板橋区が、国の法に反する喫煙所を設置! ~ 被害者の声と各報道

 先週6月27日の、
 法の精神に反し庁舎に喫煙所を設ける行政が大半と判明! 悪質な受動喫煙発生には苦情を入れましょう
 の続きです。施行される改正法の内容については、まずそちらをお読みください。

 前回、末尾に、“板橋区役所が他の建物に隣接する、受動喫煙発生が必至な場所に、屋外喫煙所を建設することになり、抗議の陳情のため勉強したい”と、5月初めに『STOP受動喫煙 新聞』をご注文された方のことを書きました。

 さいきんになって、それに関しての報道・論説がありましたので以下に紹介します。
 
 報道順で、まずは当サイトではおなじみの石田記者の論説から。

 なぜ「板橋区役所」元敷地内に「喫煙所」が設置されたのか~改正法が骨抜きに
  =石田雅彦 ライター、編集者6/25(火) 9:00=

 例によって以下抜粋、「…」は文省略・太字化は引用者によります。

“施行では敷地内禁煙が求められているので、各行政機関は敷地内を全面禁煙にするか、一定の条件で認められている特定屋外喫煙場所を敷地内に設置するしかない。特定屋外喫煙場所…設置条件は…第一種施設を利用する人が普段、立ち入らない場所に設置しなければならず、それは近隣に影響を与えないような場所にしか設置できないという内容だ。また、改正健康増進法では第一種施設に対し、原則として敷地内は禁煙にすべしとしている”

“奇妙な打開策(というか抜け穴)を講じた役所がある。東京都板橋区だ”

設置された喫煙所とその周辺(同記事より)

“筆者の先日の記事(※1「あなたの街は大丈夫?~『受動喫煙』対策不備『50万円の罰則』は官公庁にも」(2019/06/17))に対し、ある読者からメッセージが来たのが6月18日のことだった。

それによれば、板橋区が区役所の隣接地に屋外公衆喫煙所を設置し、7月1日に開設するようだが…近隣には医療施設や薬局、障害福祉施設、児童が通う学習塾…医療施設へ通院する患者を送迎する車両が駐車する場所でもあり、受動喫煙防止の観点から問題なのではないかとあった。もちろん、板橋区役所は第一種施設になる”

“読者は区議会へ説明会の開催と設置中止と撤去を求める陳情をし、議会では…継続審議中らしい(2019年6月24日現在)。
調べてみると、確かに…読者が指摘するような環境にあり…区はこの読者に対し、喫煙所設置の説明を事後報告し、読者はそれについて区から謝罪されたという”

板橋区の屋外喫煙所(同記事より)

“板橋区議会の五十嵐やす子議員にもこの件について確認した…受動喫煙防止対策などに熱心な議員だ…五十嵐区議が特に問題を指摘していたのは、喫煙所が都営三田線の改札階へ乗降するエレベータの出入り口に隣接する場所に位置し…排気口がエレベータ側にある点だ。つまり、医療施設や学習塾などの存在もそうだが、エレベータは小さな子どもや高齢者、障がい者などの利用が多く、最も受動喫煙の害を配慮すべき対象にもかかわらずということになる”

今回の板橋区のように、第一種施設の土地を敷地に隣接する形で分割し、屋外公衆喫煙所という形で喫煙所を設置すれば、今回の改正健康増進法はまさにザル法になる危険性がある

“受動喫煙を引き起こす危険のある措置をすること自体、板橋区長と板橋区は改正健康増進法の主旨を理解していないのではないだろうか”

 一般紙でも報道されました。

 “煙”たがられる喫煙所 行政機関屋内 来月から全面禁止
  =『東京新聞TOKYO Web』2019年6月26日 朝刊=

“…7月1日から、全面禁煙となる。東京23区の各役所では、これを機に喫煙所を全廃する区と、屋外に喫煙所を設ける区に対応が分かれている。区役所の隣に喫煙所を新設する予定の板橋区では、煙の向かう先をめぐって近隣から反対の声が上がり、26日に住民説明会を開くことに”

“現状で区役所の本庁舎内に喫煙所があるのは、台東、世田谷区など十六区。このうち中央、大田区の二区は、屋外にある既存の喫煙所も含め全廃する”

“文京、葛飾、新宿の三区は、屋外喫煙所を存続させる…七区は、新たに屋外喫煙所を整備することを決め、四区は検討中”

“トラブルになっているのは板橋区だ。区役所に隣接する区有地に…喫煙所を設置した…ところが、思わぬ方向に波紋が広がった。喫煙所の排気口側に地下鉄駅のエレベーターがあり、出口側には診療所や薬局、子ども向け教室が入居する七階建てビル。設置を決める前に周囲へ相談しなかったため、ビル所有者やテナント入居者が反発した”

“「区役所に広い敷地があるのに、なぜわざわざ外に造るのか」とビルを共同所有する女性(54)は怒りをあらわにする。「駅エレベーターは高齢者やベビーカーの子どもも利用する。受動喫煙の危険にさらすのは許せない」。女性らは先月、坂本健区長宛てに抗議文を提出。区議会には二千四百人を超える署名を添えて設置の中止と撤去を求める陳情をした。陳情は継続審査になっている。
区は、説明不足をわびつつ「路上喫煙の防止や来庁者以外の利用を想定した」と弁明。二十六日に初めての住民説明会を開き…対策を説明する予定だ”

 なお、板橋区がこんな情報紙を出している、と知りました。(「無煙社会をめざす会」定例会に、見つけた人が持参してくれました。画像はクリックで拡大します)
 

 見開きでA3サイズのものの、表紙と内側左面です。
 これだけ書いていて、受動喫煙発生必至の喫煙所を進めるなんて……。

 『朝日』でも、改正法施行の報道の中でしっかり触れられました。

 病院・学校・役所、敷地内禁煙に 屋外の喫煙増に懸念も
  =『朝日新聞DIGITAL』2019年7月1日05時00分=
 

“板橋区は区役所敷地内の喫煙所を閉め、7月1日に隣の区有地にコンテナ型の喫煙所を開く予定だった。だが、医療機関や子どもが出入りする建物が近くにあることから、周辺住民が撤去を求め、約2500人の署名を添えた陳情書が区議会に提出された。
 板橋区は……住民との話し合いが必要として、開設時期を白紙に戻し、当面庁舎敷地内の喫煙所を残すことにした”

 その後の報道によりますと、抗議を受けて、喫煙所の利用開始を予定していた7月1日から「9月1日から」に延期しました。

 テレビ報道も。

 板橋区設置の喫煙所に住民反発 利用開始を延期
  =『TOKYO MX NEWS』2019年7月1日 18時30分=

“区は喫煙所の設置に当たってビラを作成し、周辺の住民や店に配布しましたが、隣接するビルのオーナーには直接説明していませんでした…ビルオーナーの小山整子さんは「テナントに『工事のお知らせ』という紙が…10連休の直前に配られ、私たちは…計画を知った。事前に説明をもらっておらず、全く納得いかない」”

“すぐ隣には、診療所や薬局、子ども向けの英語教室が入るビルが……教室を営む女性は「100人以上の子どもが通っている。何人かは地下鉄を使って通っているが、エレベーターを使って上がって来る。受動喫煙が確実に起きてしまうと思う」と語り、受動喫煙の子どもたちへの影響を心配”

“区は当初、7月1日から喫煙所の利用を始める予定でしたが、9月1日以降に延期することを決めました。区は喫煙所の安全性を今後周知し、近隣住民に理解を求める考え”

 2カ月だけの「延期」とは? ほとぼりを冷ますつもりか? 中止に追い込みましょう。

[当サイト他の関連ニュース]
 ’19年7月3日改正健康増進法、一部が開始! 受動喫煙被害撲滅の各地の動きは

 7月8日[続報]法施行により行政・病院・学校などが禁煙に 

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