受動喫煙は“「対立」でなく「共感」へ”…!? 講演報告記事

 以前に紹介した講演イベント、講演のお知らせ=「たばこ新時代にどう対処するか」の、報告記事がありました。

 職場の受動喫煙対策は「対立」から「共感」へ
改正健康増進法全面施行まで8か月 シンポジウム「令和の「新」たばこ対策 ~タバコ新時代にどう対応するか~」レポート

  =『BUSINESS LAWYERS』2019年08月21日 10:00=

 以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。

“来年4月の改正健康増進法や東京都受動喫煙防止条例の全面施行を見据えて、社内禁煙化を検討する企業が増えているようだ”

1 改正健康増進法は世界標準へ近づく大きな一歩
  (片野田耕太氏/国立がん研究センター)

“国の改正健康増進法では、資本金5000万円以下かつ客席面積100平方メートル以下の小規模な既存飲食店について、店内が喫煙可能な場所であることを店頭に掲示することで喫煙可という経過措置が設けられている。しかし、東京都受動喫煙防止条例では、従業員を1人でも雇っていれば原則屋内禁煙となる”

大幅な例外が認められた改正健康増進法だが、東京都のほか千葉市大阪府などで国の基準よりも厳しい上乗せ条例の制定が続いていることを念頭に、片野田氏は「世界標準へ近づく大きな一歩」と一定の評価を与えた”

“また、片野田氏は、改正職業安定法が全面施行される2020年4月以降、従業員の募集時に職場内で講じている受動喫煙対策の明示が、企業に義務付けられることが追い風となるとみている”

2 加熱式タバコの登場でタバコ対策は難しくさせられた
  (田淵貴大氏/大阪国際がんセンター副部長)

“「加熱式タバコの登場によって、すべてのタバコ対策は難しくさせられた」……「加熱式タバコは急速に普及しているため、『まだリスクはわからない』ではすまされない。今あるデータをもとに対策を進める必要がある」”

“「紙巻きタバコから加熱式タバコに切り替えた喫煙者は、自分への害、他人への害に配慮した結果、加熱式タバコを使用している」として……「その気持ちを踏みにじるような言動を避け、禁煙を支援する姿勢を持つことが大切」”

3 受動喫煙対策は「対立・糾弾」から「共存・理解」の戦略へ
  (岩永直子氏/BuzzFeed Japan Medical)

“国会議員によるがん患者への野次問題をスクープした……岩永直子氏は、一連の記事が「嫌煙派からの支持を集めた一方で、喫煙派との対立構造を強化してしまった可能性がある」と分析したうえで、「喫煙者は『加害者』として糾弾されることにうんざりしている」と言う”

 当サイトではおなじみ、活動同志の石田氏も報告しています。

 「アンチ喫煙者」時代の終焉~新タバコ対策シンポジウムから
  = 石田雅彦 | ライター、編集者 8/9(金) 8:00=

“ 田淵氏は、加熱式タバコを含む新型タバコの問題点について述べ、有害性の低減というタバコ会社のPRで紙巻きタバコから切り替える喫煙者が増えてきている現状を説明……しかし、これらのタバコ製品からは、……人類がこれまで肺の深い部分まで吸い込んだことのない物質が大量に出ている危険性を強調……加熱式タバコについては紙巻きタバコと同じ規制をするべきだと主張”

“ 片野田氏は、受動喫煙の健康への害は日本人研究者の平山雄(旧・国立がんセンター)氏による疫学研究発表が嚆矢だったと述べ、その後、米国や日本で受動喫煙をめぐる訴訟が起きてきた歴史を解説”

“ 伊藤氏は、禁煙をしている美味しい飲食店情報をシェアするサイト「ケムラン(Quemlin)」を管理人として立ち上げ……全国から飲食店情報を集めるシステムを紹介”

“ 長谷川氏は、肺がん患者家族同僚に意外に喫煙者が多く、就労している肺がん患者の31%が職場で、6%が家庭で受動喫煙にさらされているという実情を紹介”

“岩永氏は……喫煙者はタバコ対策側を「上から目線」と感じていると紹介……加熱式タバコに切り替えた喫煙者は自分が「自分の健康のためにも周囲に迷惑をかけない点でもいいことをしていると思っているとし、タバコ会社の巧みな広告戦略タバコ対策をする側は惨敗し続けてきたと述べた。読者や視聴者の感情に訴えなければ行動変容にはつながらないのではないかと提案……喫煙者は実は加害者ではなく、社会経済的な背景によって生み出された被害者と理解を示すことが重要と指摘”

“ 加熱式タバコは、確かに有害物質は紙巻きタバコよりも低減されている。だが、たとえ有害物質が低減されても、健康への害が低減されるわけではない”

“良かれと思って加熱式タバコに切り替える……喫煙者の気持ちを尊重し、否定する必要はない……批難されるべきは、全く無害ではないタバコ製品をあたかも無害であるかのようにPRしているタバコ会社のほうだ”

“ タバコ会社はこれまでも嘘をつき、政治経済の力で影響力を発揮して事実をねじ曲げてきた”

“ 日本の場合は、タバコの製造販売政府が荷担しているため、問題を複雑にし、根本的な解決が困難な状況にしている。……これからは被害者である喫煙者を巻き込み、社会全体でタバコ会社と対峙し、厳しい姿勢で糾弾していく必要があるだろう”

 なお、同じテーマ・演者の講演は大阪でもあります。
 大阪でも受動喫煙の講演があります=’19年8月23日「シンポジウム たばこ新時代にどう対処するか」

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受動喫煙は“「対立」でなく「共感」へ”…!? 講演報告記事” に対して2件のコメントがあります。

  1. パンダ より:

    加熱式などでも症状が出ている人がいます。
    受動喫煙症の人に症状が出るという事は、まだ病気になっていない人も病気になると言う事です。
    そして、タバコ産業や喫煙者は病気になった人へはどのように思っているのでしょうか。
    病気になった人がどれだけ肩身の狭い生活をしていても、加熱式などに換えれば禁煙はしないというスタンスだと思います。
    それは病気になっていない人もいるのだから、「病気になった方が悪い。我慢しろ」と言っているように聞こえます。
    タバコ産業や喫煙者は病気になった人が「禁煙では不十分の中でどのような生活をしていけば良い」というのでしょうか。
    きっと「法で許されているのだから自分には関係ない。それなら廃止するように法を変えれば」と言うのでしょう。
    結局、法で廃止しなければ受動喫煙は無くならず、病気になる人も増加するという事です。

    既にタバコ産業や喫煙者とのイタチゴッコになっていると思います。
    タバコの有害性の結果が出ているのに中途半端なやり方で、時間や費用の単なる無駄遣いに過ぎません。

    「可能性がある」「リスクがあるか分からない」などハッキリしない状況で加熱式を使用する事が、紙巻きタバコのように病気になったり亡くなって気付くという事になるのです。
    私達、受動喫煙症患者は「これ以上病気になりたくない」のです。
    既にタバコの有害性が分かっている以上、タバコを禁止・廃止しこれ以上の被害者を出さないようにするべきだと思います。

    喫煙者は対立や糾弾でうんざりしているのなら禁煙して下さい。
    対立や糾弾が起こるのは、タバコを廃止にせず今でも被害者が出ている為です。
    喫煙に共存も理解もあり得ません。
    喫煙者は自己責任で片付けられないから「禁煙外来という救済措置がある」のです。
    これ以上被害者を出さず、受動喫煙症患者でも普通の生活が出来るようにして下さい。

    「共感し助けるべき相手は受動喫煙症患者の方です」

    1. パンダ より:

      イオンはトイレの近くに喫煙所があり、受動喫煙を受けるのでトイレに行けません。
      またフードコートに喫煙所があり、受動喫煙を受けるので食事も出来ません。
      イオンの飲食店店員が柔軟剤を使用していたので、化学物質過敏症になりました。

      イオンは24時間テレビのスポンサーですが、人の命をどのように思ってスポンサーをしているのでしょう?
      慈善事業ですか?
      広告として利用しているのですか?

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