反対のほうが多いのに、喫煙室を存続? =仙台市議会=
なんども当サイトや『STOP受動喫煙 新聞』で報じていますが、
’19年7月1日より、自治体の庁舎は法律で禁煙となったものの、“法の抜け穴”によって、「同じ庁舎でありながら」 議会棟では喫煙室を残しているところが多数あります。
→関連全国の市区町村議会の禁煙化はどうなっているか? 市民団体による徹底調査:「子どもに無煙環境を推進協議会」 / 北海道で全面禁煙! 全35市議会で決定!・・・都道府県は?
仙台市では、その問題に対して地元紙がアンケートを行なったところ、反対のほうが多かったのですが、それでも市は喫煙室を残すという方針のようです。
同紙の正義の怒りが感じられる記事を紹介します。
SNSアンケートで反対59%「必要性疑問」 仙台市議会、喫煙室存続方針
=『河北新報』2019年12月05日木曜日=
以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。
“仙台市議会が議会棟内の喫煙室の存続を決めたことに関し、河北新報社は……読者らに賛否や意見を尋ねた。喫煙室の存続に「反対」は過半数の59%を占め、「賛成」の35%を大きく上回った。反対派は「税金を投じてまで屋内喫煙所が必要か」と疑問視し、賛成派は「喫煙者の権利も無視できない」と擁護した”
“「(喫煙する)十数人の議員のための税金投入は、いかがなものか」……「喫煙しない人も支払う税金で、なぜ(喫煙室の改修)工事するのか」”
“若者も意見を寄せた。……「たばこを購入する議員に票を投じたくない」と嫌悪感を示し、……男子中学生(14)は「たばこを控える世間の流れに逆行している」”
“反対の声は喫煙者からも上がった……「市民の喫煙場所がなくなっているのに、議員だけが優遇されるのはおかしい」と強調”
“「いい大人が議会に来ている時ぐらい、喫煙を我慢できないのか」……男性会社員(49)も自身は喫煙者とした上で「議員なら公務中は(喫煙を)控えるべきだ」”
しかし最後の、「逆説的に支持する意見」は、変ですね?
議会棟は、立ち入り禁止ではないですが、一般の人がとくに行くようなところではありません。
“一般の喫煙者が議会棟に吸いに行っているのでコンビニや公園での喫煙が減っている”、とは思えませんので、では議会棟の喫煙室がなくなると、喫煙議員がコンビニや公園に吸いに来る、ということでしょうか?
それなら公園やコンビニの敷地内禁煙を徹底すべきで、もし違反する議員がいたら、厳重に罰するべきでしょう。
また同紙は同日、東北全体の喫煙室の調査をあげ、「極めて少数」と非難しています。
仙台市議会の喫煙室存続 東北で屋内は少数
=『河北新報』2019年12月05日木曜日=
“仙台市議会が改正健康増進法の完全施行後も議会棟内の喫煙室を存続させる方針とは対照的に、東北地方で屋内に喫煙所を設ける地方議会は極めて少ないことが河北新報社の調べで分かった”
“灰皿を一掃したのは青森県議会。全会派が議会棟の敷地内禁煙で合意し、愛煙家の議員は「近くの喫煙できる所に行き、一服している」”
“塩釜、岩沼、富谷3市議会は7月以降、屋外の特定喫煙場所もない敷地内全面禁煙を実施する。……「喫煙する議員は3分の1もいない。全面禁煙に反対の声はなく、すんなりと移行した」”
“◎あまりにも横着
日本禁煙学会の野上浩志理事の話 東北の多くの議会が屋内禁煙とする中で、他の市町村議会をリードする仙台市議会が喫煙室を存続させたら示しがつかない。基準を満たせば問題ないというのは、あまりに横着な考え方ではないか。他議会と足並みをそろえるべきだ”
写真は、条例制定を各自治体へ求める陳情活動「スモークフリー・キャラバン」で訪れた、東京都小平市議会棟の喫煙室。
2016年の様子ですが、その後はどうなったでしょうか。