隣からのタバコ臭、工事・費用の負担も提案したが… / 解決例はあるか
住宅被害の悲痛な訴えの記事がありました。
当機構にも同様の相談は多く寄せられていますが、このように工事と費用の負担まで提案したという例は初めてです。
「隣人宅の排気口からタバコ臭。工事代を払うから位置を変えてと頼んだら…返事はまさかのNO」(埼玉県・50代女性)
=『Jタウンネット』2020年5月30日 17:00=
以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。
“ヘビースモーカーの隣人に10年以上悩んでいるという埼玉県在住の主婦Iさん(50代女性)から、編集部に一通のメールが届いた。隣人がくゆらすタバコの煙が、室外にある換気扇の排気口を通じて、Iさん宅まで漂ってくるらしいのだ”
“ちょうどうちの庭に吐き出している感じです。隣家とは3、4メートル離れていますが、窓を開けていると、その臭いが我が家の1、2階の庭に面した部屋に必ず入ってきます”
“干してある洗濯物はずっと臭いを浴びています。また掃除機をかける時に、こちらが換気のため窓を開けるのですが、タバコを吸われると、あっという間に室内がタバコ臭になります”
“本当にストレスがたまることです。人権侵害だと思います。なぜ他人の嗜好品で我が家がタバコ臭くなるのを我慢しなければいけないのでしょうか”
“自宅で隣家のタバコにさらされるのは、街での受動喫煙より辛いものがあります……コロナの自粛で家にいる時間が長くなり余計に辛いです”
解決へ、申し入れをしたが……。
“もう12年以上困っています。その間、何度も解決できないかと考えてきました。
まずはヘビースモーカーの本人に直接困っていることを伝えました。普通に話は聞いてくれましたが、変わりませんでした”“我慢の限界を感じて、住宅施工会社の方に相談しました。隣家の方に、換気扇の排気口を延長する方法を提案してくださるということになりました。了解してもらえれば代金はうちが負担します。
しかし、隣家の返事はNOでした…。”“いまだに毎日タバコの臭いと戦っています。……街での受動喫煙より辛いものがあります。
特にメンタルが辛いです。コロナの自粛で家にいる時間が長くなり余計に辛いです”
戸建て同士は、集合住宅のように間に立ってくれる管理会社がいないので、申し入れは個人対個人となり、厄介です。(集合集宅の管理会社も逃げるところが多いですが。しかしその場合は“責任放棄だ”として追及しましょう。)
当機構での一部解決例
なお、当機構の相談者・会員にも、戸建て同士、換気扇などからの被害者は多くいますが、“一部解決”した例もあります。
何回も口頭で苦情をしたあげく、機構に相談、入会(’19年11月)。当機構の「横浜 受動喫煙 学習・相談 定例会」と紹介した東京の例会やイベントにも積極的に参加し、情報と、応援してくれる活動者・同様の被害の仲間をえて、意志・姿勢を強めました。
そして、私が作成した申入れ見本を修正して書留で送付した結果(’20年4月8日)、少なくとも換気扇からの煙はゼロになったのです。
しかし、どこか屋外で吸うようになったらしく、臭ってくるので、再度の申入れを検討中ですが、被害の度合いとしては、半分以下にはなったようです。
この例を聞いてから、被害相談の入会者には、その書面の見本を送り、その過程を説明したりしています。
☆この事例、申し入れ書面は、『STOP受動喫煙 新聞』31号に掲載しています。
[当サイト関連既報]※他にも多くありますので、検索窓で引いてみてください。
住宅や職場などでの受動喫煙被害への対策はあるか? ’19年8月
住宅の受動喫煙、「法的な対策」を専門弁護士が解説しています ’19年9月
「受動喫煙にお困りなら」=日本禁煙学会が対策ページを公開=内容証明の見本も ’19年11月
ベランダ喫煙は「マンション使用細則モデル」で禁止されています ’20年1月
“ベランダ喫煙は許せない” アンケート調査 ’19年10月
☆『STOP受動喫煙 新聞』では、以下の号に何らかの住宅関連の記事があります。住宅被害の入会者にはバックナンバーも読むことを勧めています。
8号(勝訴例他)・10号(シンポジウム記録)・11号(解決例・禁煙住宅紹介)・18号(禁煙アパート建設手記)・19号(「被害者の会」創設)・20号(被害実例集)・27号(アンケート調査)・28号(解決の手記)・30号(ベランダ喫煙禁止の細則)・31号(’20年7月末発行予定・新禁煙アパート経営手記他)