「屋外や私有地での喫煙でも配慮義務があります」 自治体=東京都荒川区=の広報
いろいろ調べていましたら、東京の荒川区が、受動喫煙の撲滅へ、改正健康増進法を引用しわかりやすく啓発しているページがありましたので紹介します。
屋外や私有地での喫煙でも配慮義務があります =荒川区サイト 更新日:2023年11月30日=
以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。
“配慮義務
喫煙者の配慮義務
喫煙をする際は……受動喫煙を生じさせることがないよう周囲の状況へ配慮しなければなりません。(健康増進法第27条第1項)
灰皿設置者の配慮義務
施設等の管理者が灰皿を設置するなど喫煙場所をつくるときは、望まない受動喫煙を生じさせることがない場所とするよう配慮しなければなりません。(健康増進法第27条第2項)
自宅のベランダなどの私有地での喫煙
自宅のベランダなどでの喫煙について、区への相談が増えています。庭やベランダで喫煙した場合、その煙や臭いは近隣の方の迷惑になっている可能性があります。
また、換気扇の下で喫煙した場合でも、煙や臭いが排気口から外に出て近隣の換気扇や通気口を通って室内に流れ込んでいる可能性があります。
プライベート空間で喫煙をする際も、周りの方に煙がいかないように注意し、望まない受動喫煙を生まないようにご配慮ください。飲食店や事業所などでの喫煙
多くの人が集まる場所(飲食店・事業所・商業施設・宿泊施設・遊技場など)は、原則屋内での喫煙が禁止となっていますが……
飲食店や事業所の出入り口や屋上などでの喫煙について、区への相談が増えています。敷地内でも建物前の道路を通行する人や周囲の建物に望まない受動喫煙を生じさせてしまう可能性があります。施設管理者の皆さまは、今一度灰皿等の設置場所や周囲への配慮についてご確認をお願いします。灰皿を設置する際の配慮の例
・営業時間外は建物内へ片付ける
・通学や通勤の時間帯は片付ける
・建物出入り口や歩道の側に置かない
・煙が隣接する建物に流れ込む場所に置かない
・喫煙者に配慮を促す掲示をする
・広がって吸っている場合など配慮が不足している場合は喫煙者に声掛けを行う
・パーテーションなどで区画し、煙が近隣に流れないようにする”“たばこの煙による健康影響
日本では、受動喫煙による年間死亡者数は推定約1万5千人と言われており、肺がん、虚血性心疾患、脳卒中、乳幼児突然死症候群(SIDS)などは受動喫煙との因果関係が確実とされています。
特に子どもは体が小さく、体重当たりの有害成分量が多くなるため、受動喫煙の悪影響が出やすくなり、ぜんそくやアレルギーが悪化することがあります。また、妊婦さんがタバコを吸うと、赤ちゃんが低体重で産まれるリスクが高まります。詳しくは、下記リンク先をご覧ください。
受動喫煙について”“啓発用ポスター
施設管理者の方などが、喫煙者に向けて配慮をお願いする際は以下のポスターをご活用いただくことも可能です。
……
啓発用ポスター(PDF:110KB)”“こちらの記事も読まれています
受動喫煙について
受動喫煙を防止する国、東京都、荒川区の取り組み
路上喫煙禁止地区
施設管理者の皆様へ
荒川区指定喫煙場所”
荒川区は路上喫煙が多いと聞いていましたが、そのぶん苦情も多くて、自治体はがんばっているようです。
みなさんの地域でも、良い取り組みがあったら、ここで紹介しますのでお知らせください。
[当サイト関連既報] ※他にもありますので、検索窓やカテゴリーで引いてみてください。
“〈私有地でも〉公共に受動喫煙をさせないこと” ~ 前進した受動喫煙防止の啓発 ~ 東京都港区 ’20年12月
受動喫煙をさせないことは「法律・条例で定められています」 ~ 自治体サイト啓発=足立区 ’23年2月
自治体も「STOP!受動喫煙」 ~ 千代田区の啓発ポスター・ちらし ’22年3月
加熱式タバコも罰則金を徴収します 路上喫煙全面禁止の東京都千代田区 ’24年11月より ’24年10月
住宅での受動喫煙に“配慮をお願いするチラシ” ~ 大阪府吹田市 ’21年11月
大事な子どもへの啓発「自分が吸わなければ大丈夫?」 = 大阪・小冊子配布 ’22年3月
“新型タバコ”=〈加熱式タバコ〉と〈電子タバコ〉=について、「正しい知識を持ちましょう」~ 自治体広報~奈良市(大和浩教授の研究を参考) ’21年2月
各地の自治体(県や市)が「JTから多額の寄付」を受けています=国際条約違反=日本禁煙学会・『赤旗』紙が追及 ’20年8月
記事は自治体に好意的ですが・・・他の自治体よりましといったレベルでしょうか。
灰皿を設置する際の配慮の例をとっても問題があります。
例示されたことをすべて完璧に守ったとしても、受動喫煙は防げません。
受動喫煙を「させないように」配慮するならば、灰皿なんて設置できません。広大な私有地であれば問題ないかもしれませんが、極端な例外を持ち出す必要はないでしょう。
そもそも喫煙所で身を寄せ合ってタバコを吸っている者は、喫煙行為および受動喫煙により、健康増進法の趣旨に反した行為を行ってます。喫煙者が病気になって喜ぶ医者も中にはいるでしょうが、無駄に保険料を使われて大変迷惑です。
ところで、コンビニ店舗灰皿撤去の話です。
一度は、苦情により灰皿を撤去したローソン店舗も、数ヵ月後、また灰皿を設置しました。
店舗経営者が代わった際に設置したのです。
ローソンによると、「厚生労働省の受動喫煙対策コールセンターや役所に確認して、灰皿設置に問題ないと言われたので、周囲の住民や通行人に健康被害があろうと灰皿は撤去しない」と言い切ってます。
ローソンの回答を受けて、私が厚労省のコールセンターに対応を確認したところ、「健康増進法で制限されていないので、灰皿設置に問題はないと説明している」との事であり、受動喫煙による健康被害には触れていませんでした。
「灰皿設置の問い合わせの際には、受動喫煙による健康被害のことも合わせて説明すべきであり、健康増進法で制限はされていないが、受動喫煙の問題はあることを伝えるべきである」とオペレーターに伝え、オペレーターから「そのようにする」との回答を得ました。
また、役所に関してですが、私が役所に受動喫煙防止目的でローソン店舗灰皿撤去の要望を行い、役所の対応として、役所から直接ローソン店舗に「苦情があった」ことを伝えてもらっているので、役所が灰皿設置に関して「問題ない」と言うはずがありません。
たとえ別所または別課が対応したとしても、上記厚労省コールセンターと同対応のゆえでしょう。「健康増進法上の制限には問題ない」だけの話です。
いくら正論を述べたところで、私たちには強制力はなく、身勝手で無責任なローソンなど灰皿設置者(社)に対して、なすすべがありません。
法的な手段を訴えるにしても、受動喫煙による健康被害で刑事訴訟なんて、検察が動こうはずも無く、民事訴訟となると費用対効果は絶望的です。
立法機関も、タバコ議員多数、総理もタバコ議員、非タバコ議員もタバコ廃止(タバコある限り受動喫煙はなくならないのは明らか)には消極的どころか、政策にすら組み込まれていない状態であり、見込みが無い。
残る有効な手段は、喫煙者のみならず、非喫煙者含む大人全員に、受動喫煙は悪であることを、徹底的に解らせ、受動喫煙させた喫煙者には、法によらずとも責任を取らせることしかないと思っています。
ローソン等が灰皿を撤去せざる終えないような方法を思いついた方は、是非教えてください。