ベランダ喫煙の健康被害に法的措置・損害賠償の請求は
「不動産協会」が、住宅の受動喫煙被害について見解を示しています。5年前のものですが今でも十分参考になります。
ベランダでの喫煙による上階住民への健康被害
=『公益社団法人 全日本不動産協会』(『月刊不動産』2014年12月号掲載)=
以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。
“Q
私はマンションの5階509号室に住んでいます。階下の4階409号室の住民がベランダでしばしばたばこを吸っており……体調を崩してしまいました……申し入れても、聞き入れてくれません。損害賠償請求をすることができるでしょうか”“1.回答
……申入れに応じず……体調を崩したということであれば、損害賠償請求をすることができます。
(2.略)
3.裁判例……自宅で喫煙するにしても、ほかの人の迷惑に対する十分な配慮が必要です。名古屋地裁平成24年12月13日では……損害賠償請求を肯定しました。
『自己の所有建物内であっても、いかなる行為も許されるというものではなく……第三者に著しい不利益を及ぼす場合には、制限が加えられることがあるのはやむを得ない……周辺で煙を吸い込む者の健康にも悪影響を及ぼす恐れのあること、一般にタバコの煙を嫌う者が多くいることは、いずれも公知の事実である。
したがって、マンションの専有部分及びこれに接続する専用使用部分における喫煙であっても……制限すべき場合があり得るのであって、他の居住者に著しい不利益を与えていることを知りながら、喫煙を継続し、防止する措置をとらない場合には、喫煙が不法行為を構成することがあり得る……マンションの使用規則がベランダでの喫煙を禁じていない場合であっても同様である”“本件マンションの立地は、日常的に窓を閉め切り空調設備を用いることが望まれるような環境ということはできず、したがって、Xが季節を問わず窓を開けていたことをもって、Xに落ち度があるということはできない”
“Yが、Xに対する配慮をすることなく、自室のベランダで喫煙を継続する行為は、Xに対する不法行為になるものということができる』”
“なお判決では、YがXよりも先に居住していた点についても、『XがYよりも後に本件マンションに居住したことをもって、Xが自らタバコの煙が上がってくるような場所を選んで居住したものということはできない』として、損害賠償請求を否定する理由とは認めませんでした。
“4.まとめ
宅地建物取引業は、人々の豊かな生活を支えるものです。生活環境を巡る問題には、十分にアンテナをはり、顧客の利益を損ねないように配慮しなければなりません。喫煙も、日々の業務の中で、配慮を欠かしてはならない問題です。”
以下のサイトやニュースもご参考まで。
住宅・タバコ問題解決.net(当サイト「リンク」ページやトップページのスライド画面にもあります)
住宅受動喫煙の全国調査~ 「タバコの臭いに不快感」「我慢している」「健康被害」…=『リビンマッチ』調べ / 受動喫煙への対策とは?
“受動喫煙が無いよう配慮”は法で義務づけられています / 「加熱式タバコ専用室」の問題
『STOP受動喫煙 新聞』住宅問題掲載の主な号
8号・11号・20号・27号・28号(’19年10月末発行予定)
他にもあります。右のカテゴリーや検索窓で引いてみてください。