8/7のコラム 職場での受動喫煙 その1 「受動喫煙のパターン」 のつづきです。

規則として、明確に、受動喫煙の防止に向けた対策が事業者に義務付けられているにもかかわらず、なぜ、今なお職場で受動喫煙が起きてしまうのでしょうか。

「規則を守らない事業者はけしからん!」と批判するのはたやすいですが、一刻も早く受動喫煙被害が撲滅されるよう、その背景を考え、具体的な手を打ちましょう。

背景その1 上司が喫煙者

事業者である経営者や役員が喫煙者である場合には、部下からは、職場の禁煙化への要求・提言をしにくいことが多いでしょう。
たとえ義務化されているとしても、面と向かって「義務を果たしてください」と言いにくい構造があります。

職場における上司は、業務上の指揮命令の権利を持っています。
そのことが、上司の趣味・嗜好までを、部下に強要する環境と構造になっています。

上司には、部下に趣味を押し付ける権利はない

そもそも職場において、上司には、業務上の指揮命令の権限がありますが、自分の趣味や嗜好を部下に押し付ける権利はありません。

部下に喫煙を強制することは出来ませんし、自分が職場で喫煙したいからといって、部下に受動喫煙を我慢させる権利は絶対にありません。
自分の趣味嗜好(悪趣味? 嗜癖?)を押し付けていることに、気がついてください。

特に、受動喫煙は健康被害につながります。職場が原因の健康被害が顕著となった場合、事業主は「安全管理義務違反」に問われることになります。

自分の喫煙が、部下の健康を損ねているという意識を持ち、一刻も早く職場での喫煙をやめるべきです。
加害者となっていることに気がついてください。

部下には、我慢する義務はない

また、部下においても、「上司の趣味嗜好に付き合う義務」はありません。

職場の仲間として、仲間の考えや、価値観を尊重することは、とても大切です。
ですが、不本意なのに、その趣味や趣向に付き合う必要はありません。

喫煙者の上司が、部下であるあなたに「あなたも喫煙すると良い」と、喫煙を勧めてきたり、求めてきたりしても、それに応じる必要は全くありません。(そのような強制や半強制は、「公序良俗」に反する行為です)
喫煙や受動喫煙には健康被害が伴います。嫌であれば、決して応じてはいけません。

背景その2 被害に気がついていない

「自分の事業所では、受動喫煙による被害は出ていない」と、勘違いしている、軽視しているケースも多いと思われます。

肺ガンや、その他の疾病を発症し、医師の診断がなされなければ、それは被害ではない……、とでも言いたいのでしょうか。何を被害だと考えるかが、根本的に間違っています。

タバコの煙を吸わされること自体が、被害です。

タバコ煙の有害性は、いまや疑う余地がありません。健康被害につながると明確にわかっているにもかかわらず、あなたが思うような病気の発症までは、被害と認めないという考えは、絶対に許されません。

医師の診断を受けることも出来ます

職場での受動喫煙防止と、職場の禁煙規則を考える際に、医師の診断は必須ではありませんが、医師の診断を受けることも可能です。

医師の診断書を用意しておくことは、
受動喫煙防止に向けた対策を打つ義務を軽視している事業者に対して、受動喫煙の被害の実態を正確に伝え、規則を定め直してもらうきっかけになるでしょう。

診断書について、詳しくは 「受動喫煙症」 知っていますか? をご覧ください。

日々の記録が大事です

職場で受動喫煙の被害にあっている場合には、医師の診断を受ける場合にも、そうでないに場合でも、
被害の状況を日々記録することがとても重要です。

職場の環境改善に向けて、事業者と対話する際には、

「どこで受動喫煙の被害に遭っているのか」「どの程度の頻度なのか」「どのように苦しんできたのか」
などを、明確に、そして具体的に説明することが、重要になります。

“考え方”ではない!「義務」だと再認識を!

職場における受動喫煙対策は、マナーではありません。義務です。

事業者の考えだけで、喫煙可能、受動喫煙が発生するような職場を作ることは、もはや許されません。