飲食店が喫煙営業できる“抜け道” 改正法は“ザル法”

 改正健康増進法が全面施行となった’20年4月1日、当欄ではこの法の“抜け目”、喫煙営業可能の方法についての『朝日』記事と、私からの解説を掲載しましたが、
 →「法の抜け目をつく行為」で喫煙店が多く残りそうです

 おなじみフリーの石田記者による、改正法の“笊(ざる)法”の面を指摘した、わかりやすい論説が出ましたので紹介します。例によって囲み内は抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。

 改正健康増進法「ザル」の目~喫煙目的室とは何か
  =石田雅彦 ライター、編集者 4/3(金) 15:06 =

“全面施行された改正健康増進法では、飲食店の対応が注目を集めている。その中で「抜け穴」とされているのが、バーやスナック、喫茶店を喫煙目的室や喫煙目的店に変えるというもの。こうした動きの背後にはJT(日本たばこ産業)の関与が見え隠れする”

“改正健康増進法を読むと「喫煙を主たる目的とするバー、スナック等」(13ページ)という項目があり、その内容は以下の通りだ。

喫煙を主たる目的とするバー、スナック等

たばこの対面販売(出張販売を含む。)をしており、施設の屋内の場所において喫煙をする場所を提供することを主たる目的とし、併せて設備を設けて客に飲食をさせる営業(「通常主食と認められる食事」を主として提供するものを除く。)を行うものであること。

1. 「対面販売」とは、たばこ事業法……製造たばこ小売販売業の許可を得た者が営業を行う場所又は……出張販売の許可を受けた場所において……たばこを販売することをいい、自動販売機のみによるたばこの販売はこれに該当しない……。

2. 「主食」とは、社会通念上主食と認められる食事をいい、米飯類、パン類(菓子パン類を除く。)、麺類、ピザパイ、お好み焼き等が主に該当するものであるが、主食の対象は各地域や文化により異なるものであることから、実情に応じて判断するものであること。

つまり、タバコの対面販売をし、タバコを吸うことが目的の場所を提供し、主食を出さずに飲食させる営業をする飲食店は面積の縛りを受けず、店内で喫煙できるということになる”

“……飲食店の経営者が、JT支社へ電話し、喫煙を主たる目的とするバー、スナックへ業態を変えたいと相談すると、たばこ小売販売業許可……免許を持った民間業者を紹介してくれる場合がある。

そして、相談した飲食店にその業者が出張販売の免許を貸出せば、業態を変え、喫煙を主たる目的とするバー、スナックにすることができるという。その際、コンサル料や出張費を取る業者もいるようだが、JTも業者も気軽に相談に乗ってくれるらしい”

“厚生労働省に確認すると、条件さえ満たせば100平方メートル以上の飲食店でも喫煙を主たる目的とするバー、スナックとして規制を受けずに店内でタバコを吸えると回答した。また、店内で提供する主食も一般的な調理を伴わない、冷凍食品を電子レンジで加熱するような場合は主食ではないという”

 その他の報道も。こちらは喫煙店側の内容に読めます。題と末尾は問題の指摘になっていますが。

 屋内原則禁煙も“抜け道”が横行 専門家が警鐘「最終的には得策にならない」
  =『Abema TIMES』2020.04.08 07:20= ※元の記事が非公開となったため、別の引用サイトのリンクに差し替えました。

“飲食店でのタバコは禁止となる一方、シガー・バーのように「喫煙目的施設」として認められた場合はタバコを吸うことができる。そのため、店先には「喫煙目的店(Smoking area)」と記されたステッカーを貼る店が増えている”

“「うちは4月から問題なく吸えます。タバコを販売している喫煙所として登録している。……どこもやっていると思う」”

“産業医科大学の大和浩教授……「最終的には得策にならない。いまは国民の8割がタバコを吸わない人。大半の店が喫煙目的施設として鞍替えしたところで、禁煙の小さなお店が逆に流行ると思っている」と指摘した”

  
ドトールコーヒー石川町店(横浜市・元町商店街) ’20年4月4日

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