被害に遭った禁煙旅館でまたもや違反客が! きっちりと違約金を徴収

 ’22年から’23年にかけて、違反の喫煙者からの被害(タバコのみならずその後の勝手な非難投稿も)で苦慮し、ネットでその姿勢を称賛された禁煙旅館で、またも違反客が出たそうです。(→末尾に過去の関連記事リンクを記載。) 

 もはや有名になった旅館で堂々と規則を破るとは異常性を感じますが、旅館の毅然とした対応にまた熱い声が寄せられているそうです。

 受動喫煙問題を積極的に取り上げるメディアで詳しく報道されました。

 老舗宿で、客がタバコを吸った跡→禁煙と伝えていたのに…… 女将「弁償金、請求します」とSNSで宣言、その後は?
  =『まいどなニュース』2026.01.03(Sat)=

 以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。

“「またしても、客室でタバコを吸っていた不届なお客様が。カーテンに染みついた臭い、窓辺の灰、 入ればすぐに分かります。チェックインの時に十分注意しました。

利用規則にも同意して頂きました。申し開きは受け付けません。 清掃代、クローズ分の弁償、きっちり請求します」
……山形県米沢市……茅葺の宿・西屋……本館は築100年を誇り、屋内・屋外含め、敷地内全館禁煙”

“喫煙の事実に気付いたのは、宿泊客がチェックアウトしてすぐ。スタッフが客室に入ると、タバコのにおいが充満しており、窓際には吸い殻が落ちていました。

「1泊のお客様でした。寒いのに、チェックイン後から窓を開け放ってテラスに座っていたのを何度か目撃しており、“何をしているのだろう? チェックイン時に全館禁煙をお伝えしているので、まさかタバコではないと思うけど”と気にはなっていました。
吸っていた姿を実際に見てはいませんが、結局そのタイミングで喫煙をされていたようでした」”

“該当の客に電話連絡して対応を伝えました。
「お宿帳に『民法548条の2に基づき宿泊約款および利用規則契約の内容とすることに同意します』という項目を設け、はいのチェック欄に直接記入して頂いています。
……しかるべき措置を取ることを冷静に告げ、追って振込先と請求金額を連絡すると伝えました」
……客は、「しまった…バレた…」というリアクションを取りつつも、「(弁償は)いくらですか?」。あっさりと事実を認め、追加料を支払うことで話は決着しました”

“タバコのにおいが部屋にしみつくと、なかなか簡単には消えないため、件の部屋の至るところに消臭スプレーを撒き、換気するとともに、カーテンはすべて外して洗濯。 他にも火で穴が開いているところなどを、女将自ら、くまなくチェック。
「少しでも証拠になる箇所があれば、記録におさめ、ひたすら清掃し、お客さまをお迎えできる状態に戻したのは翌々日でした。費用というよりも、スタッフの労力が費やされました」”

“弁償金の入金も確認。一件落着したことをSNSで報告……状況を見守っていた人々からは、「違反者にはきちんと処罰を与える姿勢が信頼をおけます」「客ならば何をやっても良いと勘違いする客には、しっかり社会的責任を果たしてもらいましょう」など、宿の毅然とした姿勢を称賛するコメントが相次ぎました”

“西屋が完全禁煙に舵を切ったのは、健康増進法が改定された2020年4月以降。電子タバコもにおいがきついため、例外は設けず、タバコの類は一切禁止……
当時は弁償などについては明文化しておらず、館内のいたるところに禁煙の張り紙を掲示しているだけ……
「その頃は、隠れての喫煙が1年に2~3回ありました。部屋の中に残した缶ビールの中に吸い殻が入っていたり、トイレで吸ったと思われる跡があったり。お客様を特定することができない状態の喫煙があり、残念に思っていました」”

“利用規則を提示するようになったのは3年前。喫煙を巡る騒動で、酷評コメントを旅行サイトに書き込まれたことがきっかけ……
「それ以降、重要項目には黄色のラインを入れて説明し、同意後にお客さまをお部屋にご案内するようになると、ルールを破るお客さまはほぼなくなりました」
それだけに今回のことはスタッフともども、驚きとともにショック、絶望感もあったそうです”

“今回の喫煙騒動を経て、デポジット制(預かり金・保証金)の導入も視野に入れるようになったとのこと。
「……海外ではすでにデポジット制が定着しているとのお声がありました。
……時代の流れとして当然である、というご意見も沢山いただきました。
ただ、まだまだ観光業界への認知は薄く、1軒だけでやるにはなかなかハードルが高いと思います。どのように徴収するのか、いくら預かるのかなど、お客様との信頼にも関わります」”

“SNSでは……「好きな人は前金払ってでもその宿に行きます」「宿泊施設もお客を選べる権利があります 施設の考え方が理解できる客だけが利用できる、で全く問題ない」と賛成が多数だった”

“「今回のことが、宿とお客様のありかたについて、社会に改めて問うきっかけになれば幸いです……」”

 さらに、この旅館の姿勢と、それへの多くの評価などについて、分析的に、ていねいに解説したブログも出ました。☆優れたブログと思い、読みながら以下に引用していったところ、ありがたいことに当サイト記事もリンクしてくださっていました(訪日客の違反のところ)。

 【その後】禁煙宿で喫煙した客にSNSで賠償請求!女将の毅然対応
  =『Realtime Sync』2026.01.03=

“「うわっ、タバコくさい…」
旅先のホテルで、そんな不快な経験をしたことはありませんか? もし、その原因が「前の客」のルール違反だったら…腹立たしい気持ちになりますよね。

先日、鎌倉時代から続く山形の老舗宿が、禁煙室で喫煙した客に対し「弁償金、きっちり請求します」とSNSで宣言し、大きな喝采を浴びました”

“宿はチェックイン時に全館禁煙だと念押しし、同意まで得ていたとのこと。にもかかわらず、客が去った後の部屋には、裏切りの証であるタバコの強烈な臭いと灰が残されていました。

この宿の女将は、SNSで事実を公表した後、違反客に連絡を取り、損害賠償を請求。この毅然とした対応に、SNSは「よく言った!」「客なら何でも許されると思うな」という称賛の嵐に包まれました”

“なぜ、この宿の対応はこれほど多くの人の胸をすくような共感を得たのでしょうか?

それは、この問題が単なるマナー違反の話ではないからです。これは、サービスを提供する側と私たち利用者との間に交わされた「契約」とは何かを、真正面から問い直す物語なのです”

“「たかがタバコで、賠償金なんて大げさじゃないか」。そう感じたあなた、その考えは少し危険かもしれません。法的に見れば、この請求は100%、宿の正当な権利行使。その絶対的な根拠こそ、私たちがチェックイン時に何気なくサインしている「宿泊約款」なのです”

「読んでません」は通用しない。”宿泊約款”という名の絶対ルール
ホテルや旅館で帳面に名前を書くあの瞬間、あなたは単なる手続きをしているのではありません。民法で定められた「定型約款」という名の契約書にサインし、宿と固い約束を交わしているのです”

“今回の老舗宿のケースでも、女将はこう語ります。

お宿帳に『民法548条の2に基づき宿泊約款および利用規則を契約の内容とすることに同意します』という項目を設け、はいのチェック欄に直接記入して頂いています。
まいどなニュース1/3(土) 6:45

……民法548条の2が言っているのは、「同意のサインをしたら、細かい条文を全部読んでいなくても契約成立ですよ」ということ。つまり、あなたがサインした時点で、「禁煙」というルールは宿からのお願いではなく法的拘束力を持つ契約そのものに変貌します。これを破ることは……明白な「契約違反」なのです”

“多くの宿泊施設では、あらかじめペナルティ額を約款に定めています。
例えば、ある旅館の宿泊約款を覗いてみると…

禁煙室での喫煙やたばこの吸い殻が発見された場合は、 客室脱臭その他客室を原状に復するための費用として3万円(実際に要した費用が3万円を超える場合は当該金額)を請求させていただきます。
宿泊約款 – 天童温泉 ほほえみの宿 滝の湯

……相場は3万円~5万円程度か…と安心するのはまだ早い。これは、いわば最低保証額。被害の大きさによっては、請求額は青天井に跳ね上がります。その内訳は、主にこの3つの組み合わせです。

  ① 特別清掃・消臭費用:タバコのヤニと臭いは、普通の掃除では絶対に落ちません。オゾン脱臭機や専門業者の出動など、特殊な作業にかかる実費が、まず上乗せされます。
  ② 備品(壁紙・カーテン等)の交換費用:臭いが染み付いてしまったカーテン、カーペット、壁紙…。これらを丸ごと交換するとなれば、費用は一気に膨らみます。
 ・③ 休業損害:これが最も恐ろしい請求項目。清掃や交換作業のために、その部屋を数日から数週間、誰にも売れなくなってしまいます。この「売れたはずの利益(逸失利益)」が、そっくりそのままあなたの請求書に加算されるのです

“過去にはこんな事例も。訪日中国人が旅館の禁煙室で喫煙し、5万円の支払いを拒否。すると旅館側は「畳や布団の交換、さらに2週間客室が使えない損害を含めると最大で75万円の被害です」と書面で通告。観念した違反客は、すぐさま支払いに応じたといいます”

 しかし、多くの禁煙ホテル・旅館では泣き寝入りが多いのが現実でしょう。(他の客が被害を訴えても放置する禁煙ホテルも多いと聞いています)
 そこで、ここからは対策編です。

“今回の老舗宿の対応は賞賛を浴びましたが、現実はどうでしょう。多くの宿泊施設が、同様の被害に遭いながら「事を荒立てたくない」と泣き寝入りしているのが実情です。この宿の女将も、かつては「具体的なルールを設けていなかった西屋にも落ち度があった」と、苦い経験を乗り越えてきたことを明かしています”

“では……泣き寝入りせず、正当な権利を主張するためにはどうすればいいのか。今回のケースは、私たちに「3つの武装」がいかに重要かを教えてくれます。

武装①:「知らなかった」を封じ込める、最強のチェックイン術
……トラブルを未然に防ぐ第一歩は、チェックイン時の徹底した意思確認。この宿が過去の失敗から学んだ方法が、実に効果的でした。

それ以降、重要項目には黄色のラインを入れて説明し、同意後に……お部屋にご案内するようになると、ルールを破るお客さまはほぼなくなりました

まいどなニュース1/3(土) 6:45

ただ約款を渡すだけでは不十分。「禁煙です。もし破られた場合は賠償請求いたします」と口頭で、あるいはマーカーで視覚的に強調して伝え、明確な同意を得る。この一手間が、「知らなかった」「読んでいない」という見苦しい言い訳を完全に封じ込める”

武装②:言い逃れ不可能!動かぬ証拠を掴む現場保存のプロ技
いざ違反が発覚したとき、感情的に相手を問い詰めてはいけません。やるべきことはただ一つ、冷静に証拠を固めること。女将は、臭いや灰の状況を執念深く記録していました。
「カーテンに染みついた臭い、窓辺の灰」「少しでも証拠になる箇所があれば、記録におさめ…」こうした地道な作業こそが、後の請求プロセスで最強の武器となります。吸い殻、灰、焦げ跡などを、日付がわかる形で写真や動画に収めておくこと。それが、万が一の法廷闘争になった際、あなたの正しさを証明する客観的な証拠になるのです”

武装③:感情は不要。冷静に、淡々と、しかし確実に追い詰める請求術
……あとは粛々と請求プロセスを進めるだけ。この時の女将の電話対応は、まさにプロの交渉術……

……お客様が破り、喫煙していた痕跡を見つけたこと、しかるべき措置を取ることを冷静に告げ、追って振込先と請求金額を連絡すると伝えました
まいどなニュース1/3(土) 6:45

怒りをぶつけるのは三流のやること。一流は、①契約違反という「事実」、②約款に基づく「正当な措置」、③具体的な「請求内容」を淡々と、しかし毅然と告げます。このブレない姿勢が、相手に「しまった…バレた…」と非を認めさせ、スムーズな解決へと導くのです”

 そして、総括しています。

かつて、日本では「お客様は神様」という言葉が絶対……「金を払っているんだから何をしてもいい」という一部の客の傲慢さを助長し、カスタマーハラスメントの温床となってきた……
……サービスを提供する側と受ける側は、どちらが上でも下でもない。契約で結ばれた、対等なパートナーである。この新しい常識が、急速に広まっています。事業者が毅然と「NO」を突きつけることは、ルールを守る大多数善良な顧客の快適な環境を守るための、当然の責務なのです”

“私がこのケースで特に注目したいのは、SNSの巧みな使い方……この宿の発信は、感情的な告発とは全く異なりました。個人が特定できる情報は一切出さず、あくまで「ルール違反という事実」と「契約に基づく粛々とした対応」を淡々と伝えた……単なる情報発信ではありません。高度に計算された「戦略的コミュニケーション」……この発信により……三つの大きな果実を手にしました。

 ・ブランドイメージの向上:歴史と文化を守るという毅然とした姿勢は、宿のブランド価値を劇的に高めました。
 ・未来の違反行為の抑止:「この宿でルールを破れば、本気で請求されるぞ」というメッセージは、何よりの防犯ブザーになります。
 ・ファン(ロイヤルカスタマー)の獲得:ルールを守る大多数の顧客からの熱狂的な共感と信頼を得て、「この宿を応援したい」という強力なファンを生み出したのです

“老舗宿が投じたこの一石は、私たち利用者に、一つの重い問いを投げかけています。それは、最高のサービスを享受するためには、私たち利用者側にも果たすべき責任があるのではないか、ということ……
……この宿は……貴重な歴史的建造物……同業の宿が全焼するという悲劇も経験しています。ここでの禁煙ルールは、単なる臭い対策ではない。かけがえのない文化財を、そして人の命火災から守るという、絶対的な使命を帯びていた”

“宿泊約款に同意し、ルールを守ること。それは、ペナルティを恐れるからではありません……歴史と文化、そして安全への祈りにも似た配慮に、敬意を払う行為なのです”

“ルールが守られれば、宿は余計なトラブルに時間と労力を奪われることなく、本来の「おもてなし」に全力を注ぐことができます。その結果、サービスの質は向上し、巡り巡って私たち自身の滞在が、より豊かで快適なものになる”


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