路上喫煙には、“モラルやマナー”ではなく、法整備を考えるべき

 [本記事は、受動喫煙撲滅機構の関係団体による執筆です

  
今回は、あらゆる受動喫煙被害のうち、屋外、路上での受動喫煙を考えてみましょう。 
路上喫煙の問題には、受動喫煙対策の難しさが、とくに顕著にあらわれていると思います。

路上喫煙は、禁止されていたり、いなかったり

路上喫煙は、法律や条例で禁止されている地域と、されていない地域があります。

そして現実には、受動喫煙を引き起こす路上喫煙が、あちこちで発生しています。

この問題、考えてみれば、
「禁止されている所で喫煙している」場合と、
「禁止とされてはいないけれども、不適切な場所」で喫煙したがために受動喫煙が発生してしまった場合があります。
そしてこの両者は、問題の質が違うとも思えます。

禁止されていれば、もちろん喫煙してはいけませんが、
禁止されていない場合は、路上で喫煙をするかどうかは、喫煙者の判断に委ねられます。

あなたが実際に受動喫煙の被害に遭ってしまった際、何を感じますか?
どうすべきだと考えますか?

実際に路上で受動喫煙に遭ってしまった場合を想像し、何を感じるか、何をすべきかを、一緒に考えてみましょう。

禁止場所での受動喫煙被害

近所の狭い公園。
食後にこの公園に、花壇の花を見に来たら、喫煙している人がいました。
しかしこの公園は、全面禁煙のはずなのに・・・。

路上喫煙の禁止区域でが増えていますが・・・

路上喫煙の禁止区域が増えています。

禁煙の案内や表示があちこちに貼られ、また、路上喫煙が全面禁止になっている地域も増えてきました。
また、全面禁止にはなっていなくても「受動喫煙は悪いことである」という認知が広まり、喫煙に配慮を求められ、意識して人前では吸わなくなった喫煙者も多いのではないでしょうか。

法令を守らない人もいる

一方で、喫煙禁止区域でさえ、堂々とタバコを吸う人たちも、残念ながらいます。

案内やステッカーが目につくところに掲示され、誰もが喫煙禁止区域を認識されるようになりましたが、喫煙者は、その表示が見えていないのか、見えていても関係ないのかわかりませんが、堂々とタバコを吸っています。

せっかくの法令が無視されています。

法令を守らないのは、特定の少数の人達であることが多い気がします。
被害に遭う側としては、いつも通る道で同じ人が喫煙をしていれば、知り合いかと錯覚するほど顔を覚えてしまったりします……?

常習的に法令を無視している人を、何度も見ていると、法令よりもその人のモラルに問題がある気がしてきます。

禁止場所ではないけれども、受動喫煙被害が発生する

休日に訪れた広い公園。
公園の奥には喫煙所があり、喫煙している人が大勢います。
十分に遠いので、煙は来ない・・・と思ったら、近くのベンチで喫煙している人もいました。
公園全体が禁煙というわけではないけれども・・・。

法令で禁止されていなければ基本的に自由に喫煙できると考える人もいますが、
近くに人がいたり、煙や有害物質が漂流したり、残留しやすい場所であれば、受動喫煙被害が発生します。

もちろん、健康被害が発生する受動喫煙は、発生させてはいけません!
すぐにその場所での喫煙をやめてもらいたい。

けれども、何を根拠にその場所での喫煙をやめてもらえばよいのでしょう?
禁止ではないのだから、マナーの問題?

法令で強制できない以上、本人のマナーに頼るしかない気がしてきます。

もしくは、「自分で注意してやめさせればよい」のでしょうか?

気軽に注意はできない

直接注意して喫煙をやめさせれば良いと言う人がいますが、本当にそうでしょうか?

もしかすると、逆上するかもしれません。手をあげるかもしれません。
もしもの場合を考えると、あえて危険を犯してまで注意したくないというのがふつうの考えです。

結局は、煙の来ない方へ移動して、受動喫煙を回避するだけです。いつも我慢するのは、非喫煙者なのです。
納得がいかないと思ってしまいます。

そもそも、注意しない被害者の問題ではありません。注意されなければ受動喫煙を発生させて良いという話ではありません。

ここで何を考えるか

どちらにせよ受動喫煙には遭いたくありません。
何とかしなければなりませんが、頭の中は喫煙者への怒りばかり。

「喫煙者はモラルが欠如している!」「あなたはマナーが悪い!」

そう言えば改善するでしょうか?

モラルとマナーの問題なの?

そもそも、禁止されているのに喫煙しているのは、その人のモラルの問題でしょうか?
禁止されていない場所での喫煙は、そのヒトのマナーの問題でしょうか?

喫煙者のモラルとマナーの問題なのでしょうか?

喫煙者のモラルとマナー向上のための施策が必要ですか?

受動喫煙は、喫煙者のモラルとマナーが向上すれば解決する問題なのでしょうか?

誰が悪いかではなく、制度を変えていく

改めて重要なのは、受動喫煙は、健康被害を引き起こす有害なモノであり、撲滅しなければならないということです。

誰が悪いか、モラルがどうか、マナーがどうかではなく、受動喫煙を考えるべきなのです。

ヒトによらず、一律に受動喫煙を防止すればよいのです。

モラルが良かろうが悪かろうが、受動喫煙は許さない。
マナーが良かろうが悪かろうが、受動喫煙は許さない。

どうやって、それを実現するかです。

決して、個人・ヒトの話で終わらせないことです。

受動喫煙が発生しているのに、法令で違反となっておないのであれば、そもそも法令に問題があります。
受動喫煙が発生しないような法令、受動喫煙を防ぐための法令が必要です。

また、法令違反の喫煙者は、確かに悪いですが、
「あの人が悪い」だとか「悪い人もいるよね」と、喫煙者の批判で終わらないことが重要です。
「法令を守らせる」という視点を持ってください。

「守る人がいて、守らない人もいる。守らない人が悪い。」ではなく、「どうやって、全員に法令を守らせるか」を考えるのです。

個人の問題だと捉えると、「ルール・マナーを守らないごく一部の悪い人のために、わざわざ法律・条例を制定する必要はないよね?」と、受動喫煙を撲滅するための大きな流れが止まってしまいます。

「ヒト」に着目しすぎると、法整備が進まなくなります。

考え方は様々

また、ヒトを主体に考え始めると、考え方や価値観の違いが話題になり、「受動喫煙をなくすには」という単純な話題に集中できなくなってしまいます。

もしかすると、そのヒトの心の中には、そこで喫煙する強い必然性があるのかもしれません?
ですが、受動喫煙を考える際に、そのヒトの話題に付き合う必要はないのです。

受動喫煙は、健康被害を引き起こす有害なモノです。
個人の考え方の前に、受動喫煙を防止するための明確なルールの制定と、その徹底が必要です。

ヒトではなく受動喫煙そのモノを考え、
「ルールを守らないヒト」のことではなく、「どうやってルールを守らせ、受動喫煙を根絶するか」を考えるのがよいと思います。

ヒトの考え方の変化を待つのではなく、法令を守らせる

もちろん、法を守っていないのは喫煙者のごく一部の人たちです。
法を守ることができない喫煙者の良心に訴えたい気持ちもあります。
変わってくれることを期待する気持ちもあります。

ですが、その人の考え方や価値観が変わるのを待つことはできません。
受動喫煙による健康被害は、繰り返されています。
待つことはできません。

徹底のためには自治体以外の力も

自治体だけでは、条例を徹底するのにも限界があります。

受動喫煙対策として設置された指導員等の人数を増やすほかに、地域のボランティアを募り、受動喫煙防止策を広めるための活動などをするのは、現実的で実行できそうなことではないでしょうか。

掲示物にも、さらなる工夫を

さらなる注意喚起も有効でしょう。

情報の溢れる社会では、様々な掲示物が街中に混在していて禁煙の表示も見過ごされてしまうほどです。電柱に貼られた禁止区域のステッカーも夜になるとまったく見えなくなってしまいます。暗くても目立つ色合いや、反射材などを使用して、夜でもよく見えるようにできるはずです。

また、仕事帰りの人が改札から流れてくる駅校内にも「路上喫煙禁止区域」の目立つ表示が必要です。
なぜなら家路に急ぐ人の路上喫煙が目立つからです。
喫煙者の周りにいる人が、ほんの少しの間我慢すればよいなんて、もう誰も思っていません。これは法で定められていることだからです。

このままで、本当に「おもてなし」ができるのか

オリンピックまではもう1年を切りました。

受動喫煙対策が着々と進んで、日本で暮らす人たちだけでなく、海外からやってくる大勢の観光客の人達にも快適な環境を用意しなければなりません。

マナー違反の人たちのモラルやマナーを責めている場合ではありません。

受動喫煙対策を進めるためには、ルールを制定するだけではなく、ルールや法律を守らない人達への対処・処遇を再考する必要があるのが現状です。

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路上喫煙には、“モラルやマナー”ではなく、法整備を考えるべき”に6件のコメントがあります。

  1. ユカタン より:

    路上では、目的地に到着するまでの歩く区間、たとえ一人だけ路上喫煙者に遭遇するだけでも、
    一日の始まりが、一日の終わりにさえ、かんじてしまいます。 
    なくならない路上喫煙、また、自転車タバコも好き放題にされていますよね。
    路上喫煙なら、注意する人や取り締まる人がいても、
    自転車タバコは、スーッと走り去っていく。
    どうしたらよいのかと思います。

  2. ユカタン より:

    たくさんの問題ばかりなのに、路上喫煙を特別注意するひとはいない。 
    路上喫煙を禁止としている場所で、行政に雇われる人が通行人に呼びかける姿はたまにあります。
    路上喫煙をしたひとを見つけ次第、罰金千円ぐらいをその場で取るところがありました。
    しかし、罰金を収めたひとのインタビューでは、仕方ないと思います、ぐらいでした。
    じゃあー罰金さえ支払えば、いつでも路上喫煙をしていいのかって話にもなりますよね。
    本当にきれいに一掃しなければ大変です。
    車をのったままのタバコも問題です。

  3. ユカタン より:

    このところ、迷惑喫煙者の写真をパシャパシャと撮るようになりました。
    なかには、喫煙者自身が、警戒するように逃げて行くようにタバコを吸う姿もあります。
    ちょっと、卑怯な手かもしれませんが、路上喫煙などを見掛けたら、受動喫煙を受けたくない人たちが写真を撮ると、うかうかとその辺で吸えないなあというような抑止力を持ってもらうのもよいと考えました。
    海外では、厳しく取り締まるように、写メールや実名などがインターネットなどに公開されるなどあったような。 

  4. ユカタン より:

    路上などを歩いていれば、どこかしら、歩きたばこだったり外でタバコを吸う人を目にします。 
    喫煙者にその場での注意を、もっと大勢の人がするようにしていけば、路上喫煙をなくせると思いませんか。
    日常的に見ている歩きたばこについては、まったく悪気のないそぶりで喫煙してますね。
    仮に、自分自身で禁煙区域などでタバコを吸う人間を注意するとしても、注意する仕方にもマニュアルなどはありません。千差万別ってぐらい人により違います。
    それでも、一応は、こうやって穏やかに促すようにいったら、などといつも胸にあります。
    例えば、禁煙の場所で喫煙している人がいた。
    注意をしなければ、ながらく受動喫煙になるだろう。
    そうなると、そちらまで行き、
    「ここでタバコを吸いたい気持ちはわかります。
    でもね、たくさんの問題もあり、禁煙となっているのでやめていただけませんか?」
    などと言ったり。
    たしかに、初めのころは、感情が高ぶるあまりにいらいらしていました。
    しかし、そのままの自分を出してしまうと全く相手には通用しないと思うようになりました。
    感情が先にいってしまうと、失敗で終わることがあります。
    なににしても、感情を出しすぎると、成功するところが失敗で終ります。
    だからこそ、怒りたい感情をうまくコントロールを意識的にやる。これが大切です。
    しかし、それでも、一筋縄にはいきません。
    人により、“誰からもなにもいわれたくない”主義、も存在するからです。それは、接客業を多くやってきた経験から学びました。
    攻撃的な人には、同じようなキーの高さで謝るのが良いなどと最近知りましたが、それも全員には通用しないこともあると思いました。
    いずれにせよ、自分に危険を冒してまではいうことではないと思いますが……。

  5. ユカタン より:

    本当に難しい問題ですね。
    私の地区なんかも、しょっちゅう消防車がきていますよ。
    被害額の方が大きいとわかれば、あとはどのようにしたらよいかわかりそうですが、これもなかなかね~。
    タバコを吸うという行為が、あまりにも野放し期間が長すぎたために、そうではありませんよと表すような塗り替えは、倍の労力です。
    すごく考えさせられることです。それだけ、路上ぜんたいが、ひどいことになっているのですから。停まれる場所さえあれば車がとまり、車内タバコもあります。
    これらを取り締まるような人を派遣するか、希望する人たちが週に何日などと決めて呼びかけるような、そんな何かがあればかわってくるかもわかりません。
    今のままではまずいでしょう。
    これは、いろいろな方々の考えが必要ですよね。

  6. 改善10 より:

    受動喫煙による健康被害や
    (※1 日本で年間 約1万5千人が死亡)
    タバコが原因の火災を
    (※2 平成29・30年でワースト1位)
    無くさないと
    タバコ税の税収がいくらあっても
    経済的な損失の方が多いので
    法整備をするなら段階を踏みつつ
    徹底的に規制や厳罰の強化を行い
    企業での禁煙サポートや
    学校での禁煙教育に
    力を入れ行くべきです。

    ※1 厚生労働省のデータを参照
    ※2 消防庁のデータを参照

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