受動喫煙防止に、「禁煙の場所」にも「喫煙場所」にも、明確な表示が必要です
[本記事は、受動喫煙撲滅機構の関係団体による執筆です]
2020年4月から受動喫煙対策が強化されます
皆さんもご存じのとおり、 2020年4月から、国と東京都で、受動喫煙を防止するための法令が全面施行されます。(一部はすでに施行されています)
改正健康増進法
2018年7月18日に参院本会議で可決された「健康増進法の一部を改正する法律案」。これは、「望まない受動喫煙」をなくすために、施設に応じて禁煙、もしくは喫煙場所を設けるという法令です。
受動喫煙防止条例
そして、2018年6月27日に東京都で可決された、東京都独自の「受動喫煙防止条例」。
こちらも受動喫煙から働く人や子どもを守ることを重視した条例です。
法・条例を制定する自治体にとっては、受動喫煙防止のキーワードの一つが「適切な禁煙エリアの設定」と言えるのではないでしょうか。
これは、喫煙者に卒煙を強要するわけではなく、受動喫煙対策のための一時的な禁煙、つまり喫煙場所以外での喫煙を禁止するということです。
しかし、喫煙場所の設置は大きな課題となります。喫煙者に、禁煙エリアでの喫煙禁止と、喫煙するなら喫煙場所での喫煙、を守らせるためには、国や自治体によって受動喫煙被害のない形状、場所の、より良い喫煙所でないといけません。
禁煙エリアだとわかりにくいこともある
禁煙エリアの表示も無かったり、わかりにくいケースがあります。
本来、公共の場、人がいる場所・通行があるかもしれない場所での喫煙自体が問題なのですが、喫煙者には吸いたくなればどこでも吸いたいと思う人が多くいます。分かりにくい表示だと、喫煙者は禁煙エリアだと認識せず、堂々と喫煙している者を見かけることがあります。
これは、常識を守るかどうかということにくわえ、ルールの認知の問題です。
「原則」は、伝わりづらい面もある
法律、法令で、条例で、「**は禁煙」と定められれば、その施設管理者が別途「**は禁煙です」と明記しなくても、禁煙エリアであることは事実です。
ですが、皆がその法令を知っていたり意識したりしているわけではありません。忘れてしまうこともあります。
「法令で決まったのだから」というのではなく、分かりやすい掲示をしていくことは、極めて重要です。
禁煙エリアの表示と、喫煙場所を設けるならその表示が、誰にでもわかりやすい所にあることが理想です。
注意の根拠としても重要
また、ルールを守らない喫煙者に対して注意をする際にも、明確な掲示はとても重要です。
「タバコをやめてほしい」とお願いするよりも、
「掲示がある通り、ここは禁煙ですよ」と伝えたほうが、スムーズに進むことは多いのですから。
新年初、中野区の北野神社に参拝する為に、
神社の入口をくぐるなり、歩きたばこの男性が出てきました。
神社のなかは、タバコが吸えないはずです。なかには、焼き物をしている箇所がありましたが、だからといって、
喫煙スペースはありません。
縁起の良いはずの神社が、縁起でもないものになり、肺が苦しくなりながら、
顔をひきつりながらお参りしました。