吸いガラ犯を捕まえてみたら…?

 題は新幹線の禁煙化のことを書いていますが、内容はまるで違って、喫煙者が卒煙して15年たって、受動喫煙の被害を意識するようになったこと、そして自宅への吸いガラ不法投棄犯を追い詰めたお話です。(別に新幹線の禁煙化が物議をかもしてなんかいませんし。おかしな題です。)

 【社会のタバコ問題】元愛煙家VS「ポイ捨て犯」の仁義なきバトル。新幹線全席禁煙が物議を醸す「庶民的理由」
  =『FORZA STYLE』2023.10.20=

 以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。

“危機管理コンサルタント……「……タバコは吸う人だけの問題ではありません……肺がん、虚血性心疾患、脳卒中、乳幼児突然死の4疾患受動喫煙との関連が確実と判定されています。タバコは吸う煙だけでなく、漂う煙、さらには喫煙者が吐き出す煙にも有害物質が含まれているのです」”

“タバコの及ぼす健康影響は深刻だ。今回はそんなタバコをめぐってあるトラブルに見舞われた男性に話を聞くことができた。
橋爪康二さん(仮名・50歳)は、15年ほど前にタバコをやめた……きっかけは、子どもができたこと……「奥さんは僕よりもヘビースモーカーで、1日2箱とか余裕で吸っていました。それが妊娠と同時にというか、タバコが吸えなくなって妊娠に気がついたんです。それ以来、パタリとやめてしまいました。それを見て自分も禁煙しなきゃ!と思ったんです。禁煙にはかなり時間を要しましたけど、15年前からは1本も吸っていません」”

“禁煙して15年もするとタバコを吸いながら移動をしたり、食事をしたりすることが異常なことのように思えるという。
なんであんなことができていたんだろうって。今では喫煙所はできるだけ、避けて通りますし、タバコ臭い人と隣り合わせになったりすると席を移動するほどです」”

“そんな康二さんが最近、困り果てているというのが、家の前に捨てられるタバコの吸い殻……
「自治体で路上喫煙が禁じられているはずなんですが、どういうわけか家の前の側道にタバコの吸い殻が捨ててあるんですよ。この半年ぐらいかな。週に3〜4回。注意深く見るといつも同じ銘柄。ひどい時は、まだ火がついた状態で捨ててあることもあるんです」”

“毎朝、6時に家の周りを掃き掃除するのが日課だ。その際にいつもそのタバコをみて嫌気がさすと……
「自分もタバコを吸っていた身……気の毒だなとも思うこともあります。でもこの捨てタバコのようにマナーがなっていない人を見るたび、タバコなんてなくなってしまえ!と思ってしまうのも事実です」”

“日々、捨てられるタバコの吸い殻との格闘。監視カメラの設置を考えていたとき……吸い殻が側道ではなく、自宅敷地内に捨てられていたという。
「我が家は一軒家で門の前に2段くらいの小さな階段があります。そこにタバコが投げ捨てられていたんです。これを見て、もう我慢はできない!と思いました。犯人を突き止めてやろうとそのとき、決めました」”

 電車とかで隣の人がタバコ臭いと感じて、席を替わるとは、もともと吸わない受動喫煙被害者たちより敏感で嫌がるようになったのですね。(受動喫煙被害者という人でも、三次喫煙には鈍感だったり、ニオイを多少感じても席は替わらず我慢してしまう人も多いのです)

 続きは以下。

 【後編】ポイ捨ての犯人は寂しい老人!それでもやめられないタバコの怖い中毒性
  =同上=

“「家の前の側道に捨てられるだけでもこんなにストレスなのに、家の敷地内にタバコの吸い殻を捨てられたんですよ!?もう黙ってはいられないと犯人を突き止めることにしたんです」。
翌日から、康二さんは1時間早く起きて、駐車場の奥の小窓から、家の前を監視した”

“2日目……「このときはまだ、犯人を見つけた後のことを考えていませんでした。問い詰めるのか、追い払うのか…。ぼんやりそんなことを考えているとついに現れたんです」。
康二さんはすっかり相手が若者だと思っていたという。しかし、現れたのは年配の男性だった。
「……着ているのはどう見ても寝巻き。とすると近所の人だなと直感しました……その人が誰かはわからなかったんです。だからその日は遠くから写メだけ撮って、追い払うことはしませんでした」”

“写メを見せると妻は、すぐに犯人の目星をつけた……
「ご近所さんの気がすると。確かに言われてみたら、見たことがあるような……昨年、奥さんを亡くして、娘さんと2人暮らしをしている人だということでした」。
康二さんは迷ったという。
「自分より年配の方ですし、愛妻を亡しておられると聞くとちょっと怯みました。それに事を大きくして、ご近所付き合いにヒビが入るのも本望ではありません。ただ、タバコの吸い殻に関しては許せませんし、わざわざ、我が家の前まで来て吸う意味も捨てる意味もわかりません」”

“翌日、朝、犯人が来る前に家の前を掃除しようと考えた。
「……人がいたらタバコの吸い殻を捨てないでしょう?6時に掃除するときにはすでに捨ててあるので、5時くらいから出たり入ったりしてみようと……すると思いのほか早く、犯人が登場したんです」。
犯人は康二さんの家とは逆方向に歩き出したという。
「あれ?と思いました。その日は、もう捨てないのかなと思って家に入ってしまったんですが、6時に出るとそこには吸い殻が。どういうことか分からず、翌日から数日観察をしてみることにしたんです」。
犯人は決まって5時15分に家を出て、5時半過ぎに康二さんの家の前を通過していた”

“翌日から、犯人が家の前に差し掛かる少し前に掃除を始めることに……5時半を過ぎた頃、角を回って犯人が現れた……
「犯人は明らかに驚いていました。私がいるなんて思ってもみなかったんでしょう。手にはかなり短くなったタバコを持っていました。じっと私がみると決まりの悪そうな表情をしていましたが、持っていられなくなったのかタバコをぽいっと地面に捨て、足で踏み潰したんです。僕の家とは反対側の側道でしたが、ここは路上喫煙禁止区域です。僕は意を決して、犯人に言いました」。
ータバコを捨てないでもらってもいいですか?
「そうしたら、犯人はいきなり怖い表情になり、ここはお前の道路なのか?とドスの聞いた声で詰め寄ってきました。正直、ちょっと怯みましたが、後に引けないので、毎日ここに捨てられて困っていると言ってやったんです」
犯人は「私のだという証拠がどこにあるんだ!」と吐き捨てて、吸い殻をそのままにして帰ろうとした。康二さんは持っていたちりとりと箒でタバコを拾い上げるとそれを持って、犯人を追いかけた……
「家の前まで行って、自分で捨ててくださいと言いました。正直、めちゃくちゃ手に汗かいてましたね」”

“するとその声に気がついたのか、家の中から人が出てきた……
「娘と思われる人が出てきて、状況を察して、すぐにタバコの吸い殻をちりとりから取り上げ、すみませんと頭を下げたんです。憮然とした態度の犯人とは正反対で、すごく低姿勢な人でしたね」……
「家の前にタバコの吸い殻を捨てられて非常に困っていると話しました。娘さんは、すいません、すいませんと謝るばかり」……
「娘はすいませんと謝るばかりだし、犯人は私の話なんて聞かずに部屋に入ってしまうし、今後はやめていただきたいと伝えましたが伝わったかどうか」”

“すると夕方、娘が菓子折りを持って家を訪れた……
「強引に禁煙させたことが原因だと娘さんは話したそうです。家でタバコを吸うたび、厳しく注意したり、タバコを取り上げるなどしたことから、隠れて外で吸うようになったとのことでした。今後は外で吸わないようにさせますと言われて、妻もお願いしますとしか言えなかったそうです」。
その日以来、康二さんの家の前に犯人のタバコの吸い殻が捨てられることはなくなった”

“無理矢理取り上げるのではなく、話し合いでやめることができれば1番だが、そうもいかないのがタバコの中毒性。タバコは百害あって一利なしとはよく言ったもんだ”

 この人のように「ご近所付き合いにヒビ」を気にする人、それで我慢してしまう受動喫煙の被害者はよくいます。しかし受動喫煙は問題、この例なら不法投棄という犯罪なのですから、意を決して注意したのは正解です。えらそうに言ってきたときに「警察に通報しますよ」と言ったり、本人には注意せずに警察に写真を見せたりすることもできたはずですが、この人はやさしかったのですね。

 

 
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 ベランダにどこからか吸い殻が…!管理側が動かないので自身で犯人を突き止める ’22年11月

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