加熱式タバコでも“化学物質過敏症”になります

 当機構への相談や訴えの方には、受動喫煙に遭い続けた結果、さまざまな症状が出る「受動喫煙症」になり、さらには柔軟剤・香料・有機溶剤・殺虫剤などの人工合成化学物質で症状が出る“化学物質症”(末尾注)も併発した、という人も多く、さいきん増えています。

 また逆に、化学物質症が発症するようになってしまってから、前はさほど気にしなかった受動喫煙やサードハンドスモーク(三次喫煙)でも苦しく、症状が出るようになった、という声もあります。職場や家で塗装や工事があってからそうなった、という人もいました。

 当欄では何度もあげていますが、加熱式タバコももちろんタバコなので、同じような有害成分があり、受動喫煙症・化学物質症・アレルギー等は発症します。

 これについて、おなじみ石田記者がまとめました。

 「加熱式タバコ」が原因か~悩む「化学物質過敏症」患者らに話を聞いた
  = 石田雅彦 ライター、編集者 2019年5/4(土) 9:07=

 以下抜粋です。「……」は文省略・太字化とリンクは引用者によります。

“我々の周囲は多種多様な化学物質にあふれている。住環境から出るホルムアルデヒド、化粧品や洗顔洗髪剤、タバコ煙といった化学物質による化学物質過敏症に悩む人は、潜在的な患者を含めれば少なくとも70~100万人存在すると推定されている”

“加熱式タバコの煙、喫煙者の呼出煙などを吸ったことがあると回答した人のうち、37%にいずれかの症状が認められた……調査対象者は化学物質過敏症の患者とは限らない”

“受動喫煙については改正健康増進法で規制がなされるようになってきたが、街中には依然としてタバコ煙が立ち昇り通行者がタバコ煙にさらされる喫煙所もある。特に、最近になって多く見かけるようになってきた加熱式タバコ(アイコス、グロー=glo、プルーム・テック=Ploom TECH、パルズ=PULZE)は煙が目立たず(全く出ていないわけではない)ステルス性が高いため、紙巻きタバコのタバコ煙なら遠目に察知して避けることができる化学物質過敏症の患者も、いきなり呼出煙を浴びせかけられて症状が出てしまう

 さらに被害者の、具体的な証言が。

“Yさん「私の場合、紙巻きタバコより加熱式タバコのほうが、何倍も症状が悪くなります。また、加熱式タバコは種類によって出る症状が違います。アイコスは口の中がピリピリ刺激され、舌の感覚がなくなり、呼吸が苦しくなる感じです。プルーム・テックでは気分が悪くなり、息苦しくなります。グローも気分が悪くなります。私は専門家でも研究者でもありませんが、加熱式タバコは紙巻きタバコに比べて特に呼気に有害物質が長く残っているのではないかとも考えています。なぜなら、加熱式タバコを吸ってから2時間経った後の喫煙者と会話していても同じ症状が出るからで、紙巻きタバコの喫煙者との会話ではこのようなことはないからです。また、加熱式タバコの喫煙者が呼出する有害物質は、紙巻きタバコよりも遠くへ拡散しているように感じます。直線的にスピードを上げて飛んでくるような感じがするんです」 ”

“都内在住のMさん(60代、男性)は医師でもあり、バイオ系の研究者でもあるが、自宅へ侵入してくる近隣喫煙者のタバコ煙に悩まされている。深夜を過ぎたあたりから帰宅した近隣住人がタバコを吸い、息苦しさ、耳鳴り、頭痛、めまい、悪夢などにより極度の体調不良と睡眠障害を毎晩のように引き起こすという。Mさんは自身の症状からニコチンへ反応する症状なのではないかと推測している”

“筆者は都内で毎月1回開かれるタバコ問題の会合へ出席しているが、そこへは近隣のベランダ喫煙などの受動喫煙に悩む相談者が毎回平均2~3人は新規に参加する。加熱式タバコによる被害を訴える人も増えてきており、加熱式タバコの喫煙者の増加とリンクしているようだ”

 このMさんというかたは、私も参加する「無煙社会をめざす会」定例会=上記文中「毎月1回開かれるタバコ問題の会合」=に何度か参加されている方とおもえますが、会では深刻に訴えていました。

 つづいて後半、“香害”、化学物質症との関連も見てみましょう。

“いわゆる「香害」に苦しむ患者救済に取り組んでいる日本消費者連盟によれば、加熱式タバコを吸う友人宅で化学物質過敏症を発症した例などがあるという”

“日本の加熱式タバコ市場へ最近参入した……3社に加熱式タバコの健康被害、特に化学物質過敏症の患者について質問したところ、フィリップ・モリス・ジャパンと日本たばこ産業から回答を得た……

フィリップ・モリス・ジャパンは……「IQOSは、たばこを燃やさず加熱するので、紙巻たばこに比べて明らかにたばこのニオイが少なくなっています。また、使っていないときに煙は出ませんし、吐き出されたたばこベイパーもすぐに消えるため、紙巻たばこの副流煙(使っていないときに出る煙)に比べて周りの人に不快な思いをさせにくくなっています。……測定可能な限り、ニコチンとたばこ特異的ニトロソアミン(発がん性物質として知られる)の周りの方への悪影響は認められませんでした……」

日本たばこ産業……「化学物質過敏症は『特定の化学物質に接触し続けていると、のちに僅かなその物質に接触するだけで、体調異常となる状態』といわれています。しかしながら、同じ環境にいても発症する人としない人がいるなど、その症状や発症については未解明な部分が多いとされております。発症に関与する要因として、化学薬品、有機溶剤、貴金属、排気ガス、医薬品、たばこの煙などの様々なものが挙げられておりますが、これらの要因がどのようにこの疾病に関係しているかについては、未だ明らかにされておりません。そのため、今後、より一層の研究が必要であると考えています」”

横浜西口の電子タバコ店 ’19年3月


 なお、本文にあるカレー店については、以前に当サイトニュースであげています。
 → タバコ臭い人(非喫煙者でも)を不可としたカレー店がとうとう……
 
 
 注「化学物質症」について:このサイトで何度か書いていますが、私(『STOP受動喫煙 新聞』編集局・内藤)は、「過敏症」という、過剰反応している、発症者に問題があるかのような表現はなるべく使わないことにしています。症名が変更されることを望んでいます。
 関連記事 → NHKの問題=“香害”(柔軟剤)と「受動喫煙」の助長=に対し、『週刊金曜日』に投書が掲載されました

加熱式タバコでも“化学物質過敏症”になります” に対して1件のコメントがあります。

  1. パンダ より:

    被害者の皆さんの症状などが聞けて勉強になります。
    加熱式タバコで被害者が増加しているというのは、困りものですね。
    受動喫煙防止法が出来たのに患者が増えるのでは、もっと規制強化していく方が良いですね。
    ニコチンとニトロソアミンの影響だけ調べられても、他の有害物質に症状が出る人もいるのでは?
    また、「特定の化学物質に接触し続けていると、のちに僅かなその物質に接触するだけで、体調異常となる状態」なら、製造禁止にすれば良いのではないでしょうか。
    食品を買いに行っても、柔軟剤の臭いなど吸いこみたくなくても吸いこんでしまいます。
    何百、何千種類とある商品の有害物質を、「毎日吸い込んだり使用しても被害が出ないものを製造するのが責任」だと思います。
    避けられない環境しか無い状況で病気になって苦しんでいる人が増え続けているのに、見直さない考え方の方が間違っているのではないでしょうか。
    会社の方針から見直す必要があると思いますよ。

    アイコスを吸っている社員がいたので、アイコスに含まれる有害物質と、紙巻きタバコに含まれる同じ有害物質に反応しているかも知れません。
    口の中のピリピリした症状が出た状態では、マヒしているので他の喫煙者が傍にいても気がつきません。
    逃げ遅れてしまうのです。
    逃げると言う対処法が出来ない場合、これをどう解決したら良いのでしょう。
    今病気になっていない人も含め、気付かない人が増えれば増えるほど被害者がどんどん増加します。
    タバコに含まれる全ての物質を公開し、全ての有害物質の禁止をして頂きたいです。
    または、タバコの製造、販売中止をすれば、簡単に解決すると思いますよ。

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