新幹線が「全席禁煙」に! しかし残る問題が?
来年2020年の春から、東海道新幹線が喫煙席を廃止、全席禁煙になる見通し、との報道がありました。
禁煙化の変遷も書いてあり興味深いので、まずはお読みください。
来春実現、東海道新幹線「全席禁煙」までの変遷
=『東洋経済ONLINE』2019/05/22 5:40=
以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。
“予定どおりにコトが運ぶと、東海道新幹線のすべての座席で喫煙ができなくなる(3、7、10、15号車の喫煙ルームで喫煙可能)”
“開業した1964年は、喫煙マナーという概念がなく、公共の場所や特急、急行列車の車内でもタバコが吸えるのが当たり前だった時代”
“開業時から10年以上、禁煙車がなかった……時刻表…に禁煙に関する記述が初めて登場したのは1977年3月号”
“1981年になると、ひかり号、こだま号とも、1号車が禁煙車となる……在来線の特急にも禁煙車が登場したが、どの列車も自由席の一部車両が禁煙車で、指定席の禁煙車はなかった”
“1992年、のぞみ号が登場すると、その翌年から禁煙車の増加の幅が一気に増える。1993年には……16両編成のおよそ半分の車両の禁煙化に……1996年には……半数を突破する。さらに、のぞみ型車両の300系、500系、700系の導入と、旧式の0系、100系の引退により禁煙車両が増加する”
“2008年……のぞみ号に全席禁煙(喫煙ルームあり)のN700系が登場。2009年以降はひかり号、こだま号の一部もN700系が使われ、全席禁煙の新幹線が広まる”
“あと1年弱で消える東海道新幹線の喫煙車両だが、現在はどの程度残っているのか……5本のみ。しかも、どの列車も一部の日は全席禁煙のN700系で運転との注意書きが……
また、山陽新幹線の……8両編成の700系や500系も全席禁煙化……すでに、東海道・山陽新幹線の定期列車の禁煙車率はほぼ100%に近い状況だった”
しかしなんで、「東海道新幹線のすべての座席で喫煙ができなくなる(3、7、10、15号車の喫煙ルームで喫煙可能)」を、二回も繰り返し書くのでしょうかね? 単純ミス? それとも……?
喫煙者が近くに座ったら
しかし、私は「喫煙室が残るなら」、全席禁煙化には反対です。
なぜなら、このサイトや『STOP受動喫煙 新聞』をいつも読んでいるかたならすぐおわかりとおもいますが――、
喫煙室から漏れが必ずあって(どんなに換気や密閉性が良くても扉開閉で漏れる)、近くの席は受動喫煙でみな大変になることはもちろん、
離れた席・車両をとれても、隣や近くに座った、喫煙室に行ってきた喫煙者からの三次喫煙=サードハンドスモーク=残留煙、がある可能性があるから、です。
初めて全車禁煙新幹線が出たころ、私はそんなことまで頭が回らず、こりゃいいことだ、と乗りましたが、隣の男が何度も離席して戻ってくるたびタバコ臭くて苦しくなったので(当時はいまほど鋭敏ではなかったはずなのに)、車掌に言って席を替えてもらったことがあります。(いまなら本人に文句を言って他に行かせるかもしれませんが)
分煙「こだま」なら?
その後は、安い「ぷらっとこだま」という券を知ったこともあり、「のぞみ」はやめて、分煙(「分席」が正しいか?)の「こだま」で、喫煙車両から一車両以上、あいだをとった禁煙車両を指定するようになりました(喫煙車両の次の禁煙車両も、扉開閉のたびに臭かったことがありましたので)。
禁煙車両と喫煙車両が分かれているなら、禁煙席には喫煙者が来ない可能性が高いからです。もちろん喫煙者でも喫煙席が取れなかったと、近くに座る可能性もありますが、少なくとも分煙(分席)列車には喫煙所がないので、落ち着いて吸いに行けるところがないから途中の喫煙離席はまずないでしょうし(ツワモノは喫煙車両で立って吸ってくるかもしれませんが?)、今まではそれで問題なかったものです。
理想の禁煙席が取れなかったときは、行く時間や日を変えることもありました。(遠いところでは、「ひかり」にしたこともあります。)
座席を占めても?
しかし、全車とも全席禁煙・喫煙室あり、となると、4人以上のグループで乗るときでもない限り、長時間乗車中のサードハンドスモークを避けられない可能性があります。
(グループで占めても、すぐ後ろに来られたら臭うかも、また、隣席にはいないが、たびたび通路を通られて苦しくなったという『STOP受動喫煙 新聞』会員の体験報告もあります)
受動喫煙症はじめアレルギー、妊婦や体調不良の人には深刻です。
別の移動手段を考えるか(高くて面倒な飛行機か、長時間乗り換え乗り換えの鈍行か?)、臭かったら前述のように席を替わるか?(席が空いていればの話だし、替われてもまた臭い可能性が。住宅問題と同じか…?)
それともまさか、もめるのも辞さず相手を他へ行かせる覚悟で乗るか? ということしかありません。
私と同じような被害者は多くいるはずです。受動喫煙・三次喫煙への意識の高まりがさらに進み、また全席禁煙化によってこの問題がクローズアップされて、飛行機のように「喫煙室もない新幹線」が当たり前になることをのぞみます。
先の記事に続く、コメント集にもありました。
“全席禁煙はこのご時世当然ですね。(町中でも歩きたばこ禁止が増えています)
但し、先のコメントにもありますが、喫煙後に戻った人の吐く息のたばこ臭さは異様です。本人は気がついていないですが、堪りません。被害ですよ(中略)席を選ぶときは喫煙ルームが近くに無い車両を探します”“喫煙者の吐く息をなんとかしろ。全員1号車に隔離だな”
なお、昨年のものですが、こんな記事もありました。
三次喫煙に脅える新幹線~JR東海に見る株式保有型タバコマネー汚染~
=『Healthy Correction』2018-08-06=
開業当時の写真。私はこの最初のデザインが、今でも一番好きですが……。
先日東京から新大阪まで新幹線を利用しました。700系の臨時のぞみで、1号車から9号車まで喫煙車両なく喫煙ルームもなく、快適に過ごせました。
700系は順次N700系に置き換えられて、万遍なく喫煙ルームが配置された列車だけになってしまうのが残念です。
JR東海は東京から大阪までの高速鉄道を独占的に運営しているのだから、JR東日本はやぶさ号のように全席指定にして喫煙ルーム閉鎖運用の列車を毎時1本だけでも走らせるか、700系のように非喫煙者が副流煙を吸わずに済むように、喫煙スペースの配置を変更してほしいものです。
新幹線そのものの、運営にも問題があります。
灰皿とか、片付ける人は、どうなんだと言う話です。
清掃する人は、JRの社員ではなく、別な人ですよね?
先日、駅で年配のご夫婦が駅員と何か話していました。
どうやら、喫煙できる電車を訪ねていたようでした。
私の勉強不足ですが、何年も新幹線に乗る機会がなく、いまだに喫煙できる電車があるとは知りませんでした。
JRの構内は一応禁煙ですし・・。
まさか、車両の中など当然だと思っていました。
驚きです。
喫煙後に乗り込まれても被害にあうのに、まして移動中にまで吸われたら・・と思うとぞっとしました。
狭い日本を新幹線で移動する間さえ吸わずにいられない、恐ろしいことです。