「禁煙店」のはずなのにタバコ臭い?! 開店前に店員が喫煙?! 法的な問題は?

 店や施設などが、“禁煙のはずなのに、タバコ臭い” とは、あってはならないことですが、じつはときどきある話です。

 その原因は、入口前など近いところに喫煙所があり、店内に煙の流入がある場合が多く、他には、完全禁煙と思ったがじつは屋内での分煙(喫煙席や喫煙所がある)だった、またまれに、ちょっと前まで室内喫煙可能で、壁やエアコンに染みついていた三次喫煙、といったことが考えられます。

 しかし、ずっと「終日完全禁煙・喫煙所は店内外とも無し」の店なのに、臭い、ということも?! 理由は、開店前に店内で従業員がタバコを吸い、しっかり煙が残っている、つまり三次喫煙ではない直接の二次喫煙という、とんでもない店も、意外とあるようです。

 禁煙店を選ぶ人は、スモークフリー(受動喫煙のないこと)を望んで入るものです。
 これは法的に見てどうなのか? 検証した記事がありました。

 「禁煙」を掲げているのに、開店前に店員がプカ~ これって許されるの?
  =『ITmedia ビジネスオンライン』2019年11月20日 05時00分=

 以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。

“「禁煙の店なのに開店前に店員がカウンターでたばこを吸っている」――Twitter上にこんな投稿があった”

景品表示法は……次のような表示を禁止している。品質、規格その他の内容について実際のものより著しく優良であると示したり、事実に相違して競争関係にある事業者よりも著しく優良であると示したりすることだ。不当にお客を勧誘することを防止し、お客の自主的かつ合理的選択を阻害しないことを目的としている”

“飲食店を選ぶ際、全面禁煙されていたり、分煙されていたりといったことを重視するお客は一定数いる。禁煙と掲げられているのに、入店してみたらたばこのにおいが残っていて、がっかりするケースが考えられる。こういった場合、景品表示法に違反することになるのだろうか”

消費者庁の担当者……「グレーに近いと考えられます」とコメントした。消費者庁では景品表示法に違反しているかどうかを、事例ごとに厳密に調査して判断しているためだ。

では、どうしてグレーなのだろうか。担当者によると「禁煙」が飲食店で提供するサービスの内容を構成しているかという点が微妙だという。「たばこの煙のない空間」もサービスの一部と考えているお客は一定数存在する。一方、「来店時に煙やにおいが残っていなければ問題ないじゃないか」とお店が主張するケースが考えられる。どの程度においが残っていたら問題なのか、という論点もある。はっきりと違法かどうかを判断しにくい問題のようだ”

20年4月1日からは飲食店、オフィス、事業所を含むさまざまな施設が原則屋内禁煙となり、一定の場所を除いてたばこが吸えなくなる……禁煙を掲げるお店は確実に増えるだろう。一方で、店員がオープン前にこっそり厨房などで喫煙するようなケースも減るのだろうか”

 じっさい私は、当機構の近くにある、禁煙のとんこつラーメンのチェーン店で、朝の始業前、店員たちが店内で喫煙している光景を目にしたことがあります。

 また、関内駅前の禁煙の焼き鳥店(店内奥に喫煙室あり)に、禁煙活動の仲間たちが夕方の開店と同時に入ったところ、ほかに客もなく、とうぜん喫煙室の利用もないのに、非常にタバコ臭く、みなUターンした、という話も聞きました。
 喫煙室でだれかが喫煙していてその近くにいれば漏れはあるかもしれませんが、前夜の漏れが店内全体に翌日まで充満していることは考えられない(私も何度か行きましたが、開店中でも臭くはなかった)ので、これももしや開店前の……かもしれません。

条例では…?

 なお、神奈川県庁の、条例施行の活動を行う部署(たばこ対策グループ)に聞くと、条例で禁煙と決まっている店でも、営業中以外の喫煙は「規制の対象外」とのことでした。
  →『STOP受動喫煙 新聞』第23号(2018年7月)に条例の裏側の取材記事あり。

 また、客席で喫煙していなくても、従業員室やバックヤードが喫煙可能となっている店もあります。これだと開店して時間がたってからも急に臭くなることがあります。しかしこれも、神奈川では“条例対象外”だそうです。

 関内駅北口近くの禁煙のラーメンチェーン(店内も店頭も喫煙場所なし・店頭は市条例での路上喫煙禁止区域)でも、何度行っても途中で臭うときがあり、あるとき聞くと店の裏に従業員喫煙所があるとのことで、行くのをやめました。(改善申し入れを送りましたが、無視されています。)

 前述記事の消費者庁担当者は「グレー」と、回答をぼかしていますが、今後は“禁煙とうたってタバコ臭い”は「優良誤認」と、判断されていくのではないでしょうか。

 もしそのような経験があったら、店の本社と、消費者庁にも通報しましょう。

 なお、同様の例は、タクシーならもっとあると思います。
 タクシーやバスなども、神奈川県条例では営業時間外なら対象外とのことです。(ただし「神奈川タクシーセンター」では、車内での喫煙は違反なので通報があれば直接注意・指導するとのこと)

 受動喫煙の撲滅には、われわれ市民の監視、通報が必要です。

 
このぐらいやらなくては……。(1枚目:兵庫県西宮市「バーレイ」店頭・次:池袋の喫茶店※店名不明)

 参考→芸能人がタクシー受動喫煙に苦言、ニュースに/タバコ臭いタクシーはなぜなくならないか? 『STOP受動喫煙 新聞』第12号 第14号)

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「禁煙店」のはずなのにタバコ臭い?! 開店前に店員が喫煙?! 法的な問題は?” に対して1件のコメントがあります。

  1. 高橋 より:

    理容室店内がタバコの匂いがして臭いんですが、このような事はどこに問い合わせればいいのですか?

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