初の禁煙タクシーを走らせ全国に普及させた男の“遺言” ~ 安井幸一・元運転手
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タクシーは自然に禁煙化していった、と思っていませんか?
飲食店などまだまだ喫煙場所が残る中、タクシーがいち早く禁煙化したのは、
実は、長い闘いの末、公式には日本で初めて禁煙タクシーを走らせたこの方のおかげなのです。
われらがヒーローといえる、安井幸一さんのひさびさのマスコミ登場です。
禁煙タクシー第1号の安井さん、喫煙歴ないのに喉頭がん再発 余命1年の訴え「空車時も規制を」
=『東京新聞TOKYO WEB』2020年9月3日 13時55分=
以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。
“32年前、国内最初の「禁煙タクシー」を走らせた元運転手の安井幸一さん(87)=東京都杉並区=が、本紙に「8月に喉頭がんの治療医から余命1年との宣告を受けた」と手紙を寄せた”
“「このままでは、体がもたない」。熱心な弁護士の協力を得て、運輸省(当時)と何度もかけあった末、1988年2月、車内での喫煙を拒否できる「禁煙タクシー」の認可を全国で初めて得た”
“毒づく客もいたが、多くは「禁煙車で良かった」と好評だった”
“安井さんには、まだ納得できないことがある。国土交通省の旅客自動車運送事業運輸規則に「空車の運転手は、車内で喫煙できる」と解釈できる文面が残っており、改正健康増進法と整合性が取れないと指摘。「受動喫煙で命を削ってきた者として、監督官庁が運輸規則をあいまいな状態にしておくことに我慢がならない」と憤る”
“「生きているうちに、道路運送法の一文に『タクシー車内は禁煙』との文言を加えるように行動していく」。同省自動車局旅客課の担当者は本紙の取材に、空車時も車内は禁煙となるように「運輸規則の一部削除を検討している」としている”
タクシーの禁煙化と、現状の不完全さについて、以前の当サイト記事にも説明していますので、以下もお読みください。
芸能人がタクシー受動喫煙に苦言、ニュースに / タバコ臭いタクシーはなぜなくならないか? ’19年1月
写真は渡辺文学理事ご提供、(安井さんのタクシーではありませんが)やたらと禁煙表示のタクシー(2007年撮影、場所不明)
なお、上記『東京新聞』記事は、状況を知っている者にとっては、やや不十分な記述に思えます。“多くは好評だった”とのことは、たしかでしょうが、その「毒づく客」からの苦労は、相当経験しているのです。
禁煙化の前などはひどく、客に土下座させられることもあったとのこと、その一部は以下の過去記事をお読みください。
また、引退(正しくは2016年なので6年前でなく4年前)の理由は、高齢もありますが、国交省や業界が動かないことへの、抗議の意味が中心だったのです。
引退時に記者会見を行い、私たちも参加しましたが、「まだ体力・気力には自信があり、2020年までは続ける意思でいたが」「全く動こうとしない行政や業界等への抗議の意も込めて」とおっしゃっていました。
その会見の様子、安井さんの主張は『STOP受動喫煙 新聞』第14号–2016年4月に詳細を報じています。
2016年2月の会見の様子(『STOP受動喫煙 新聞』14号掲載)
安井さんの過去の報道。※他にもあると思います。見つけられた方はご一報ください。追記します。
受動喫煙で喉頭がん・狭心症に 「禁煙タクシー第1号」の運転手、東京タクシーセンター提訴
=『MyNewsJapan』01:44 07/07 2007=
「JTは受動喫煙リスクの告知義務怠った」禁煙タクシー第1号、喉頭癌の運転手がJT提訴
=『MyNewsJapan』(同上)00:39 02/29 2008=
以下は、2016年の安井さんの投書と、それを応援した私の投書です。(クリックで拡大します。『STOP受動喫煙 新聞』第14号–2016年4月にも許可を得て掲載)