「マスクと受動喫煙撲滅」論説:公益社団法人 受動喫煙撲滅機構 田中 潤 理事長
マスクと受動喫煙撲滅
公益社団法人 受動喫煙撲滅機構
理事長 田中 潤
新型コロナウイルスの蔓延で日常生活に大きな変化が生じている昨今、感染予防にマスクの着用が絶対的要件となっていますが、マスクの着用は受動喫煙と重大な関係があります。マスクを着けるだけで、そうでない場合と比べ、息苦しい感じがします。特に、感染予防抗菌マスクは強烈です。
そして、装着時にタバコの煙を吸い込めば息苦しさは一気に強まります。しかも、タバコの煙はマスクを長く口元に滞留し、その後もマスクそのものに臭いと有害成分が付着し、長時間受動喫煙を続けることを余儀なくされます。やむを得ず使い捨てようにも、今のマスクの供給量ではとても賄いきれません。結果的に、平時と比べ受動喫煙の被害が一層増えることで身体の免疫力は弱まり、ウイルスに対する感染リスクも高めてしまうことになります。これは、重大な問題です。今まさに受動喫煙撲滅ということに声を上げなければならないのです。
また、ウイルスの感染リスクが高いと思われる喫煙所の一時閉鎖に踏み切ることも喫緊の課題です。狭く換気の悪い個室で、多くの人が寄り添って時間を過ごす環境は、集団感染が生じる基本要件と合致しています。喫煙者の感染リスクを低下させるためにも、この非常時には喫煙所の在り様を抜本的に見直す必要があります。喫煙の有無に係わらず、すべての人の感染防止のために、公益的視点での緊急の対応が必要です。
最後になりますが、喫煙は免疫力を弱め感染リスクを高めるということを強く受け止め、コロナウイルスが蔓延している今、喫煙者の方には自らと家族の生存のために、禁煙の実行を強くお願いいたします。
※本文に関連する、当サイト記事もご参照ください。
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