受動喫煙を放置する職場の「そこにある危機」 ~ 第一人者・岡本光樹弁護士へのロングインタビュー

 「2020年4月には、改正健康増進法とともに東京都受動喫煙防止条例が全面施行され」
 「事務所や工場、飲食店などが原則屋内禁煙となる新たな時代に向けて、今、企業はどのようなリスクを抱えているのでしょうか」
 として、受動喫煙問題の法律家の第一人者、岡本光樹弁護士へのインタビュー記事が公開されました。
 
 【連載】改正健康増進法と職場の受動喫煙対策
 第1回 禁煙できない企業の「今そこにある危機」

  =『BUSINESS LAWYERS』2019年08月01日 10:30 =

 以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。

“喫煙室から煙や臭いが漏れてくるという苦情や相談は私のところにも非常に多く寄せられています。「スモークハラスメント」という言葉も次第に定着してきました。最近では「喫煙室自体を廃止しよう」という流れが強まってきているように思います。……相談では、気管支喘息・せき喘息の発症などの急性症状に関する内容が多いですね。急性症状には個人差がありますが、苦痛に耐えきれず仕事を続けられない方がかなりの数いらっしゃいます。……受動喫煙によるストレスと職場交渉のストレスの継続によって、うつ病を発症した例も見受けられます”

“労働契約法第5条の安全配慮義務を根拠として、職場の使用者が被用者の受動喫煙被害に対処する義務を負っていることは、江戸川区職員受動喫煙損害賠償判決やライトスタッフ試用期間本採用拒否無効判決などから、すでに実務上定着しています。また、民事訴訟の判決または和解によって責任が認められる例も蓄積しています”

 「勤務時間中は禁煙」についても。

“近年では……勤務「時間」中の禁煙を導入する企業や官公庁が増えつつあります。勤務時間中は、営業先や会社敷地外においても喫煙を禁じるというものです。
さらには、喫煙後45分間はエレベーターの利用を禁止としている自治体や、喫煙後45分間敷地内への立ち入りを禁じる大学や、社員のみならず取引先に対しても喫煙後45分間は来社を控えるようお願いする企業なども現れています”

 「一人でも被害」との言及、そして会社側の言い分に対しての指摘。

“私自身は、屋内に喫煙室を設置することはお勧めしまていせん。……喫煙室からのタバコ臭の漏れを完全になくすことは技術上困難です。また、サードハンドスモークによって周囲に苦痛や不快感を与えてしまうこともあります。加えて、喫煙室の維持管理・清掃のコストや労力を考えると、屋内喫煙室の設置は、課題や問題をいくつもはらんでいるといえます”

一人でも被害を申告する労働者がいるなら、それは安全配慮義務違反である、という法律構成でやってきました”

“喫煙室を作っている企業のほうが、交渉が膠着状態に陥ってしまうことが比較的多いんです。……、「『喫煙室から煙が漏れてくる』と苦情を言う人もいますが、言わない人もいますから」ですとか、「喫煙者から『喫煙室は残してもらわないと困る』という意見があります」といった反論が出るためです。しかし、喫煙室を作っている会社に対しても、裁判を行って和解で勝ったケースもありました。……弁護士が交渉に入ると、企業は「これは裁判に発展してしまう」と明確にリスクを意識するため、多くの場合は解決していきます。それでも揉めるようなケースや開き直ってしまうケースに対して、裁判をしてきました”

“罰則付の法律ができたということで、……法律を遵守する企業が大多数でしょうし、違反している場合は弁護士に相談しなくても労働基準監督署や保健所など相談先も広がりますから”

 そして、よくある「喫煙権」理屈にも。

“「喫煙権」といった主張がなされることがありますが、使用者に対して、喫煙場所を確保するよう積極的な作為を求めること、いわゆる喫煙権の「請求権的側面」は認められません……喫煙者に認められるのは、「喫煙の自由」の「自由権的側面」……「休憩時間」や勤務時間外に、使用者が認めた場所または敷地外において喫煙する自由が認められ、また、使用者が勤務時間中の喫煙を許容していれば、その範囲で認められます。もっとも、他者危害を生じさせない範囲で認められる自由であり、受動喫煙は他者の生命・身体・健康を侵害することになりますので、受動喫煙を伴うような喫煙は制限されて然るべきです。最高裁昭和45年9月16日判決によれば、「喫煙の自由は、あらゆる時、所において保障されなければならないものではない。」と判示され、制限に服しやすいものと解されています”

“住環境の関係でも、加熱式タバコの受動喫煙を苦痛に感じているという相談をいただきます。ただ、それが加熱式の臭いかどうかは……特定することや証明することが難しいなと感じています。加熱式タバコの健康影響に関しては不明な点が多いですから、今後の情報に注意する必要があると考えています ”

 この記事は、第2回に続くようです。公開され、受動喫煙に関係する内容がありましたらお知らせします。


 この画像は福岡の禁煙マンションのものですが、→ 完全禁煙の分譲マンション、早くも契約多数…「分譲では初」の≪完全禁煙マンション≫、広報サイトに受動喫煙撲滅機構が…
 この“建物禁煙”を、会社にも適用してもらいたいものです。

受動喫煙を放置する職場の「そこにある危機」 ~ 第一人者・岡本光樹弁護士へのロングインタビュー”に1件のコメントがあります。

  1. ユカタン より:

    「喫煙の自由」とは、あってないようなものだ。
    生活していく上で、仕事していかねばならないのに、喫煙者で苦しめられていては、身が持たない。
    喫煙の自由をまるで、どこでも吸えるような思い違いの喫煙者も居ると思う。
    何かにつけて、自由というのは、やりたい放題出来るという感覚だろうか。
    タバコを吸えるような空間は、トラブルにしかならない。また、健康被害となる人が大勢出てくる。
    「気分よく、喫煙者同士一服、話を弾ませながら」本当に迷惑以外ない。
    会社は、潔さが大事です。受動喫煙を撲滅するチャンスでもありますよ!

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