姿かたちを変えていくタバコ~加熱式タバコでも受動喫煙被害は発生する
[本記事は、受動喫煙撲滅機構の関係団体による執筆です]
加熱式タバコの新商品が続々と発売
煙とニオイが少ないため、受動喫煙の被害がないという誤解を与えがちなまま、日本では加熱式タバコの市場が拡大し続けています。
見た目もオシャレになり、紙タバコから加熱式タバコに乗り換える人が増えているようですが、受動喫煙の被害がないというわけではありません。
喫煙者・非喫煙者ともに、健康被害のリスクをしっかりと認識しておく必要があります。
☆『STOP受動喫煙 新聞』では、21号で加熱式タバコの定義などの大特集を組んでいます。それ以前にも被害者の声を17号・19号・20号で、その後も23号・24号・25号で大和教授の実測や問題提起を連載しています。
加熱式タバコによる健康被害を懸念する専門医ら(約130の医療関係の専門学会が加盟する「日本医学会連合」)は、昨年3月末に公開シンポジウムを開催し警鐘を鳴らしました。
「一般社団法人 日本医学会連合」主催のシンポジウム資料 より抜粋
加熱式タバコによる状況認識・加熱式タバコの健康影響に関する科学的知見が不足医学研究者の間でも知見共有は不十分・公衆衛生の原則とは、健康を増進し命を守るため、新たな製品(医薬品・化学物質等)を市場に出す前に、安全性/危険性を評価し、予防的な措置をとること・日本ではたばこ産業振興の法律は有るが、たばこ規制の法律が無いため、世界に先駆けて加熱式たばこの普及が急速に上昇中・健康増進法改正案における加熱式たばこの規制は紙巻タバコよりも緩い(遠山千春氏講演スライド資料より、原文のまま)
※2015年1月~2月に実施したインターネット調査より(田淵貴大氏講演スライドより)加熱式タバコによる他人への害は?Q:他人の加熱式タバコの煙(蒸気やミスト)を吸ったことがあるかどうかA:10114人のうち8701人(86.0%)が「全くなかった」、1413人(14%)が「あった」と回答した。Q:加熱式タバコの煙を吸ったことがある者におけるその煙による症状があったかどうかA:のどの痛みがあると回答したのは、341人(24%)であった。同様に、気分不良があったと回答したのは、460人(33%)であった。総合すると、538人(38%)にいずれかの症状が認められた。
タバコが姿を変えていくと同時に受動喫煙の形態にも変化が生じますが、被害が発生することに変わりはありません。
受動喫煙の被害に関しては、メーカー側の説明だけでなく、常に新しい情報を取り入れていくことが大切です。
受動喫煙撲滅機構では、今後も受動喫煙に関する最新の情報を発信していきます。
(情報、ご意見もお待ちしています)
『STOP受動喫煙 新聞』 季刊・年1200円