喫煙所を増やして良いことはありません ~ 低レベルな『アエラ』報道の誤謬

 まだよい記事が多いと思っていた朝日新聞の『アエラ』が、なんか変なことを書いています。

 たばこ規制 「もっと喫煙所の整備を」飲食店から同情の声
  =『AERA』2021.3.30 08:02=

 とりあえず以下抜粋、「……」は文省略・太字化は引用者によります。

“14年から東京都内でワインバーを経営する40代のオーナー「開店当初は……喫煙可としていましたが、やはり『ニオイが気になる』との苦情が出てきました……」
低温加熱式たばこのみOKとしていた時期を経て、1年後には全面禁煙へと踏み切った。
全面禁煙後は、特に他のお客さまからの苦情はありません。『三次喫煙』についても同様です。問題なのは、飲食に影響を与えるほどのニオイで、喫煙者はそのニオイに気づきにくくなっていることでしょう」”

 と、この辺りはいいことを書いているのですが、これの続きが以下です。

“自身も20代のころに喫煙していたこともあり、規制の厳しさに同情することもあるという。
「現状ではたばこを吸える場所がほとんどないですからね。喫煙自体は国が認めていることですから、喫煙環境の整備はもっと進んでもいいと思います……」”

 そして最後、記事の結論といえる箇所はこうなっています。

“喫煙者の89.3%、非喫煙者の77.8%が「マナー違反による『望まない煙』を減らすには、ある程度喫煙所は有効」だと回答している。喫煙所数の増加は、喫煙者のマナー向上を後押しする効果も期待できるのではないだろうか”

 そのアンケート自体、実際の状況=喫煙所が減っても違反が増えないこと、漏れや喫煙所の外での違反があること、など=をわかっていない人への、誘導的な設問によるものです。

 当サイトでも何度も書いていますが、喫煙所を無くしたときに一時的にその周辺で違反が出ても、そんなことをする人間はごく一部の人格に問題がある者で、それもしばらくたてばほとんどいなくなります。 

喫煙所に効果なし=調査結果

 そして、このアエラ記事を読まれてなのかどうか、当サイトでもおなじみの石田記者が、喫煙所の増設は意味がないことを書かれました。
 論説の中心に例としてあげているのはポイ捨てですが、ポイ捨てがあるということは当然そこでは受動喫煙があるということです。

 タバコ吸い殻「ポイ捨て」する理由〜「喫煙所」を増やして効果あんの?
  =石田雅彦 | ライター、編集者 3/31(水) 10:30=

“最近になって喫煙室や喫煙所など、喫煙できる場所を増やせという意見が目立ち始めてきた。しかし、いくら喫煙所を増やしてもタバコのポイ捨てはなくならないのだ”

“ 意図的にポイ捨てされるゴミ、わざと捨てられるゴミの半分以上はタバコの吸い殻だ。ゴミには多種多様なものがあるが、単一のゴミとしてはタバコの吸い殻がダントツに多い”

“ 米国の複数の州での観察研究によれば……530人の喫煙者のうち、187人(35%)がポイ捨てせず343人(65%)がポイ捨てし、ポイ捨てされた場所の灰皿からの平均距離は31フィート(約9.45メートル)だった……ごく近い場所に灰皿があっても、10メートルすら移動することができず、喫煙者はポイ捨てしてしまうということだ”

“つまり喫煙者はわざとタバコの吸い殻を捨てている”

“ニュージーランド……76.7%が吸い殻をポイ捨てし、そのほとんどがタバコの火を消さずにゴミ箱へ捨てていた”

“吸い殻を有害なゴミではないと主張したり、内心でそう思っている喫煙者がかなりの数いるのだろう”

“ポイ捨てをやめてもらうため、携帯型の灰皿を配るとその灰皿自体がゴミとして捨てられ、これもまた効果があまりなかった”

反社会的行動のほうが広がりやすい
……当然だが、灰皿や喫煙所の周辺には喫煙者が多い。その中の少なくない人がポイ捨てしていたとすると、捨てる気のない喫煙者の心理的な壁が低くなり、捨ててもいいという気持ちになってしまう”

“灰皿や喫煙施設を増やしたからといってポイ捨てが減ることはなく、灰皿や喫煙所の周辺でもポイ捨てが横行する”

 そして結論です。

“タバコ会社が喫煙所などを寄贈し、それを安易に受け入れる自治体があるが、タバコ会社の製造物責任の後始末に税金を使うのは本末転倒といえる”

“ 喫煙所を増やすことは喫煙者を減らすことにはつながらない。タバコ会社がせっせと喫煙所を寄贈しているのは喫煙者との共存ではなく、タバコ会社の延命のためだ”

“ 喫煙所はその維持費、国の政策として進めている喫煙率低減への悪影響、周辺の歩行者や清掃者への受動喫煙被害などのコストやリスクに比べ、ポイ捨て防止の観点からみてもメリットは少ない。これ以上、喫煙所を増やすべきではないし、タバコによる健康被害を防ぎ、喫煙者を減らす意味から、むしろ減らしていくのが得策だろう”

 受動喫煙の撲滅には、喫煙所ではなく、ルールと厳罰化、禁煙表示や監視・取り締まりが必要なのです。

  喫煙所の外での違反の実例(会員提供・既出)

 

[当サイト関連既報]※他にもありますので、検索窓で引いてみてください。
 過半数が被害に遭っている受動喫煙 ~ 都調査 ’21年3月

 路上喫煙の取り締まり、違反は10年で5分の1に ~横浜市~ ’20年12月

 “〈私有地でも〉公共に受動喫煙をさせないこと” ~ 前進した受動喫煙防止の啓発 ~ 東京都港区 ’20年12月

 公園に勝手に置かれる灰皿? 喫煙者が密集する無法地帯に ~ 大阪 ’20年12月

 違反喫煙を自動で発見する装置ができました ’19年7月

 違反喫煙は警察に通報、注意してもらいましょう・・・閉鎖した喫煙場所での違反者・続報~「感染と喫煙」問題その12 ’20年5月

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