なにかよくわからない“受動喫煙啓発”ポスターに大金を注ぎこんだ東京都?!

 みなさん、以下の画像をパッと見て、なんのためのものと思うか、考えてみてください。
 実物はA2サイズのポスターです。画像はクリックで拡大しますが、まずはそのまま、さっと見てください。


 画像は以下からダウンロードできます。
 東京都サイト 東京都受動喫煙防止条例啓発チラシ・ポスター(健康ファースト大使)

 ※同ページが非公開となったため、形は違うが図面はほぼ同じポスターが出ているページ→受動喫煙防止対策 PR動画&ポスターを作成しました

 ポスター実物は、今年3月の東京「無煙社会をめざす会」定例会で、岡本光樹都議(弁護士)が、みなに見せて「これ何のポスターに思えますか?」と問うたものですが、一同「マラソン?」「ジョギングの奨励?」「…だとしても何かわからない…?」といった感じでした。

 じつはこれは、拡大して、よく文字を読むと“なんとなく” わかりますが、制定された東京都の受動喫煙防止条例の“普及・啓発のため”の、さきごろ完成したポスターだというのです。

 もう一種。

 しかし、「…条例、はじまる。」だけで、条例の内容や対象などもまったく示されていません。

 モデルは都の「健康ファースト大使」に選ばれた高橋尚子さんですが、名前もなく、彼女であることもよくわかりませんし、健康大使であることも記されていません。

 そして、この制作費用に都は、約3000万円もかけたのだとか……!

 この問題について、その例会にも参加した、おなじみ石田記者が、さらに都議会の委員会も取材し、詳しく報告していますのでお読みください。

 東京都の「受動喫煙啓発ポスター」はなぜ「意味不明」に仕上がったのか
  =石田雅彦ライター、編集者 3/25(月)=

 以下、一部の抜粋です。「……」は文省略・太字化は引用者によります。

“都は受動喫煙防止対策の啓発に乗り出すが、ロゴマークに首を捻る人もいればポスターに意味不明という声もあがる”

“「吸う人も吸わない人も」というフレーズ、どこかで耳にしたと思い返せば、JT(日本たばこ産業)がよく使っているものと同じだ。何か関係があるのだろうか”

“3月18日、東京都議会の厚生委員会が開かれた……岡本こうき都議(都民ファーストの会)は……ポスターを提示して「ポスターの受動喫煙防止の文字が小さく何のポスターなのかわかりにくい。せっかく高橋尚子さんの写真を使っているのに顔が見えにくいため、もったいないと思う。空の色もきれいな色なら良かったのに」と指摘した。
続いて、……企画制作を受託した企業が株式会社電通と聞いているとし、ポスターのデザイン費、動画制作費、イベント費などを合わせて約3000万円で受託していることを述べた。また、雑誌『選択』(2016年7月号)の記事を紹介し、JT(日本たばこ産業)という広告主と広告宣伝会社である電通によるメディアへの圧力の存在疑義について指摘した”

“岡本都議は『選択』記事を引き、JTは年間200数十億円広告宣伝費を使い、ほぼ定価で広告を入れてくれるメディアにとっての上顧客と書かれていると指摘。JTはメディアに対してタバコに関する偏向記事の掲載を求め、それに電通が荷担しているという記事の内容を紹介した”

“委員会の後、この件について岡本都議から話を聞いた……
岡本都議「東京都は、九都県市……共同で受動喫煙防止対策普及啓発用のポスターを作成しています。それと比較すれば、今回の東京都のシンボルマークやポスターがいかに伝わりにくいか明らかだと思います。もちろん、予算の大小に見合うだけの効果やインパクトのあるものを作るべきであり、都においても必要なら予算を大きく使ってもいいと思いますが、たとえば千葉市は九都県市で作成したシンボルマークなどを使って、比較的低予算でも効果のある啓発を図っています」”

“岡本都議「タバコ産業の利益の増進のために活動している企業、団体、組織は、入札に参加できないという入札条件を付ける、あるいは、そのような者は、少なくとも、タバコ産業との契約内容を開示・公開し、利益相反をどのように防止するのか防止策を説明し、構築することを入札条件に加える必要があると思います」”

 そして、「日本禁煙学会」が改善の申し入れを行い、公式サイトにてその全文を公開しました。

 受動喫煙防止ポスター制作変更の要望書を提出いたしました
  =「一般社団法人 日本禁煙学会」公式サイト2019年4月19日=

“千葉市や国は、受動喫煙防止条例の広報や動画においてはるかに判りやすい内容を発表……オリンピックを控えた東京都にはこれらを超える明瞭・明確なメッセージを発信していただきたい”

“「吸う人も吸わない人も」のフレーズは、JT が使っている文言と同じで、殊更にわざわざ同じ文言を使わなくとも「皆が、誰もが快適に過ごせる街を目指して」だけで充分なはず”

“一連の受動喫煙防止対策に関する事業を委託したのは株式会社電通であるとのことですが、同社はタバコ産業からの多大な広告収入を得ている非中立的な企業です”

 以下は岡本都議の説明にある、9都県市のポスターです。
 

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