『職場の受動喫煙対策』第5回(田淵医師、最終回)=「社内禁煙と加熱式タバコへの対応」は?
好評のネット記事、職場の受動喫煙シリーズ、第5回です。
今回も田淵医師へのインタビューの続きで、その最終回です。
第3回→“職場の受動喫煙は企業にとっても危機” 連載[第3回]~ 田淵貴大医師インタビュー
第4回→“職場の受動喫煙対策”第4回
【連載】改正健康増進法と職場の受動喫煙対策第5回 企業を悩ます「加熱式タバコ」 専門家が勧める対応のポイント
=『BUSINESS LAWYERS』2019年09月12日10:10=
以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。
“加熱式タバコにも、紙巻タバコと同じように何千種類もの化学物質や、多くの発癌性物質が含まれていると考えられます。加熱式タバコは発売されてから、まだ間もないため、現時点で網羅的な分析はなされていません。ただし、主要な発癌性物質や有害性物質に関する研究は出ています”
“私は加熱式タバコに切り替えても健康上のメリットはないと考えていますが、それでも、加熱式タバコにスイッチしたことを、まずは否定しないようにしてほしいと思います。紙巻タバコを吸っていた人の「配慮した」という気持を受け止めることを第一ステップとして、信頼関係を築いた後に加熱式タバコの害について理解してもらい、加熱式タバコもやめてもらうというようにサポートしてもらいたいですね”
“改正健康増進法のルールは非常に複雑です。加えて、各都道府県や市町村が独自に決めた受動喫煙防止条例のルールが上乗せされます。たとえば、東京都の条例では、従業員を雇用する飲食店は屋内全面禁煙にする必要があります。
加熱式タバコ専用喫煙室を設置する場合には、未成年者を立ち入らせないなどのすべてのルールを満たした運用方法を実行しなければ従業員から法律違反を指摘されたり、客からクレームを付けられたりすることとなるでしょう……トラブルにならないようにするための最も良い方法は、屋内を全面禁煙にすることだと言えます”
“イタリアやフランスは法律で喫煙室の基準を定めています。しかし、それはほぼ満たすことができないほど厳しい基準であるため、実際には喫煙室はほとんど設置されていません。
……「これくらいやらなければ人を守れない」という意思があるからです。でも、日本では「分煙でいい」という誤った認識がすでに広まっていて、そこが1つの攻防のラインになってしまいました。さらに、その攻防ラインのど真ん中に投入されたのが、加熱式タバコです”“僕自身のスタンスは実は「中間」なんです。なぜなら、タバコをゼロにできるとは思っていませんから。たとえ法律でタバコを禁止できたとしてもゼロにはなりません。ですから、人にまったく迷惑をかけず、危害を与えないようにタバコを吸うのであれば構わないと思っています。しかし、それはとても難しいことです。路上であったとしても、そのタバコの煙が漂って狭心症患者にたどり着き、発作を誘発してしまうこともあるのです。本当の意味で人に迷惑をかけず、危害を加えないようにすることはかなり困難です。”
なお田淵医師は、当機構発行『STOP受動喫煙 新聞』にも27号から著書に関連する記事の連載を続けてくださっています。
なるほど。
喫煙、禁煙、受動喫煙に関わる仕事をしていれば、タバコが無くなってしまうと仕事が無くなり困りますよね。
良く出来たやり方です。