きたばこをしている人】が「増えた」と回答した人の割合は、喫煙者(371名)では45.8%、非喫煙者(275名)では33.8%……【たばこのポイ捨てをしている人】が「増えた」と回答した人の割合は、喫煙者(370名)では51.6%、非喫煙者(287名)では34.5%”

 これも一見意外、喫煙者のほうが違反を多く目撃しているとのこと。つまり、吸わない人でもそんなに違反を気にしていない人が多く、喫煙者は違反者を見て自分も本当はそうしたいとか、あんなにいるのだから自分がしてもよい、などと感じているからではないでしょうか。特に喫煙所の外での違反などはそこに行かない・避けている健常者より喫煙者のほうが目に付くでしょうから。

“ポイ捨て(ポイ捨てする人やポイ捨てされた吸い殻)を見かけたことがある人に……どこで見ることが多いか聞いたところ、喫煙者(370名)では、「駐車場・コインパーキングの周辺」(45.4%)……「飲食店の周辺」(41.1%)、「喫煙スペースの周辺」「駅前」(いずれも38.4%)、「公園」(34.3%)となった。

……非喫煙者(287名)では、「駅前」(43.9%)が最も高くなり、「駐車場・コインパーキングの周辺」(41.5%)、「住宅街」(37.3%)、「飲食店の周辺」(32.8%)、「喫煙スペースの周辺」(31.7%)”

 この吸いガラ発見場所の喫煙者と健常者の違いも、自分が吸いに行って見たというところと、健常者は駅など通るところで見る、ということでしょうか。

 さて、喫煙所の是非について、吸わない人への質問。

“《喫煙スペースに対する意識》
・「喫煙スペースは必要だと思う」非喫煙者の67%、「……不要だと思う」非喫煙者の33%
・必要だと思う理由は? 「受動喫煙を避けることができるから」が最多
……
……理由を聞いたところ、「受動喫煙を避けることができるから」(62.0%)……「歩きたばこが減ると思うから」(46.7%)、「ポイ捨てが減ると思うから」(42.2%)、「禁煙場所で喫煙する人が減ると思うから」(41.3%)、「喫煙者が困っている・困っていそうだから」(22.8%)”

“どのようなタイプの喫煙スペースがあったほうがいいと思うか聞いたところ、喫煙者では「紙巻きたばこ・加熱式たばこ共用の喫煙スペース」が48.4%……「喫煙スペースはないほうがいい」は5.4%……
……非喫煙者……「喫煙スペースはないほうがいい」は35.8%

 喫煙所があったほうがよいという人には理由を聞いているのに、無いほうが良いという人の理由が出ていないのはなぜでしょう? 質問じたいしなかったのか、結果がこの企業の方針に合わなかったから秘匿したのか。
 アホらしくて上記に引用していないですが、また「共存」できるか、という質問結果も出ていますね。

 話は飛んで、タバコの税について。認識の間違いがありますので意識してお読みください。(なにが間違いかはそのあとに書いています)

“2026年4月から加熱式たばこの税率が引き上げられ、紙巻たばこと同水準になる予定であることを知っていたか聞いたところ、喫煙者……「知っていた」が40.8%……若年層ほど高い傾向がみられ、20代(63.0%)では半数以上となった。

非喫煙者……「知っていた」が10.2%……大多数の人が認知していなかった……
……知っていた」と回答した人の割合は、40代(15.0%)が最も高く、次いで50代(11.0%)が高くなり、その他の年代では1割に満たない結果”

“たばこ税が2027年4月から3年間、段階的に引き上げられることを知っていたか聞いたところ、喫煙者……「知っていた」が40.8%……若年層ほど高くなり、20代(59.0%)では半数以上となった。

非喫煙者……「知っていた」は11.6%……大多数の人が認知していないことがわかった。

……「知っていた」と回答した人の割合は、20代(17.0%)が最も高くなった”

“増税の賛否についてどのように考えている人が多いのだろうか。

たばこ税が増税されることに、賛成か、反対か聞いたところ、喫煙者……「非常に賛成」が9.0%、「やや賛成」が19.4%で、合計した『賛成(計)』は28.4%、「非常に反対」が52.6%、「やや反対」が19.0%で、合計した『反対(計)』は71.6%と、喫煙者の大半がたばこ税増税反対派となった。

年代別にみると、『賛成(計)』と回答した人の割合は、20代では57.0%と『反対(計)』(43.0%)を上回った一方、50代(13.0%)、60代(9.0%)では1割前後”

“非喫煙者……『賛成(計)』が80.2%、『反対(計)』が19.8%と、大多数がたばこ税増税に賛意を示した。

年代別にみると、『賛成(計)』と回答した人の割合は、年代が上がるほど高くなる傾向がみられ、60代(89.0%)では約9割”

“《たばこ税の活用に対する意識》
・たばこ税が“一般財源”であることの認知率 喫煙者では47%、非喫煙者では22%
……
……税金は国や地方自治体が行う活動の財源となっており……「使いみちを特定しない」ことを前提に計上する“一般財源”と……「特定の使いみち」のために計上する“特定財源”に分けられる。

たばこ税が“一般財源”であることを知っているか聞いたところ、喫煙者……「知っている」は47.2%……と、半数近くが認知……非喫煙者……「知っている」は22.0%……知らない人が多数を占めた”

“「屋外喫煙所の整備のためにたばこ税を活用することはよいことだと思う」非喫煙者の79%

屋外喫煙所の整備のためにたばこ税を活用することはよいことだと思うか聞いたところ、喫煙者(500名)では「非常によいことだと思う」が35.0%、「ややよいことだと思う」が47.8%で、合計した『よいことだと思う(計)』は82.8%、「全くよいことだと思わない」が7.2%、「あまりよいことだと思わない」が10.0%で、合計した『よいことだと思わない(計)』は17.2%となった。

非喫煙者(500名)では、『よいことだと思う(計)』は78.6%、『よいことだと思わない(計)』は21.4%となった。”

 何度も書いていますが(以下の過去記事と『STOP受動喫煙 新聞』参考)、普通税としての“タバコの税”などないほうがよいのです。自治体は税収を見越して、タバコをどんどん売ろう・吸わせようとして喫煙所を増やしたり、路上喫煙を大目に見たりしているのです。
 タバコの税は「普通税」ですから、タバコをなくす・害をなくすことではなく他の“良いこと”に使われます。
 そして、税収が下がると困るから、増税・値上げをあまりしようとしないのです。

 解決には、タバコの害をなくすことに使用を限定した「目的税」にするか、もっと良いのは、罰則の一種である「課徴金」(これもタバコの害をなくすこと以外には使えない)に変えて、どんどん値上げするのが筋です。しかし、癒着している政府はやろうとしないわけです。

[当サイト関連既報] ※他にもありますので、検索窓やカテゴリーで引いてみてください。
 タバコの「税」はなんのために? ’22年5月

 受動喫煙の規制は「私権制限」には当たらない “タバコの税が上がるのは…?” ~ 教授・数量政策学者の論説 ’22年8月

 平気で路上喫煙する者たちへの苦情に、行政は知らんぷり ~ 宮城県・仙台市 / タバコ「税」での解決は? ’20年12月

 公園で異常な違反喫煙者群 また出た“税払ってる”屁理屈 ~ 京都市 ’24年5月

 第2号 – 2012年2月

 第9号 – 2015年1月

 街の喫煙所から受動喫煙 被害を発生させる本末転倒 ’25年5月

 受動喫煙を多くの人に強いる公共喫煙所に、社会学者が苦言 新大阪駅前 ’25年3月

 法に反した市役所の喫煙所が保健所に指導されるも、市は「問題ない」と法を曲解し開き直る ~ 岐阜県各務原市 ’24年12月

 喫煙所の設置に助成金1千万円!?「4千万円の予算を確保」!? 街の声「税金が使われるなんて」「自己責任で整備すべき」 ~ 熊本 ’22年10月

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