酒とタバコ?
よくいわれてきた、“タバコも酒も”という表現、両者を同列視、同レベルのものとして見ての論は、受動喫煙も能動喫煙も、飲酒よりはるかに有害と判った現代では、もはや古い暴論でありますが、
まだ残るそんな視点について、言及したサイトがありました。
知足安分
=『日本老友新聞』2020年10月22日=
以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。
“タバコにはリラックスさせるような成分はなく、体に良いとされる成分は何一つ入っていません。考えてみれば、病院に「禁煙外来」という診療科があるということからも、喫煙が体によくないと言っているようなものです”
“自己責任で嗜むのであれば問題ありませんが、両者の決定的な違いは、タバコの害は周りにいる人たちをも巻き込むことです。タバコを吸わない人が煙を吸わされてしまう「受動喫煙」が問題なのです”
“ニコチン、タール、一酸化炭素ですが、主流煙中のこれらの量を1とした場合、副流煙にはそれぞれ2.8倍、3.4倍、4.7倍入っている……10年前は、世界で喫煙による年間死亡者数が540万人、受動喫煙による年間死亡者数が60万人だったというデータが……これはもう過失致死の枠を大きく超えています”
“小生も、昔、タバコを吸っていたことがありますが……飛行機の中でゆっくり寝ようと思っていた時、隣の男性がタバコを吸っていて、煙くて眠れませんでした。そのとき、「あぁ、小生も周りの人たちにこんな嫌な思いをさせていたのか」ということに気づかされ、それ以来1本も吸うことはなくなりました”
受動喫煙を飲酒に例えるなら、一気飲み強要などの「アルハラ」に該当します。しかし酒を飲まされて死ぬ人は、日本で年間1万5千人もいるはずはないでしょう。→「受動喫煙死15000人」の根拠 ’18年5月
受動喫煙を置いておいて、依存症の問題にしてみても、飲酒人口の中の依存症の割合と、喫煙人口の中のそれとは、比較にはなりません。
“タバコや酒(さらにコーヒー)”という同列表現は、今の時代、死語にすべきなのです。
画像は禁煙のバー・居酒屋の店頭表示。(既出。クリックで前回掲載記事が開きます)