日本のゆがんだタバコ規制、「プロパガンダ(政治的“宣伝”)」を研究者が追究

 当サイトでも著書を紹介した研究者が、→研究者による新刊と対談=『本当のたばこの話をしよう~毒なのか薬なのか』(著・片野田耕太氏)
いまだに進展しない日本の受動喫煙対策の問題、その根底に厳しく言及した、インタビュー記事が出ています。

 日本の「たばこ規制」なぜこうも歪んでいるのか屋内分煙、屋外禁煙という異常な状況
  =『東洋経済ONLINE』2019/08/04 15:00=

 以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によるものもあります。

海外では受動喫煙問題は決着済み
……
──受動喫煙の健康被害を日本人が最初に指摘したんですね。

平山雄(たけし)先生が1965年に26万人超へアンケートを実施し、家庭内の受動喫煙者を推定、14年間追跡調査しました。1981年に受動喫煙のある女性の肺がん死亡率が受動喫煙のない女性のそれの1.3倍、夫の喫煙量が多いほど死亡率が高いと論文にまとめています。
当時の日本はどこでも喫煙できる社会で、平山論文はバッシングを受けました。ただ、研究者は地道な検証を続けて、2004年に国際がん研究機関が受動喫煙は「ヒトに対し発がん性がある」とし、2006年には米政府の公衆衛生総監が、肺がんをはじめ複数の疾病との因果関係があると判定、海外で受動喫煙問題は決着済みです”

“平山先生も世界ではヒーロー的存在なのに、国内では知られていない。それどころか、「平山論文」をネット検索すると「嘘」なんかが一緒にヒットします。日本発の研究が世界中の仕組みを変えた希有な例なのに……たばこ産業のプロパガンダが浸透しているのです。
受動喫煙は意思に基づかない喫煙なので、たばこ産業にとってはアキレス腱。「科学的に証明されていない」ので研究しましょうというのが能動喫煙問題のときからの常套手段”

“分煙でよしとするのは客の視点で、喫煙可能な場所で働いている人に想像が及んでいない。自民党の国会議員が「(がん患者は)そういう場所で無理して働かなくていい」と発言して問題になりましたが、じゃあ、そこで働いていい人はどういう人なのか。閉鎖空間での喫煙は人権の問題です”

“都議選にはたばこ訴訟に関わっていた岡本光樹弁護士が、政治を変えなきゃと立候補して当選、従業員を雇う飲食店は禁煙、などの条例案の作成に尽力しました。たばこは政治そのもの。その政治のダイナミズムを目の当たりにした”

 また、この記事の末尾にある、「関連記事」や、またこの記事への「コメント」も、興味深いものがありますのでお読みください。
 以下はそのコメントから部分抜粋。

“規制は歪んでいるというよりも、規制が足りないという方がタイトルとして正しいんじゃないかな”

“……日本の屋内分煙、屋外禁煙がNGで海外の屋内禁煙、屋外の限定箇所喫煙が素晴らしいと言ってるの?
海外の喫煙状況ちゃんと調べてるのかな。
例えば、ドイツなんかひどい例で、空港のコンコースの真ん中に吸い込み式煙突みたいな奴がある、飛行機が到着するたびに、その周りにダッシュで集まり一気にタバコ臭くなる。
屋内なのに分煙もされていない。
今度は外に出れば、昔ながらの石畳を歩けば、その隙間にはタバコが挟まってる”

車の排気ガスと、タバコの煙を一緒くたにしている人間が、いまだに出てくる時点で、ニコチン依存による知力の低下は深刻と言える。……
説明するまでもないことだが、社会から自動車交通を全て排除したら、文化的な生活が成り立たなくなる。だから全規制はできない。
しかし害は最小にしなければならないから、排気ガスに対しては繰り返し法規制をしてきた
そして実際に、排気ガスによる被害はタバコによる被害より少なくなっている
これに対してタバコは、ゼロにできる。ゼロにしても社会的なデメリットはない。喫煙者自身にとってもすら、メリットばかりのものだ。
しかしいきなりゼロにするのは酷だから(喫煙者自身による自主規制で改善されないので)段階的に法規制を厳しくしている。
排気ガスとタバコの煙を一緒くたにしている人は、底なしに愚かだ”

“肺からニコチンを取るなんてのが前時代的なんだよ。
タバコ廃止してニコチン注射にすりゃ良いだろ”

“……他者にリスクを与えておいて「少しくらいだから我慢しろ」と言うことは許されない
これは、理屈のわからない子どもであっても、理解できる考え方のはず。
ところが、脳がニコチン依存になっている喫煙者には、この簡単なことすら理解できない。理解しようとしなくなる。
だから「受動喫煙はゼロにしなければならない」と言う大原則を平然と無視し、否定するようになる”

“……屋内か屋外かは些末な話。要は他人を巻き込めばアウト。クズ喫煙者の路上喫煙などで苦情を受けた自治体はパトロールなんてできないので喫煙場所の規制を強めざるを得ない。……”

 写真は、駅前の禁煙マークの前。二人が喫煙しています。(京急線上大岡駅改札前、2011年のもの。いまはだいぶ減ったものの、まだときどきいます)

STOP受動喫煙 新聞』 季刊・年1200円
 さらなる情報が読める! 各種サービスがある、当機構への入会=『STOP受動喫煙 新聞』のご購読=をおすすめします。

 ☆画像はクリックで「紙面案内・入会特典」ページが開きます。

コメントを残す

* が付いている欄は必須項目です。
アドレスは公開しませんが、内容確認の場合がありますのでご記入ください。
(名前は記入されたまま公開します。過去のコメント集「被害者のコエ」参照)
公開は内容確認後となります。若干の要約・修正や、公開しないこともあります。
※公開向けではない個人的な相談や意見は「お問い合わせフォーム」へお願いします。
※受動喫煙と関係ないこと、喫煙の非難などは書かないでください。

当機構からの回答や連絡は、必ずあるわけではありません。
投稿の方への、一般の方からの助言・ご意見・励ましの言葉も歓迎しています。
(その方のコメント末尾「返信」をクリックして投稿してください)

※公開したコメントの削除は基本できません。
 (より良くするための修正は検討します)
 コメント文の転載等その後の使用権は、当機構が有します。
 無断転載を禁じます。

*