「完全分煙は不可能」 教授の新聞コメントで喫煙所が撤去に!~清掃業者から感謝の電話も

 良いお話です。

 『STOP受動喫煙 新聞』でも連載を続けていただいている、受動喫煙撲滅の研究第一人者・大和浩教授へ、地方紙からインタビューがあり、そこできびしい言及をしたおかげで、喫煙室が廃止され、さらに……、というものです。

 まずは以下の記事をお読みください。(例によって、色違いの語句のクリックでリンクへ。囲みは記事の抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります)

 完全分煙は不可能 諫早市議会の喫煙所継続使用
  =『長崎新聞』2019/10/21 00:07=

“7月から一部施行された改正健康増進法で、諫早市は同じ庁舎でありながら、……議会内喫煙所1カ所が継続使用され、非喫煙者の議員や市民から疑問の声が上がっている。喫煙対策の専門家である産業医科大(北九州市)の大和浩教授(59)=医学博士=に受動喫煙の健康影響や同議会の対応の是非を聞いた”

“-喫煙や受動喫煙の健康影響は。
たばこの煙は、大気汚染の原因となる大気中の微小粒子状物質「PM2.5」である。人間にとって異物であり……非喫煙者も受動喫煙で心筋梗塞、脳卒中の発症……死亡する人は年1万5千人と推計されている”

“-諫早市議会の対応は。
喫煙専用室には……基準が示されているが、それをクリアしても煙の漏れは防止できない。吸わない議員、議会フロアで働く市職員や清掃業者、用事で訪れる市民の受動喫煙も大問題。この人たちが病気になったら喫煙者の議員が責任を取れるのだろうか。……敷地内全面禁煙以外にあり得ない。……議員は市の方針を決める立場であり……率先して敷地内禁煙に取り組むべきだ”

“-「望まない受動喫煙を防げない」という理由は。
……ドアのふいご作用で生じる風圧で煙が室外に押し出される。喫煙室から出てくる人の後ろに空気の渦ができ……煙が室外に出る。さらに、喫煙者の肺に残る煙が、呼気として室外に持ち出される。繰り返すが、完全分煙は不可能。喫煙者は鼻の感覚が鈍くなり、たばこの臭いが分からないから「喫煙室があれば受動喫煙が防止できる」と勘違いしている”

“-その他の問題は。
喫煙後45分間、口臭から有害なガス状物質が出続けるという研究結果がある。奈良県生駒市は喫煙した職員は45分間、奈良県庁は時間にかかわりなく、エレベーター使用禁止と決めた。たばこの臭いがする職員と狭い空間に乗り合わせた市民がたばこ臭にさらされないためである”

“-加熱式たばこは「煙を出さないから問題なし」という声もある。
……口から白いエーロゾル(微小な液体の粒子)を吐き出している。……すぐに見えなくなるが、ニコチンと発がん性物質を含む有害なガス成分が周囲の空気を汚染する。加熱式たばこにも受動喫煙はある。禁煙の場所での使用を認めてはならない

“-市職員や市民が使用する屋外喫煙所がある。
……勤務時間中の喫煙は地方公務員法35条の職務専念義務に反している。敷地内禁煙としただけでなく、出張者を含め勤務時間中の喫煙を禁止する自治体が増えている”

 この記事が掲載された当日、市議会では緊急に会議が開かれ、何人かの議員が同紙を持ち寄り、討議を進めたそうです。
 そしてその結果……が、翌日の同紙に報道されました。

 喫煙所継続使用から方針転換、閉鎖へ 諫早市議会
  =『長崎新聞』2019/10/22 10:18=

“諫早市議会は21日、……喫煙所1カ所を22日から閉鎖すると決めた……受動喫煙の健康影響や世論などを考慮、閉鎖に方針転換した”

“議会全員協議会で、喫煙者の議員が「自らの健康や他人の受動喫煙被害など時代の流れを総合的に勘案し、閉鎖を提案したい」と発言。急きょ開いた各派代表者会議で全8会派が喫煙所閉鎖で一致した

“大和浩教授(喫煙対策)は「議会が自ら閉鎖を決めたことは良かった。残る課題は市職員が勤務中に屋外喫煙所を使っている点。……敷地内禁煙とした上で勤務時間中は出張中も喫煙禁止とした秋田県をはじめ、敷地内全面禁煙とした佐賀県や熊本市などを見習ってほしい」と述べた”

 なんと新聞を見てその日のうちに、喫煙所の閉鎖を全会一致で決定(喫煙議員も良い提言をして)、翌日から閉鎖、とのスピード解決でした。

感謝の電話が

 そして、この結果、新聞を見た、喫煙室でひどい三次喫煙にさらされていた清掃業者から、大学の大和教授の研究室へ、電話があったそうです。(『STOP受動喫煙 新聞』29号より、一部抜粋)

 「……なぜ自分たちがタバコの煙を吸わされなければならないのか、これまで疑問に思っていましたが、
 先生に指摘していただいたことで、撤去されることになり、これで私たちは受動喫煙から解放されます
 本当にありがとうございました」

 教授は、
 「受動喫煙対策の研究を続けてきて、本当に良かった、と思いました」
 とのことでした。

 ☆この新聞記事、感謝の声などの、詳細・解説や、他の地区の取り組みとその功罪、とくに記事にある秋田や熊本の実施、その他についても、『STOP受動喫煙 新聞』第29号–2020年・冬号の教授の連載で詳述していますので、さらに詳しくお読みください。最新29号が1月23日完成、発送できます=専門情報紙『STOP受動喫煙 新聞』

 大和浩教授が発信している情報サイトもあります。→「わが国の今後の喫煙対策と受動喫煙対策の方向性とその推進に関する研究

 以下の画像は、(諫早市議会の喫煙所写真は手に入らなかったため)
東京の議会棟の喫煙室。ただし2016年、条例制定への陳情活動「スモークフリー・キャラバン」での訪問時に撮影したものです。(画像はクリックで拡大します)

小平市議会棟の喫煙室 2016年

日野市議会6階(2016年4月) 天井の色違いに注目。

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「完全分煙は不可能」 教授の新聞コメントで喫煙所が撤去に!~清掃業者から感謝の電話も” に対して1件のコメントがあります。

  1. ユカタン より:

    元喫煙者であるということで、最初は、半信半疑でしたが、
    喫煙の本質を知り尽くしているからこそ、包み隠さず、さまざまなタバコ煙害や、受動喫煙について、説得力があると考えられます。
    ただ単に、禁煙しただけではなく、それらの依存性の恐さもわかるでしょう。
    他には真似ることのできない、また、違った意味で、喫煙者を変えていくような、
    受動喫煙を根絶するのに、
    大和教授の力こそ、必要不可欠だと思うようになりました。

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