列車の座席での喫煙はもはや時代遅れ
鉄道の禁煙化については当サイトでもあげてきましたが、(→末尾に以前のニュースのリンク)
「鉄道趣味ライター」による、エッセイのような今昔を振り返る一文がありました。
新幹線に近鉄…座席で喫煙できる列車が消える
=『東洋経済ONLINE』2020/01/23 5:05=
以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。
“「すいません、ちょっとたばこを吸ってもいいですか?」
見知らぬ人から「気遣い」とも言える言葉を聞かなくなったのはいつだろう?
筆者はたばこを吸わないので気づかなかったが、最近、喫煙可能な公共の場所がずいぶん少なくなった”“近鉄では、2020年2月1日から特急列車の座席はすべて禁煙となり……座席に座って一服することができなくなる。といっても……列車の中に喫煙室があるので、そこに行って吸えばいいわけだ”
“近鉄の場合では、喫煙室ですら……地下区間……地下駅……上本町・京都・大阪阿部野橋の停車中にはたばこを吸うことができなくなる。愛煙家から見れば何のための喫煙室か?と考えたくなるが、これは健康増進法という法律の改正が根拠になっている”
“昔はたばこが吸えるほうが当たり前で……国鉄・JRでは1976年8月から東海道・山陽新幹線の「こだま」で禁煙車が導入されて、1980年に「ひかり」にも拡大、その後は在来線の列車にも拡大していった。
ちなみに、喫煙室は大正時代に作られた寝台車や食堂車で見られるので、歴史はもっと長い。
分煙になったことで、喫煙できる車両に愛煙家が集まったのだが、たばこの煙は愛煙家ですら敬遠したがるというくらいで、喫煙車両だけたばこの煙で車内が曇っていた”
“喫煙車両では内装が薄茶色となっていたことが多く、これがデザインかと思いきや、実はヤニ汚れだったという笑えない話もある。
ヤニ汚れは清掃すれば消えるが、元がたばこの煙である以上、細部まで染み込んでしまうのが実情で、列車を全面禁煙にしたにもかかわらず、車内に染みついたヤニの臭いが苦情の種となる。ある鉄道会社では、内装をいったん剥がしてまで徹底した清掃を行ったが、完全にヤニ汚れが取り切れなかったようで、かすかな臭いで苦情になってしまったという”
“たばこを吸わない筆者のような人間でも……アルバイト先で先輩のたばこを買いに行ったり……灰皿を掃除したりすることが自然だった……だが、同じアルバイト先の後輩は、「たばこが嫌いでたまらず、灰皿の掃除など考えられない」と話していた”
[鉄道関連ニュース]
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