タバコ臭い人(非喫煙者でも)を不可としたカレー店がとうとう……

 以前からマスコミでも話題になったカレー店があります。
 ※最初の記事は営業形態など2016年当時の内容です。
 なお最初のリンクは開いてからだいぶ下のほうにスクロールすると該当記事が出ます。

 東京にある京橋屋カレー店「タバコのニオイがする人お断り!」非喫煙者でも入店規制→ とんでもないことに・・・(画像あり)
  =『NEWSまとめもりー』2016.5.29=

 以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。

“自身の鼻判断で、多い時は月に30人は断っている店長。断られた客の中には納得がいかず、怒鳴ったり、嫌がらせをしたりする人もいる。なお入店NGはタバコ臭だけでなく、香水などの強い臭いにも適用される”

 このお店のことをはじめて聞いたとき、この「喫煙者・非喫煙者に関係なく」という表現が良いと思いました。

 非喫煙者でも、喫煙店に行ってきたあとだったり、家族や職場に喫煙者がいたりで臭くなっている人はいます。逆に喫煙者でも、その日は吸っていないとか、だれにとってもまったく臭くなければ、問題ないからです。

 この考えは、当機構の例会でも参考にして、注意事項として表記しています。相談・学習 定例会
 (しかし例会では、これだけ書いても、タバコ臭い人は来ませんが、柔軟剤やら香水やら臭う人が、たまに来ますが…)

 ちょうどこの記事を見たころ、その近くで「日本禁煙学会」総会が開催され、私(『STOP受動喫煙新聞』編集局長)も参加したので、昼に行って写真を撮り、食事もしてきました。

 

 私は受動喫煙を極力さけていますし、以前は自然派の食品・日用品の仕事をしており、合成洗剤や香料などもいっさい使わないので、だいじょうぶとおもいながらも、何か言われるかな……とおそるおそる入店しましたが――、
入店時に注意を述べられたり、匂いをかがれたりすることもなく、最後までもそういうことは何も言われず、後からの他のお客さんもふつうにしていました。そんな窮屈なお店ではないようでした。(何か言われることもちょっと期待していたのですが……? そんなお話もしたかったので)

 ところが……? 帰りに気づいたのですが、道路をへだてた向かいのところにこのお店の看板があり、そこには灰皿が置かれていたのです……?!(撮影2016年10月)

 これでは、お店に来る喫煙者に喫煙をすすめることになり、吸わない普通の人でも入店前にそこを通って、喫煙があったら体に煙がついて、店への三次喫煙をしてしまうかもしれません。矛盾ですよね。

 不思議に思っていたのですが、その後、活動仲間でもあるフリーの石田記者の取材により、灰皿は店が置いたものではなく、撤去されたと知りました。

 また入店の基準も「喫煙者お断り」になったとのことです。

 その記事、同店への取材のところを見てみましょう。

 自らの「タバコ臭」に気付かない人々
  =石田雅彦記者2018/3/19(月)13:47=

“タバコ煙による影響に苦悩している人もいる。東京・有楽町の近く京橋にある『京橋屋カレー』の店主、飯島未知了(50歳)さんもその一人……『京橋屋カレー』は店内禁煙なのはもちろん、タバコ臭のする人は入れない。飯島さんに飲食業と受動喫煙の関係、タバコ煙からの健康被害などについて聞いた”

“「……2006年5月23日、私が38歳の時に開店したときから禁煙でした。自分が外食したときに、隣にタバコの臭いをさせた人が座るだけで料理を楽しめなくなることもあり、自分の店は絶対に禁煙にしよう、タバコ臭のするお客さまはお断りしようと思っていました。店を管理しているのは店主なので、お客さまに嫌な想いをさせたくないと考えています」”

“「……タバコ臭で嫌な想いをされているお客さまがいてもご自分では何も言えないでしょう。最近では自分自身、タバコ臭で体調を崩すことも多く、この3月は10日以上も店を休んでいます。喫煙者タバコ臭のあるお客さま自体が嫌いなのではなく、タバコとタバコ煙から出てくる臭いや物質によって気分が悪くなったり体調を崩すようになっています。タバコ臭だけで断るのはやり過ぎという言葉もいただきますが、とにかく体調が悪くなってしまうので……」”

“「店内で吸わなければいいだろう、というお客さまが1日に1人は必ず入ってこられます。……ご自身の臭いがわからないでしょうし、受動喫煙でタバコ臭をつけられてしまい、タバコを吸わないのにタバコ臭を身にまとった方も……入ってこられただけですぐにわかります……」”

“一人ひとりタバコ臭がないことを確認したり、紛れ込む喫煙者への対応に手間と時間を取られたり、断られた客に罵声を浴びせかけられたりと、飯島さんは体調以外も神経をすり減らしているという。開店以来12年以上経つが、そうした客が減る傾向にはないようだ”

“ タバコ煙から化学物質が出ているのは明らかだ。タバコ煙について、アレルギー反応以外の害もわかってきつつある。飯島さんは、化学物質過敏症かどうか診断してもらうため、近いうちに専門の医療機関を受診する予定だ”

“ そもそも日本には、受動喫煙に関係した病気を診断したり、化学物質過敏症を治療してくれる医療機関自体が少ない”

 ※『STOP受動喫煙 新聞』第22号では、石田さんによる別の飲食店禁煙に関する論説を転載しています。

とうとう、店内営業の制限へ(お持ち帰り店に)

 そして最近、「お持ち帰り営業」になったそうです。
 理由は、受動喫煙症と化学物質症のためで、やはり、“自分の臭いに気づかない人々”のせいでしょうね。

 テイクアウト専門店になりました「京橋屋カレー」お持ち帰りでどうぞ
  =『中央区観光協会オフィシャルブログ(特派員ブログ)』2018年12月4日09:00=

“……ルールは、裏を返せば京橋屋カレーが化学物質過敏症受動喫煙症の方にとって極めてリスクの少ない空間であるということです。そのような場所を必要としている方の数は、もしかしたら自分が思っている以上に多いのかもしれません。

化学物質過敏症について くわしくはわかりやすいマンガでどうぞ
「香害への理解、日本にもっと」 CanariaーUp カナリアップ のページ

“……すべての方の理解を得ることは難しく、ご主人と奥様はさまざまな努力を続けてこられましたが、残念ながら貼り紙をするだけでは効果がなかったり、やむなく入店をお断りしたときに心ない言葉を浴びせられたりと、お店では大変なご苦労があったそうです”

“そこで……2018年4月より新しい営業形態を模索し……今後はテイクアウトでの営業が主軸となります”

 私もまた行きたかったし、ニオイなんかしない優良なファンは多くいたことでしょう。また上記ブログにあるように、「だから安心」「このお店なら入れる」という受動喫煙症・化学物質症のお客さんも少なからずあったでしょう。
 きっと店主さんご夫妻は苦渋の決断であったろうと拝察します。
 ここまでお店を追い込んだ、店主さんを体調不良にさせた、臭いに鈍感な人たち、ひいてはそういう有害なモノを普及させている勢力に、憤りを覚えます。

 当機構への相談でも、受動喫煙症と化学物質症を併発している、という人が多くなっています。

 注:当サイトでくりかえし書いていますが、私は「過敏症」という言い方を、人工合成化学物質や電磁波(電場・磁場)などによる発症に対しては、なるべく使わないようにしています。原因物質が悪いのに、発症者に問題があるみたいな言い方だからです。

被害者・活動者でも、加害者が…!?

 なお、情けないことに、上の当機構例会のところでも書きましたが、受動喫煙の被害者、さらには禁煙運動の活動者でも、柔軟剤やらの臭いをプンプンさせている人が、よくいるのです。

 そしてそれを注意すると、喫煙者が注意された時とまったく同じような、言い訳や、反発の姿勢をする人も、いるのです。

 このままでは、まともな生活が送れない人が増える一方です。社会の意識を変えることが急務です。

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