NHKから回答がありました
弊機構は、NHK『いだてん』の劇中、受動喫煙シーンが放映されたことについて、NHKに対し平成31年2月18日付の文書にて申入れを行ないました。これに対して、2月25日付でNHKから文書による返信がありました。
弊機構では改めて、NHK宛てに3月4日、弊機構の見解を送りました。以下、NHKの返信文書と合わせ、掲示します。
公益社団法人受動喫煙撲滅機構
理事長 田中 潤
NHKからの回答、原紙。(以下、クリックで拡大します。読みにくい場合は後出全文をお読みください)
以下は機構からの再送付文です。(左より2枚。全文は後出)
NHKからの返信全文
2019年2月25日
公益社団法人 受動喫煙撲滅機構
理事長 田中 潤様NHK制作局ドラマ番組部
部長 藤澤浩一平素よりNHKの放送番組にご理解を賜り、ありがとうございます。また、
大河ドラマ「いだてん」をご覧いただき、御礼申し上げます。
主人公の田畑政治は、本人を直接知る関係者の証言や回想録に、絶えずタバコを吸っていたことや、実際に火のついたタバコをさかさまにくわえたことが度々あったと残されています。ドラマでは田畑のキャラクターを表現する上で欠かせない要素として描いておりますが、演出上必要な範囲にとどめております。
今回のご指摘を含め、視聴者の皆さまから寄せられるご意見はそれぞれ検討させて頂いております。番組の表現が視聴者の皆様にどのように受け取られるか、配慮しながら番組制作をして参りたいと思います。
この度はお手紙を頂戴し、誠にありがとうございました。今後もNHKの番組を何卒よろしくお願い申し上げます。
NHKへの再送付文全文
NHK制作局ドラマ番組部
部長 藤澤浩一 様謹啓 早春の候 ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
この度は、弊機構の要望についてご回答いただき、ありがとうございます。藤澤様が受動喫煙撲滅について前向きなお考えをお持ちと拝察し、大変安心いたしました。また、今後今回の要望について検討し、配慮されて、番組づくりをしていただけるというご所見を真摯に受けとめさせていただきます。私たち、公益社団法人受動喫煙撲滅機構は、受動喫煙を人権侵害と捉え、その被害をなくすことを唯一絶対の方針とし、実際に寄せられている被害の声を受け、解決に向かうための活動を行っています。
ご存知のとおり公益社団法人の事業目的は、国から許可されたものに限定されており、弊機構は喫煙の是非や禁煙を推進する活動は行っておりません。
私たちは、受動喫煙が生じる現場を無くす為に全ての力を注いでいます。
受動喫煙については、国が定めた健康増進法(受動喫煙防止法)において他人にタバコの煙を吸わせてはいけないということが明文化されています。
今回貴局に申し入れをしたのも、公共放送という立場が明確な機関において受動喫煙が行われていることを放置できなかったからです。受動喫煙のシーンでは、実際に喫煙によって現場の出演者やスタッフが受動喫煙をさせられてしまいます。つまり、ドラマという架空の場だけのことではなく、その場にいる人たちがタバコの煙を吸わされていることが現実化してしまうのです。これについて、弊機構は次の申し入れをしました。
一、 『いだてん』において、受動喫煙のシーンは、今後絶対に出さないでください。二、 『いだてん』で、受動喫煙場面が放映されたことについて、番組テロップなどで謝罪をしてください。
今回の藤澤様のご回答で貴局は、受動喫煙を撲滅する方針を失っていないと判断致しました。今後、更に内部から良識ある意見が出て、健康増進法の精神に沿った放送をまっとうされることを祈念します。
繰り返しますが、私たちは喫煙の是非を議論する考えは全くありません。これからも「他人にタバコの煙を吸わせない」ための活動を続けていきます。全ての人がお互いに思いやりの心を持って接していく社会の構築を目指して参ります。
どうか、藤澤様も良い番組をお作りください。 謹白追伸 「いだてん」で受動喫煙シーンが放映されたことについて、謝罪等のコメント放映をされる時は、ご一報いただけると幸いです。
平成31年3月4日
公益社団法人受動喫煙撲滅機構
田中 潤